まあ、あんだけミスって詰めが甘くなれば勝てないよね、警視庁。

守備が踏ん張って、相手の攻撃の起点となるべきラン攻撃を潰しているにもかかわらず、自分たちが攻撃中に反則で下がってしまうし、先制点を許したのはパントのホームランスナップ。
その後攻め込むもＴＤ出来ずにＦＧ狙うもホールダーがしっかり押さえられずファンブルロスト。

いやね。決して悪いチームじゃ無いんですよ。
ただ、攻撃にキレがない。
恐らく反射速度というべきところかな。バウンズアウトしたりデイライトしたりという所で、反応が今ひとつ遅いので、守備に寄られて止まってしまうのよ。
結果として攻めきれない。

逆にライオンズは、完全に警視庁におつきあいしてしまった感がある。
たしかに警視庁守備はよく頑張ったけれど、それにしてもおつきあいしすぎというか。

まあこのブロックは警視庁にとって不運なブロックだったと言う事で、捉えるしかなていかな、と。

と、いきなり書いたのは、本当に微妙というか、「なんじゃこりゃ」というか、ドングリの背比べってこういう事をいうんだなと思ったからで。

率直に言うと「両チームとも自滅してます」だし「こんなロースコアな筈ない」実力の筈なのに、どうしてこんなん試合になっちゃったんだろう。

試合は、コイントスに勝った東京ガスが後半の選択をしたことで、Bullsがリターン。先発QBは#6藤原。
案外、といっては失礼だが、そこそこの出来で試合を無難に指揮できていたと思う……一応は。
しかし最初のドライブはパス主体で攻めながら敵陣に入りランが出ずにFG失敗。

で、返しの東京ガス。基本的には#8徳島と#10岩崎のタンデム、前半終わり間際に#12田が出たが、基本手に期は慶應コンビだった上で#88岩越がワイルドキャットで入ってきた。
でね。もう序盤からBullsのオフタックル付近がズブズブなんですよ。突っ込まれたらダウン更新。ヘルプに入るとその外廻られ。
とにかくパスいらなんじゃないかってくらい、鹿島線で走れなかったのが嘘のようにズブズブとランが出る。
これは、恐らくラインが弱い所でヘルプに入ったＬＢ/DBの所ですれ違ったり止められないと、その後がいなくなる為だと思うのだが、それでも常に一枚から二枚プリッツを入れざるを得ない状況が、Bullsの選手層を物語ってしまったというか。
で、時折出されるQBカウンターが止まらない。
そう、そのまま行けば、絶対前半だけで３本はTD取れたのである。
取れたのであるが、パスに色気を出して失敗しまくり。
ブリッツがばかばか入っているのにブーツレッグしかけてブリッツ当たってコントロールミス、が２回。いずれもパスが短くなったところを出前に入ったDBがINT。おいおいと言う感じで前半は自爆状態の東京ガス。

じゃあBulls攻撃はどうかというと、こちらもラインが持たない。一枚ブリッリ入ると反対側からも漏れる。これではQBが持たない。その中で藤原はよくやったと思うけれど……結構レシーバーが落球してるんだよねえ。
特に3Q前半、TDパスを２回連続でドロップしちゃってるし（手に入ってるのに！）。

で、しかも３Q終盤に守備のブリッツが当たり（というかこのへんで東京ガスのラインのスタミナ切れ）QBサックの上ファンブルロスト、敵陣という条件で反則で下げられ得点できなかったは、４Ｑ入ってせっかくの前進を反則４連続で潰してしまうはタイムアウトは浪費するは。ここで同点のチャンスを自滅で潰してしまった。

Bullsはチーム事情があって色々大変だとは思うけれど、少なくともプレークロックの残り１５秒になってハドルが解けないならベンチが声をだして警告しないと駄目でしょう。それでタイムアウト２回浪費して、２回目（最後のタイムアウト）に至っては直後にフォルススタートですぜ。目も当てられない。それならディレーして仕切り直した方が良かった。
そう思わせる、なんか「努力してるし内に秘めた思いはひしひしと伝わってくるのに、どうしてこう空回り感しか伝わらないんだろう」という、そんな結果しか伝わらないんだろう。
勝てた試合だと思うのよ、今日は。

で、逆に重傷なのは東京ガス。前述の通りこの試合は「ライン戦で圧倒していて、そのまま相手の弱点を突き続ければもっと圧勝できた」のに、きわどい試合で、実際は負けなくて良かったという内容に終わっちゃった訳ですよ。
特にカウンターのスイープは、３Qあたりまで全く無警戒でズブズブだったし、インサイドのランはといえば「すれば必ず５ヤード以上」だった訳で。最初に相手を圧倒してから色々やっても良かったのに、時間を浪費して自分で手詰まりになって苦しんだという感じでしかない。
それって、かなり厳しくない？

まあ「似たようなレベルで必死にぶつかり合うのは、観ていて面白い」けれど「後でもやもやしまくる」というのはどうしたものかなあ。
両チームとも、もっとポテンシャル高いと思うんだけどなあ。

さて、試合は、はっきりいって「ぐだぐだと噛み合わない」パイレーツが轟沈したというべきですなあ。

せっかく最初のドライブでスタントンからボールを奪い取って攻撃につなげたのに、どうも出し入れするプレーがかみあわない気がするんだよね。

いや、まあ先発の#18幸田に関しては「決め打ちのタイミングでパスを投げられればそこそこなんだが、ちょっとでも歪むと判断が遅いので挽回できない」という欠点を今日も晒してしまった。もう一段ギアがあがらないと厳しいよね、というか。
その上で苦言を言うと、まあファンブルロストの件は仕方ないにせよ（１Ｑで、バックサイドブリッツが入った時気づくのが遅れてフォワードモーションに入る前にボールをはたかれてしまった）、前半終了間際の攻撃のあり方だ。
ものすごくテンポ良く攻めて、１分切ったところで、最後のタイムアウトを使わずにダウン更新狙ったところだ。
ここ、すっごくちぐはぐ。確かに残り３３秒くらいだったので、いろいろ考えられたと思うけど、時間流してプレーするくらいなら最後のタイムアウト取ってプレーして、ダウン更新したらスパイク、で残り３秒には出来た筈なのよ。
ここがもうちぐはぐ感漂う展開。

ちぐはぐといえば守備側も。
さらに、相手のQBが多川になったとき、あっさりキープ許しすぎ。
せっかく前半守備が健闘してクラフトをかなり苛立たせてプレーが雑になっていたという、明治安田の展開に持ち込んだにもかかわらず、要所で「見え見えのプレーにひっヵかる」事が多かったように思うのね。

まあ、キープレーであるランが出ない（その中で#22木村は頑張ったと思うけど、元々のプレー選択がねえという感じ）ということもあるのだろうけれど、ショベルパスを使うなど色々努力はしている。けれど、なんかちぐはぐなんだなあ。

残念だったのは、#4広野の出来｡膝の塗ん張りがきかないような場面もあった(そう見えただけだが)し、パスがちょっと弱い時もあって、3Qのインターセプトみたいな残念なプレー(もう少し高い軌道ならその裏にレシーバーが抜けていたからね)もあって、終盤突き放されることになったわけで。

そういう意味で「もう一歩、かみ合えば怖い」チームであることは確かだし、実によく考えて(実践できなかったのは残念だが)来たのは見て取れた。

逆にもともと攻撃力はわかりきっていたIBMの、不安たっだ守備がかなり改善されていたが今日の収穫。これ、かなり手ごわいですわ。

ただ、この試合一番どーしよーもなかったのは審判。
3Qにイリーガルブロックの判定に対してIBM(反則側のチーム)からカンファレンスを受けて裁定を変更し、そのために明治安田が再度カンファレンス。間延びしちゃったよ全く。さらにそのあと別の機会でオフセットの裁定をしたら、そこで明治安田からカンファレンス。
一度裁定下したら、カンファレンスで変更しちゃだめでしょ。その前に審判団の協議でしっかり確認しないと。
おかげで間延びした試合になって、もうぐたぐだですよ。
しっかり毅然とした態度をとってください!

 試合はシーガルズのキックで開始。警視庁は先発QBが#3松岡。ただしローテーションでドライブごとに#12荻田、#17中山が出てくる。ただし、全般的な換装として、松岡以外はパスが機能していないに等しい。（そりゃそうだ、X1部経験がある松岡も含めて、学生時代トップリーグ経験がないんだから、いきなりシーガルズ守備に機能せいというのは無理がある。経験積めば判らないけど）。

さいしょのプレーがスプレッドでのホームランスナップはいただけない（とはいえこの日は第二試合含めてホームランスナップ多発。風が気になるのでしょうか？）。しかし２プレー目にはブリッツに入ったシーガルズ#"古庄がオフサイド食らう。
この瞬間、この試合の特性を看破してしまった私ってヘンですかね？
「時間めいいっぱい使って相手の攻撃時間を削るのが狙いのイーグルス、しかもプレータイミングがかなり襲い」
「それにじれずにどこまで丁寧に相手を圧倒できるがシーガルズ」
そう、警視庁はゲームクロック０になるまでぎりぎり時間を使い、とにかく牛歩の如く相手をイラッとさせる頭脳プレーに出たのである。試合トータルで言うと、ディレーは１回だけという、実に「この試合のために練り込んで鍛えてきた」という事がうかがえる。

ところが、肝心の攻撃の軸になるランプレーが全く出ない。KJもBJもすぐに追いつくし、中央が厚い。
で。最初はあっさりパント。
この返しのドライブ、最初に#10森へのパスの後、#32原がバウンズアウトして独走TD。あまりのあっさりさに、100点ゲームすら予感させたのだが……。

ここから警視庁の守備は、よくがんばった。というより、シーガルズが単調だった。
次の攻撃ドライブで相手のパントミスで敵陣28Yardからの攻撃、というのに、中央が出ない、パスラッシュで押し込まれてスクランブルといいところがない。さらにFG失敗。
ここから、警視庁が試合を支配してしまった。
少ない攻撃回数で最大二時間を使うことにより守備を休め、スタミナ切れしなかった守備が個の力で局面で踏みとどまる警視庁。
ラフィン・ザ・キッカーやパーソナルファウル（しつこいブロックに腕が絡んでしまい、振り解こうとしたら袖釣り込み腰みたいになって相手を投げてしまった）でロスし、とにかくリズムが出ないシーガルズ。
たまにパスコースにゾーンで網を張り、手に届くところのパスは手を出しはじこうとし（さらいにそれをインターセプトしようとし）、徹底したプレーで自分たちの主導権を話さなかった警視庁。
結局終盤に追加点を取って相手を突き放すことに成功したが、攻撃的な組み立てに不満が残る結果となってしまったシーガルズと、守備に手応えを感じた警視庁、という結果で終わってしまった試合だった。

シーガルズ苦戦の理由として、攻撃があんまり相手守備を振り回していないという事と、パントが突風のせいで不利に（自分のパントは相手の有利な飛び方をし、相手のパントはリターナーの前で失速し）なったことだろうか。
とくに攻撃はランがインサイド一辺倒、コンビネーションブロックも多くなく、相手守備が疲弊しない形で終盤まで行ってしまった事にある。相手パスラッシュが衰えた4Qにこそ長い距離を走らせる事に成功したが、それまでは相手の掌にのってしまった。
しかしまあ、よくキれずに耐えたなあと。反則で自滅しなかったのは良いことです。

警視庁は、すべてのプレーが「遅い」。タイミングも、判断も。ところがそれが、見事にハマッてしまった。そのタイミングの遅さが、相手の速さとのずれを産み、そこで相手を苦しめる事につながった。そこへもって時間消費作戦。とにかくディレーが１回というのは、見事という他なく、これは焦れるよ相手。それで相手のリズムを計画通り崩しきったというのは、見事である。
さらに守備が非常に奮闘した。パスラッシュとどかないかと思ったら、菅原を何度もスクランブルに追い込み、あまつさえサックまでするというのは、実に感服。
ただ、これが通用し続けるとは思わない。ランクが下がると相手と五分になり、そこで本当の実力を問われることになるから。
あと攻撃ラインはもうちょっとなんとかしないと。立ち会いに負けすぎで、本来の生命線のランが出ないのでは困るのよ。