電通が「実力以上の頑張り」でスタッツ以上の善戦を見せた試合で、いやおそらくこの試合に向けてチームを仕上げたんだろうなというのが後半からじわる展開でした。
 ※最初断っておくと、スタンドではインターフェアの反則が電通よりだという非難が出ていましたが、一貫して共通の基準で取られていました。唯一厳しいと思ったのは一番最初の守備のインターフェアだけですかね。
LIXILはRB#39大野が不在で代わりに#13杉田をRB起用し、#28徳永#26松永とタンデムして各自素晴らしいゲインをしていたし、パスも#8石井#12大和田がいい感じでプレーしていた。
電通攻撃に対して守備ラインは常に圧倒しDBもいいカバーしていたのだけれど、じゃあどこに問題があったのかというとキックオフカバー。序盤から中盤にかけて大きなリターンを許してしまい、それが自分たちの攻撃開始地点を押し下げてしまった。
逆に言うとあの破壊力ある守備フロントに互する力が電通に備わったら、さらなる飛躍が望めるという事でもあり、次の課題として大変楽しみなポイントになったと思う。さらに#11柴崎がこのレベルで充分に通用する事が判ったので、来期以降にさらなる期待が持てると思うのだ、ホント。

得点だけ見るとシルバースター圧勝、見えるんですが……現地で見ていてそんな感じは一切無くて。
というか「試合を通じての意図がさっぱり見えない攻撃がジタバタばたばたして勝手に苦戦していた」というのが印象。
守備に関してはブルザイズ#25タイロン・ジョーンズの「ぬらりとタックルを外すラン」で「ドジョウすくい守備」になっちゃった所があるが、パスは実力差通りだったと思う。
守備を不出来と責めているわけでは無い。TJが信じがたいアクションでワンヒットで止まらないのである。それもなんかパワーで押し切るのでは無くタックルをぬらりぬめりと無効化して前進するのだからたまったもんじゃない。
※スクリメージで押しくら饅頭に巻き込むとか低めのタックルでこかすとかすればいいんだけど、腰付近へのタックルで体幹を押さえようとするとそこからぬめりぬるりと押さえつけるのを無効化するように進むんだなあ、これが。
逆にブルザイズはTJ頼みになっちゃって手詰まりになるんだけどね。
ブルザイズのパスも外狙い(ワイドが縦に行ってストップするか外にカットするか)が主体でインサイドで無理投げするインターセプトだったし。

シルバーの攻撃に関して言うと、例えば#19出口に経験を積ませるという事ならパスゲームであれ何であれ出口にずっと任せっきりにすべきだと思うんだけど、そういうシリーズ構成的に見てあまり意味があるように見えない#7安藤投入(パッシングゲームしたいならそれはそれでいいけど、ドライブ完遂とかじゃなかって前半の意図が全く読めない)とか、2Q終わり間際のキャッチアップ攻撃とか(残り20秒で出口のパスがロスタックルされた後安藤がパス２本決めるのはいいとして2本目スクランブルプレーから前パス通してラグビーパスだよ。それ、する意味が理解できない。この時点でブルザイズは敵陣に入ることが出来なかったんだから、無理する事は無かった筈)。
そういう意味で色々意図はあるのだろうが「古豪としての伝統と格式」みたいなものは全くないのね。
それがいいいのか悪いのかは問わないけれど、なんか見ていて白けちゃうのね。
真面目な話、「Just Win,Baby」でいいなら問わないんだけど、チームの文化とか哲学っていう見地から行くとブルズの方が見ていてすがすがしいと思うよホント。
特に今年のような「勝利に絶対的な価値があるわけではない」シーズンでこれは、ちょっと……。自分たちの文化って何だろうって見直して欲しいな。

序盤は「しょっぺえ試合だなあ」だったんですが、1Q後半から「をっ？」と目を見張りだし2Q以降凄い食い付きになった、両チームの意地と気迫がぶつかった好勝負でした。
拮抗する気配はあったんですけど、たとえて言うと「両チーム踵が浮いた状態」。実力的にはゼロックスの方が上なんだけど、ブルズは伝統のファンダメンタルに忠実で諦めない姿で。その姿、ブルズは踏ん張ってヒラメ筋がピクピク震えながら「ここは俺が食い止めるから先に行けえええええっ」と叫ぶ限界ギリギリの姿、そのタックルを受けて踵が浮き上がって徳俵で親指で踏ん張ってがぶり寄ろうとするゼロックス、という展開でした。

どちらもリズムに乗りかけて締めの所でインターセプトやファンブルロストだったんだけど、その呪縛が解けたのが2Q。ゼロックスが先発QB#3高橋から#12鈴木にスイッチした事でプレータイミングが変わって、ドライブが出るようになり、最後は#22桑原のワイルドキャットからのキープで走りきって先制。
ところがここからブルズQB#10時崎がオプション主体で攻撃を組み立てるとこちらもドライブするようになる。2QはそのままFGまで持ってきた。
後半はお互いの守備が相手QBにプレッシャーをかけまくる。ブルズは3Q全てパスコントロールが甘くなってDBがインターセプト、ゼロックスはその攻撃をパント、ファンブルロスト、パントである。
もうね。最後のゼロックスのTDはいらないプレー(ニーダウンしても勝ったから)だったんだけど、あれはやらないと気が済まないという奴だ。本当にそういう気分のプレーですわ。

その点で言うと両チーム供にルーキーや2年目の選手がもの凄く活躍していたので、来季が楽しみですよ本当に。 
前節いいところなしだった両チームとも、暖機運転が終わってこれからって感じなんでしょう。
※そういう意味で春のシーズンが無かったのが悔やまれますわ。

 確かに点差的にもスタッツ的にも「ご覧の通り」な結果ではあるんだけど、だけど、だけど……
なんか、違う。そうじゃない。
というのは、結構パスが通った時に、プレーが崩れていた印象が強くて。
というのもね。前半、多分東京ガスは1枚以上ブリッツを入れ続けたと思う。この時ブリッツの有無に限らずOTがかなりやられていた。というのも、一度外に行くふりを大外にOTを引っ張り出して内に切り返していたプレーが幾つもある。その時OGがインサイドの対処に追われて、かなり広くBギャップが開いていて、内に入るとQBまで一直線だった。それをロックレイが辛くも逃げて、という事が多かった。
無論ツイスターズの異名を持つシーガルズ攻撃ラインも早い段階でアジャストし、OGがヘルプに向かうように仕向けるのだが、そうすると今度はAギャップから漏れてくる。結局の所ここは試合終盤に東京ガス守備がへばるまで続いた。
また、東京ガスDBがかなりレシーバーをフリーにしてしまう(多分CBかFSが間違えてリリースしてしまっている)事が多く、それが結果としてこういう差になったと思う。
さらに東京ガスはロングスナッパーが安定感を欠いていて、パントの時にホームランスナップはするし低くて危ないときも多いし、折角の好K/Pの関根を生かし切れていない。そのせいか敵陣に入ると4thギャンブル連発であった。
こういった事に助けられての事である。次節の対パナソニック戦がやや不安に思えたのは私だけだろうか？

ふと目を離した隙に松井へのロングパスでフロンティアーズが先制したはいいけど、BigBlueのハイプレッシャー守備に手を焼いているうちに途中まで追走を許してしまった、という試合。
スタッツ見て貰うと判るのだが、フロンティアーズの個人記録で最長30Yard超が４本で、それだけでだいたい200Yard行っている訳です。つまりその他は成功率半々程度で120Yardな訳です。
それは守備スタッツで見ても(特にサック)IBMの守備がかなり奮戦していたのは判る訳です。
※そもそも#34JBがフル出場でなくて良いというローテーションが出来るようになったというのはかなりの成長だと思う。
ライブ配信では敗因をBigBlueの反則に置いていたけれど、ちょっと違うと思う。
QBの出来の悪さ、といった方がいいだろう。
この試合の先発は#3クラフト、途中前半に#7馬島が３プレーと#2政本が１プレー(ランのみ)、後半の出番に政本が数プレー出たもののクラフトに戻すという展開だったのだが、出だしのクラフトのパス精度がかなり悪かった。相当コントロールミスがあった。政本も後半のパスがタイミングが狂っている。
憶測に過ぎないが、この両者は負傷しているのではないか。恐らく政本は足か腰、クラフトは右腕のどこか。だとするとあの精度の低さは合点が行くのである。

そもそも富士通のパス守備はレシーバーに対してそこそこクッションを取るのでクイックショートは通しやすい所がある。だがそこに遅れたタイミングで暴投している所を考えると、どうも怪しいと思うのだ。
※レシーバーの近江が渡米中という事はあまり関係ないと思う。
なんか歯がゆさは感じた試合だったなあ。

追記：チケット完売だったのに観客が1000人いかないという……NoShowいたなら俺にチケットよこしいなっ
※雨予報だから断念したのかな?