ちょっと思ったことを

今年のX Leagueの公式サイト(はっきり言ってデザイン的に見づらいという問題があるのだが、それはさておき)の中にTwitterの#xleagueハッシュタグのものが表示される箇所があります。
実際の所、あそこは他会場の情報見るのに役立ったことはあるのですが、ネガティブな意見も拾うので、公式としてはどうかと思うのですけどね。
※一応、個人的な見解としては、公式サイトに無条件な形でネガティブな意見が出るのはどうかと思うのです。逆に公式アカウントが各ユーザーのタイムラインに表示されるのは本筋だと思うのですが。

で、その中で先日の準決勝で、横浜スタジアムが再入場不可となっていたことに対する苦言が出ていたので、それについて。

はっきりいってしまえば、ンなの昔から再入場不可会場の基準があって、セカンドステージの時に緩んだこと自体がおかしいというか。

どういうことかというと、基本、興業会場においては「再入場不可」は大原則のことだと思うのです。
それを可能とした理由は唯一「場内に十分な飲食や購買の設備が無い為に連続する複数試合の観戦において観客に特段の不都合が発生する可能性が恒常的に起こりうる、あるいは突然の天候変化にどこまで対処できるか不透明である」ことな訳です。
これを回避する唯一の方法は、ラグビー等で行われているように「試合毎の観客の入れ替え」のみ、つまり「1試合しか見ないのだから、その間のみ自分たちで対処しなさいよ」か、再入場可能か、です。

では先日の横浜スタジアムの場合はどうか。
実際問題として相当数の販売店がそれなりの在庫をかかえて販売していた訳です。これでもし出入り自由にした場合、販売店の損失はどこが補填することになるのか? 答えは主催団体ですわ。営業保証金としてそれなりに取られますよ。
※これはドームや千葉マリンも同じと聞いた。
第一、二日間ハマスタ押さえるってどれだけ金を溝に捨てれば気が済むのさ(多分、ドームで一日2試合さすのよりは安く上がると思うが)

つまり、スタジアムの調理設備を使うような売店の営業については、そもそもの集客規模によって「ほとんど店を開けない代わりに出入り自由にする」か「施設内の設備を利用する以上、設備内で消化させる」かのどちらかしかないのです。前者なら前者で不満爆発、後者なら後者で不満爆発。それじゃあどすうればいい訳?
昔から十一月末なんてこんなことばっかりやって来た(以前から最終節は横浜スタジアムで3試合、ファィナル6も横浜で二試合だったじゃん)訳だから、準備できない自分たちの不手際は、どこなってんだよって感じですね。

第一、その日の天候に併せて防寒対策をするかどうか決めるのは観客でなくてはならず、自分の不備を偉いさんの責任に転嫁する行為ってどうよ、と思ってしまう。
あ、ちなみに私はちゃんと防寒準備しましたよ。厚着して、さらに冷えた時用のタオル4本(肩とか腹とかに巻くの)とホカロン多数と熱いお茶2リットル魔法瓶に入れて。手袋も用意したけど使いにくかったらしなかったよ。本当は膝掛けも用意したかったけど、鞄に入らなかったから諦めた。
こんなの十一月下旬以降、あたりまえのことでしょ。
そもそも二試合またいで見た人があの場のどれくらいだっつうの。客席の8割がチームの関係者、1割5部が協議関係者、のこり5分がその他って感じの構成のスタンドで、入れ替わらない人の方が圧倒的少数で関係者率高いんだから、そういう所察するべきなんじゃないの? 

なんかさ、結構観戦経験ありそうな人がそういうのに同意しているのを見ちゃうとね、がっくり来ちゃうんだよね。

個人的な見解なのでアレだけど、観客動員と観客マナーの向上はチームの責任だと思うから、チーム主体で何らかのアクション取らないと駄目だと思うんだよね。

そういう意味で、協議関係の観戦者の質の低下が顕著な気がして仕方ないのですけれど……

今後の非破壊自炊の計画

出来れば、来年二月末くらいまでに、20冊くらいは作りたいと思います。
なお、出来上がったからといって、あくまで個人の楽しみの範囲のものなので、お譲りすることは、たとえ著者・版元であったとしても出来ませんのでご理解ください。
(版元がほしがることはないだろうけど)

完成済
日影丈吉『内部の真実』
横溝正史『本陣殺人事件』-他の作品との抱き合わせなし-

今後の予定 取り組む予定順に
横溝正史 『獄門島』
日影丈吉 『夕潮』(単行本版)
横溝正史 『蝶々殺人事件』
横溝正史 『悪魔の手毬唄』
日影丈吉 『地獄時計』
横溝正史 『犬神家の一族』
坂口安吾 『不連続殺人事件』
服部まゆみ 『時のかたち』-小説のみ-
有栖川有栖 『月光ゲーム』
日影丈吉 『女の家』
横溝正史 『病院坂の首縊りの家』(合本として)
綾辻行人 『十角館の殺人』
有栖川有栖 『孤島パズル』
日影丈吉 『暗黒回帰』
河野典生 『殺意という名の家畜』
天城一 『天城一の密室犯罪学教程』

くらいまではやりたいものです。
※二月末:腰痛治療のめどが立つのがそのくらいですので。転職活動もそれくらいまでスローペースになると思います。
そんな甘いことでは駄目、という意見もあるでしょうが、前の会社のことほ忘れたいので。

これって何順?と言われたら「読みたかったうちで、青空文庫に確実に入ってない奴で、連続してやると作品世界に引きずり込まれないように配慮した順」です。
仕事してたらアタマおかしくなっちゃって、本が読めなくなった時期があったので、読み返したいものが結構あったので、このいい機会に読み直そうと思った訳で。
実際に『内部の真実』やったら、ちょっとあっちの世界にひきずりこまれかけましたので(独自の世界観が強い作家さんなので、行ったら帰ってこれなくなりそう)、日影丈吉は間隔を開けて、そういう意味では服部まゆみもそっち系統だから(傑作短編「桜」はこの本にしか入っていないが、文庫落ちしてないし品切れなんですよね)日影とスタックしないように間を開けて、ということを考えてます。
 

バージョン上げ

Windowsに関しては、当面現行の体制(メインがWindows7、キャプチャ用がXP)を変えないつもり。というのはWindows8というのはタッチスクリーン前提なので、デスクトップ利用者としてはあんまり必要ないかな、と。
(モニタも4:3の製品なので、そこに投資したいとは思っていない)
-予算が出来たらモバイルノート買い換えます。その時にはWin8になるかも。

で、最近Divx Encoderが9.0に上がったんですわ。
Win7 64bit環境でエンコードしてみて、あらビックリ。
以前は3時間の試合を10時間近くかけてエンコードしていたんですが、今回のバージョンアップで(エンコード結果が少し容量UPになっているものの)半分以下でエンコード出来るんですよ。今まで1日2試合がエンコード限界だったんですが、これでエンコ待ちは解消されるわけです……あとは見るだけですが、まだWeek12に入ったばかりですからねえ。
(さすがに毎日3試合見てたら、飽きたので消化ペースが落ちた)

さらに、現在予告段階ではありますが一太郎が毎年恒例のバージョンアップとなります。
異体字の画像化機能とかついてるようですので、外字生成の時にどれだけ苦労しなくて済むかが期待ですね。
※ITMediaのみの報道ですが、後付けオプションとしてKindle対応があるようです。
正直現在目指している電子化はリフロー型ですので、固定化には興味が無い(というよりそれはPDFで済んでしまう、という意味)私にはあんまり興味が無いんで、そこっでどうなんだろうとは思いますが。
ただ、個人的に言わせてもらうと、このペースでこの内容のバージョンアップであの値段、というのはあんまり納得できる内容じゃ無いんですよね。
ベースの一太郎のバージョン上がらなくていいから、周辺モジュールの提供で処理できないもんですかね。
-とはいえ、多分買いますけど。

ちなみにサーバOSは、そもそも8月リリース予定だったFreeBSD9.1が、半年遅れになっているので、また年末年始あたりにバージョン上げするかも知れませんし、しないままかも。

12/2横浜スタジアム第二試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
鹿島ディアーズ KD

3

7

7

7

24

富士通フロンティアーズ FF

14

0

0

0

14

Q TEAM TIME  PLAY  TFP

1

FF

2:53

 #19吉田→#81中村3Yard Pass   #11西村Kick

1

KD

9:53

 #14青木39Yard FG    

1

FF

14:24

 #19吉田→#1強 5Yard Pass   #11西村Kick

2

KD

11:22

 #12加藤→#2中川 15Yard Pass   #14青木Kick

3

KD

4:;51

 #12加藤 →#11前田6Yard Pass   #14青木Kick

4

KD

2:38

 #10山城→#20岩倉1Yard Pass   #14青木Kick
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12/2横浜スタジアム第一試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
オービック・シーガルズ OS

13

0

11

0

24

ノジマ相模原ライズ SR

3

0

0

7

10

Q TEAM TIME  PLAY  TFP

1

SR

9:44

 #16出澤 25Yard FG    

1

OS

12:38

 #6菅原→#85萩山 10Yard Run   #1金親Kick×

1

OS

14:04

 #6菅原→#85萩山 52Yard Pass   #1金親Kick

3

OS

4:07

 #1金親 36Yard FG    

3

OS

12:47

 #21中西 1Yard Run   #32原Run

4

SR

9:47

 #10小島→#34堤 4 Yard Pass   #16出澤Kick
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非破壊自炊に挑戦(7)その他、個人的な意見として

一応今回、非破壊自炊のやりかたについて長々と書いてみましたが、ここで自炊行為について個人的な姿勢を掲げておきます。

あくまで自炊行為は私的複製権の行使の一形態に過ぎず、音楽のように持ち歩きメディアに転送することと同列の行為だと考えています。
ですから、本を裁断しようがしまいが、それが個人の勝手だという理屈は否定しません。古本屋に売るのと同じですからね。
ただ、正直に言ってしまうと「新刊本を裁断して」とか言うのはもう心得違いだと思うんですよ。少なくともこのご時世(koboが出てから、大手出版社の新刊の同時電子書籍化というのは必然に近い形)、携帯利便性を問うなら新刊本を買うのでは無く新刊電子書籍を買えばいいし、また作家に対してそれを訴えればいい訳ですよ。

本を読んだ事によって、その書籍と共有した時間というものが読書価値である、という個人的な意見の元においては、ツールはともかく、一度手にした物を故意に破壊するという現在の破壊自炊については、あまりにも違和感ありすぎだし、それははっきり行って金を溝に捨てる行為だと思うのですよ(本に投資したのが、ではなく、機材に投資したことが、です)。

紙の本には、電子書籍には出来ない仕掛けがある訳です。正直、どう頑張ったって泡坂妻夫の仕掛け本(『しあわせの書』と『生者と死者』)は、固定レイアウトでしか再現できないし(ってか『生者と死者』に至っては絶対に無理)。
逆に電子書籍には電子書籍にしか出来ないことがある訳で、でも残念ながらそういうものはまだ表に出てきてないですよね(別に音楽埋め込みとかそーゆーことを行っている訳では無い。そこ、誤解しないでね)。

あくまで著作に対する利益は著作者に帰属し、編集権というのは著作者と編集者の間で取り交わされる契約だと思っています(現在は、製造コスト・流通在庫コストを出版社側が負担するビジネスモデルである為、編集者の上位概念である出版社主体ですけどね)。
従って電子書籍と紙の書籍の価格差が殆ど無い現状は、ちょっと違うような気がします。
自炊行為というのは、あくまでこの「編集権」について作者の了解無く行う行為であり、そこに他者が関与するというのは好ましいことではありません。
従って、自炊代行業者のような所にお金を落とすのは、個人的には「全くもって言語道断」であり、「そんな事までして本読む必要ないんだから、そもそも本を買う資格すら無いんじゃ無いの?」と思うのです。とっとと電子版で買えばいいし、電子版を出さない作家に対して不買運動すればいいだけでしょ、と。

ですから、あくまで今回の作成プロセスの公開については、「ちょっと時間かかるけど、自分たちで出来るじゃん。自分の責任で楽しみたいなら自分でやればいいじゃん」という話なんだよね、という事をちょっとでも感じて貰えたと思った訳です。

最近、なんか小説に物足りなさを感じるんですよね。
ラノベ・キャラノベのようなのが売れているというのが、この事態を象徴してますけど、なんか世代間断絶みたいなものを感じますよ。
もっと実のある読書ガイドとか作っていかないといけないと思うんですね。「ああ、これ、読んでみたい」と思わせるようなブックガイドが必要だと。

その為にも、読みにくくなった古典・中堅作品を積極的に電子ドキュメント化していかないとね。
そういう作品を一手に電子化・販売窓口・原盤管理・オンデマンド出版等を手がける出版社を、推理作家協会とSF作家協会と文芸作家協会は共同で立ち上げてもいいんじゃない?
※あくまで絶版本・品切れ本の復活が目的。だから版元と喧嘩した佐藤亜紀とか森雅裕とかも関係なく拾っていく。もし権利団体ともめたままなら、その来歴と互いの言い分を掲載する形で発表するなど、いろんな事が出来るよね。

そういう出版社出来たら、提案者として俺雇ってよ。もう、しゃにむに頑張っちゃうからさ。

非破壊自炊に挑戦(6)外字・Epub用処理・mobi生成

さて外字の話題です。
外字というと、Windows3.1の頃に色々と外字エディタを使って外字を大量に作ったり、会社のシンボルマークを強引に一字TTFフォントにしたりした経験があるんですが、まあ外字エディタでは「そのPC限定」だというので、フォントファイル生成が一番ましなのかな、と。

ところでEPUB3の規格を読む限り、外字の扱いは次の通りとなっています。

  • 普通に文字データで表現する。
  • OpenTypeフォントかWOFFフォントを埋め込む。
  • SVGフォントを埋め込む。
  • 画像で処理する
  • 説明テキストで表現する

をぃをぃ。「ふつーにもじでーたでひょうげんする」って何だよ。→「ネ申」(カタカナの「ネ」と漢字の「申」で「神」という漢字を示すこと)みたいなこと? だとしたらこれ縦書きでは無理ですわ。
ちなみに異体字表現ルールとしては「標準字体」を割り当てる事がこの方法に挙げられます。

OpenTypeフォントとWOFFフォントは、どちらも俗に「WEBフォント」と呼ばれる物。EPUB3ではTIFFと共に標準で表現できるように規格されていますが、原則としてUnicode上にその文字に予約されたコードが割り当てられていることが必須です。従って、全くない連中は「コード読み替え」などをしなくてはならず、同じ文字の異体字の外字が複数あると、結構管理が大変(ファィルの名前付け規則として推奨されているのがUnicode名を使うこと、となっているので)。
フォントエディタで日本語対応(生成できる文字が、ではなくメニューやヘルプが)されている物が有償の物しか無いのが残念。また、縦書き横書きなどの指定が大変。トライしたものの途中で放棄してしまいました。

SVGフォントというのは、ベクタデータ画像ファイルであるSVG形式の画像をフォントとして扱わせる方法。ちなみにSVG形式でのベクタデータでの外字作成と文字コード割り付けについては、GlyphWikiでテスト生成可能です。
但し、これはEPUB3の仕様上MustではなくMay、つまり「読めるようにしといたらいいとおもうけどね」的状態なので、リーダーソフト・ハードが対応しているかどうかで話が変わります。ちなみに、SVG画像として埋め込むことは出来ましたが、フォントとして引っ張ることには失敗しました。

画像で処理する、というのはmobiファイルの推奨形式で、Amazonの文書見ても他の方法は触れてません。JPEGかPNG形式、しかも128×128ドット以上8ビット(256色)透過png推奨との事。

説明テキストとは「つちへんに州」とか、括弧書きで記述する方法。小説でこれはリズム崩すからねえ。

今回の目的はmobiファイル変換なので、ちょっと配置上気にはなるけれど、画像形式を選択します。
で、今回はフツーにお絵かきソフトで、似たような部首の文字をラスタデータ化し、レイヤで調整しつつ作成しました。
この時、やや太め(明朝の太字、128×128の場合、100ポイントで作成)にした上で、微少な修正(縮小されたときに線がつぶれすぎないようにする)を加えます。

今回作成したのは以下の4文字+異体字1つです。

(この字だけは、どうしても文字サイズによっては字が潰れます) 拳の異体字に至っては、手元にあった異本すべてと照合したところ、すべてこの字を使っていた為、標準字体を使いたくなくて、無理矢理作りました。

ああそうそう、この字があるかどうかはCHISE IDS Findで検索するといいです。もしかしたらそこでGlyphWikiで公式に生成された字データが出てくるかも知れませんよ。ここに挙げた物のうち「拳」の異体字以外は、ありませんでしたけど。

なお出来上がった文字画像は、英字+数字のファイル名で保存。たとえば「U62F3.png」はOKですが、「U+62F3.png」はアウト。Epubでは表示できますが、mobiでは表示出来ず画像記号になってしまいました。

さて、これらをどうやって表現させるかというと、XMLっつうかHTMLの<img>タグ、ではあるのですが、そのままでは文字サイズが固定されてしまいます。そこでCSS(スタイルシート)をいじります。

まず、ルール上、epub3の画像はimagesフォルダに保存する事が原則です。画像ファイルをFUSEe画面上にドラッグ&ドロップすると、勝手にimagesフォルダに格納されます。

で、次に修正するのはCSSの設定ファィルです。
CSSは以下の物が出来ているはずです。
・coverstyle.css:カバーページ用のスタイルシート
・stylecommon.css:標準のスタイルシート
・stylevartical.css:縦書きの設定用スタイルシート
・stylehrizontal.css:横書きの設定用スタイルシート
一応、専用に別途スタイルシート埋め込んでもいいんですが、色々トライした結果stylecommom.cssに追加記載するのが一番わかりやすいという事が変わりました。
なお、WEBのCSSと違って、自分でスタイル名を勝手に追加できる訳ではないようです。使えるタグについては全部調べてませんけど。
ではstylecommon.cssの一番最後に以下のように追記します。

 img.gaiji {
    width: 1em;
    hight: 1em;
    display: inline;
    vertical-align: text-bottom;
}

ここで注意したいのが、EPUBとmobiで文字位置の解釈が違うらしいという事。mobiの場合一番最後の「vertical-align: text-bottom;」があると、図の位置が派手にずれました(他の所で悪さしている指示があったのかも知れませんけど)。しかしこれがないとEPUBでは微妙に文字の位置が右寄りにずれます。
ですので、最終目的にあわせて入れるいれないを判断して調整すると良いようです。
また、このCSSのお陰で、画像サイズは文字サイズにフィックスされますので、本文の方に入れるimgタグでは特にサイズ指定しません。

で、本文はいつも一括変換かけてますが、
<img alt="" class="gaiji" src="../images/U62F3.png" />
(拳の異体字の場合です。当然ながら、それぞれの外字については、そのファイル名にしないと駄目ですよ)
のようにimgタグを埋め込みます。
一応判っているとは思いますが、全XMLファイルについて外字の埋め込みしないと駄目ですからね。
※一応、最初に変更内容を書いておいた一太郎ファイルに、CSSの内容とIMGタグは書いておいた方が。EPUB再作成したら飛びますからね。

最後に目次。

実は生成された目次ファイルはインデントではなく、スペース埋めで段差がついてます。これは表示上みっともないので、<a href=>の記述とスペースの位置を切り替えてください。今回、インデント処理はしませんでした。

こうして出来上がったファイルをEPUB3形式ではき出してください。
出来上がったEPUBファイルは、そのままEpubリーダーで読むことが出来ます(一部のリーダーではなんか変な表示になりますけど、国産品なら大丈夫でしょう)。
Kindleで読みたい場合は、FUSEeからでも出力する方法(KindleGenというプログラムをアマゾン英語サイトから入手して、そのパスを登録すれば出来ます)がありますが、Kindle PreviewerにEPUBファイルをドラッグ&ドロップすると、「Compiled-<EPUBファイル名>」というフォルダを生成し、その中にmobiファイルが出来てます。
そのMobiファイルをリネームして、Kindleに転送すると「アイテム一覧」から「ドキュメント」あるいは「すべてのアイテム」をチェックすると、読むことが出来るようになります。

非破壊自炊に挑戦(5)OCRと一太郎での作業

さて実際にOCRにかけるのですが、ここで注意事項を挙げておきます。

  • ・「読取革命」で変換できるのは、原則JIS水準にあるもののみで、Unicode依存の文字は《環境損文字》として扱われ、その後の編集に影響が出る(少なくともその一行は文字を選択しても画像の該当部分を表示しない)。よって異体字や外字の取り扱いの際には無理な入力は避けて、一太郎側で編集する。
    例:異体字の場合は標準文字を入れておき、その事を一太郎の別ファイル(補足とか名前を変えておく)に「標準字」→「異体字」、という風に記載する。 具体的には「装填」→「装塡」、「蝋」→「蠟」
  • ・Unicodeにしかない文字は記号で表現し、一太郎の別ファイルに前後の文字と組み合わせて記載する。
    例:「占★」→「乩」※間違っても一括変換などする時に★を変換元に入れ忘れないこと。「★子埔」→「崁子埔」
  • ・どう探しても字が出てこない場合は外字扱いとする為に記号で表現し、一太郎の別ファイルに前後の文字と組み合わせて記載する。
    例:埤★ → 埤 土州(つちへんに州)
  • 図版は別途トリミングする。その場合、後で画像処理ツールで白黒2値(Notグレースケール)にする事を前提に、光ムラを最小限にするように撮影する。
  • 変換効率を上げるため、事前に撮影画像に以下の修正を加えると後が楽。「紙の汚れを明るめの色で補正する(ただし一番光っている所の文字色の近似値にならないように。ソフトによってはそのへんの色を間違って変換することがある)」「汚れ(インク滴、背面の過度な映り込み、髪の毛など)は背景色にそろえる」「ルビ・ふりがなや圏点は消しておいた方がいい(間違って隣の文字とくっついて認識される率が高く、逆にルビとして独立して識字される率は低い)」

※何せ戦前の台湾を舞台にした小説なので、最終的に4文字が見つからず、さらに1字だけ異体字が存在しない事が判明し、合計5文字が外字さなりました。また、ルビや圏点は版元・紙質・紙焼けの度合い・フォントサイズ等で認識されたりされなかったりです。基本的にルビまで認識させるのは無謀です。

一太郎を入れるともれなくATOKが入ります。ATOKの文字パレットはかなり強力な文字検索ツールですので、IMEパッド使うより便利だと私は思いますが、そこは人の好き好き。

読取革命の機能に「一太郎に吐き出す」機能がありますが、正直長編小説を吐き出すには向いてません(間違って状態保存しそこねた時に、過去の分の認識結果テキストが消えます。吐き出したものを読み込む機能はないようですし)。
何画像かに一度、変換内容を一太郎に貼り付けて行った方が利口だと思います。
こまめな保存という観点から見たら、作業状況の保存よりも変換結果の完成データの保存の方がいいです。
ちなみに私は、4画像ごとを原則としていましたが、これは作業にB5ノートPCを使っていて(ThinkPad X61)、ここに表示できるのが4画像だった為です。まあ、16ページ8ページ単位(すみません、最初間違ってました)で一太郎に貼り付け、成形するという事になります。

読み込みは書籍1行につき1改行されます。ですから、改行位置を原本とつきあわせつつ、不要な改行記号を削除してください。

あと、OCR作業字の注意事項としては、「一括変換する時は、正しく変換されている文字は「変換対象にしない」こと」を強くお勧めします。と、いうのは読取革命のユーザー辞書は1万件で、「、」「。」「の」「っ」「い」などは識字率が低いため大量登録されてしまいます。あまりにもひどいと思ったら、読取革命の上での一括変換は諦めていちいち手入力した方がいいです。

一太郎での作業の本番は、全編をOCRで変換してからです。

  • まず、異体字の変換を実行します。置換機能を利用してください。
  • 通常の画像はレイアウト枠で埋め込んでください。
  • 文章中に埋め込みたい図は、外字と同じ扱いにします。
  • 外字はここでは扱いません。FUSEeで処理しますから、手を出さないこと。
  • 縦書き書籍の場合は、原本と同じ一行字数・一頁行数にした上で縦書きにレイアウトに変更します。
  • ルビ・圏点を、原本を参照して書き起こします。一太郎の機能では、ルビ:「書式」-「ふりがな」 圏点:「書式」-「文字飾り」-「傍点」です。
  • 最後に目次を設定しますが、改頁と密接な影響が出るので、最初は「目次2」で設定してください。「挿入」-「記号」-「改ページ」とEPUBの 改頁は一致しません。

一番最後の問題、改頁。実は一太郎2012の段階では改頁指をはき出しません。では強制改頁をどうやって演出するかというと、ドキュメント部分のXMLファイルそのものを別ファイにして改頁を再現します(別ファイルに書かれているのだから、一画面に連続して表示しようが無くなるわけです。そりゃそうだな、と)。
強制的にXMLファイルを分割する単位に、一太郎の目次機能の「目次1」タグを利用しています

従ってこの『内部の真実』の場合、なんとしても第一部と第二部は改頁せねばならない構成上の理由があったため、以下のような構造になるように仕組みました。(なお一太郎の目次機能を使うと、自動的に目次ページが生成されます)
 cover.xhtml    -表紙。これは後で説明。
 navi.xhtml     -自動生成されるファイル。
 document1.xhtml -目次。
 document2.xhtml -中扉。作品タイトルだけのページ
 documnet3.xhrml -第一部 玉蘭姉妹の庭(Ⅰ~Ⅹにリンク)
 document4.xhtml -第二部 個の権利(Ⅰ~Ⅱにリンク)
 document5.xhtml -書誌・校訂:ちょっとカッコつけて書いてみましたなもの
ちなにみ、一太郎上では原本にそろえるべく改頁記号は入れてありますが、これは確認作業の都合上わかりやすくするために行っているものです。
※まだ試していませんが、シートを別にするとそれだけでXMLファイルが分割されるのかも知れません。
目次レイアウト自体はEPUB形式にしてからいくらでも(多少は知識がいりますけどね!)修正可能です。

ついでに、この段階で一度、必ず原本との校訂、および必要なら(今回の目的のように、複数の異本を照合する場合は)異本との照合作業をして校異校訂をすませておきましょう。
EPUB化にコケたり編集ミスっても、一太郎ファイルを正本として保存しておけば取り返しがききます。

最後に。一太郎ファイルに関しては忘れてはならない格言を。忘れちゃいけないこまめなセーブ

あと、原稿のバージョン違いは最終決定するまでそれぞれ保持したほうがいいです。

非破壊自炊に挑戦(4)では実際に撮影してみましょう

今回非破壊自炊したのは、この本です。

今は無き社会思想社・現代教養文庫刊
日影丈吉傑作選Ⅲ 『内部の真実』
です。
この作品は私のミステリ感を全く180度変えてしまった作品でもあるので、是非とも手元に置いて読みたい本でもあるのです。
そもそも日影丈吉に触れたのが『夕潮』の刊行時点(1990年)。読んでみてなんとも言えぬ感覚にとらわれて、売っている物で入手可能ならと思ってLIBRO池袋(当時地下2階に移ったばかりの頃ですな)に駆け込んで、本棚にあったのがこれと同じく傑作選Ⅱ『猫の泉』だった訳です。
なお傑作選Ⅰ『かむなぎうた』は今に至るまで入手していません。結構キキメなんですよね、これ。

当時就職活動してて翌日面接があると言うのに、布団に入って読み始めて止まらなくなり、最後の大手大尉と津路軍医の会話で「え、えええええええっっっっ」と絶叫して飛び上がり、布団の上に正座して「ま、参りました~っ」と土下座してしまった記憶があります。

ってのと、あとこのカバーアート。建石修司のこのカバーアートが、本文に出てくるヒロイン(正しく言うと主人公・小高軍曹の憧憬する少女のイメージを愚けんかしたような存在である女性)のイメージと結びついて、しばらく脳裏から離れなかったという思い出があります。
やっぱり建石修司はいいよなあ、うん。
※この画像は、デジカメで撮影した物に多少手を加えてありますが、絵の部分は補正していません。

元版は1959年、講談社「書き下ろし長篇推理小説シリーズ」第3巻として刊行。その後雑誌「別冊 幻影城」収録時に数カ所の改訂を行い(が、この時誤字脱字が多かった模様)、それをこの文庫は底本としています。
ちなみに現在一番新しい国書刊行会『日影丈吉全集』では、誤字脱字の多さを理由に初版に準拠している為、私にとどめを刺した言葉が採録されていません(巻末に異同対照表が掲載されている)。
ですので、今回は誤植の修正と、改訂結果によるストーリーのバランスを考慮して、くぼたさん的完全版を作ろうかなと思った訳です。

……いや、ここに作品への思いをぶつけても意味ないじゃん。

さて、前回挙げた機材をここでセットします。

ドームスタジオの中で、こんな感じに三脚+雲台+延長用の機材+デジカメを設置します。
これをやるから、一眼レフみたいな重い奴だと簡単に倒れてしまうのである。実際このように、三脚を後側に倒し加減でセットする為、普通に雲台等を追加いなかったら、三脚の足が入ってしまう。そうすると(初期の撮影で苦労したが)全体が入らないという問題に悩まされるのです。
コピースタンドだと下手するとドームスタジオLでも無理っぽかったので。つらいですなあ。
こうなっちゃうともうファインダーはのぞけませんから、SZ-5のようにリモートで撮影できる状態が一番良いとなります。

そこに本をセットします。
 
ちなみに、向かって左上からスタンドで光を当ててます。これで陰が殆ど出ませんので、紙焼けした本ではこれが後からじわじわ効いてきます。
なお、逆にこの程度では光源が弱いので、必ず露出の設定を+1以上にしましょう。実際には+1で十分行けます。
これで、見開きごとに撮影していきます。
ちなみに、左右の高さがずれるときは、読書クリップで上を、指で下を押さえました。
できあがりはこんなかんじです。

※この時点ではドームスタジオがありませんでした。
まだ焼けが少ないのですが、これでも「す」「ま」「し」などはちゃんと変換されませんでした。
この仕上がりを一枚一枚チェックし、指が妙にかかっているページや、クリップの陰が邪魔しているページを撮影し直し、変換順を間違えないようにファイル名をリネーム(今回、本文と表紙だけで100枚以上撮影していますので、順番が狂わないようにファイル名ソートが簡単な状態にしておくのが吉)して、という一連の作業で撮影を終えます。

あ、あまり大きく綴じ口を広げなくてもいいみたいです。

非破壊自炊に挑戦(3)必要な道具たちとか

さて今回の方針は決まりましたが、必要な道具について触れなくては成りません。

※本当はAmazonからデータ引っ張りたかったのですが、気がついたら仕様変更になっていて、データが取得できませんでした。今度しっかり研究しようと思います。

1.撮影用機材
デジカメ:Panasonic Lumix SZ-5 これにした理由は、リモコン機能があるから。
サポート:エツミ ドームスタジオM 後述しますが、あると便利です。
三  脚:どこぞの小型三脚(メーカー名忘れました) 一眼レフ用のものではなく、コンパクト用の小型品
雲  台:どこぞの雲台(かなり昔に買ったもの)と、どこぞの延長フレーム
本当は欲しかった三脚:デジカメ撮影スタンド 例えばハクバのとか。コピースタンドでも可

まず Lumix SZ-5。これは、基本的に本の真上から撮影する事を前提にしているので、本を押さえながらカメラのファインダーを覗きつつシャッターを押す、なんて芸当が無理だからです。
その為リモコンORレリーズ付きのものでもあればと思ったのですが、Android携帯をリモコン化出来る機能がある(ついでに、携帯側がファインダーの機能も果たす)というこれのみが選択枝となりました。
しかし、ビックカメラ聖蹟桜ヶ丘店のカメラ担当、非破壊自炊くらい知っていてくれ。とんちんかんなものを勧められても困るのよ(最近はやりのミラーレス一眼勧められたが、あれなら今持ってるDiMAGE A200の方が都合が良いのだ)。

あと、紙って意外と光を反射する傾向があります。一時期はやっていた嵩高紙のようなエンボス加工してあればともかく、光の強弱と印刷のノリの悪さで範読が難しくなることもあります。
その為、光の強弱を考えたらドームスタジオのような遮光・拡散光キットは必須です。カメラへ本体をドームスタジオ内に入れてしまえば、まず間違いなく自分の影は出ません。

三脚はカメラ固定用。本によって距離が違うので、それなりのものを。
そこに雲台(三脚のカメラ固定部分)を別途つけているのは、そのままでは自分の三脚の足が入ってしまうから、少し先に延ばしているのです。これがコピースタンドや撮影スタンドのようなものであれば、そこは気にしないのですが、なにせお高い! 最修飾祝いの自分へのご褒美という方向で検討中。

2.本を押さえる道具
書見台
読書クリップ

実際、本は厚みによって開いたページが反り返ってしまうので撮影されるテキストはどうしても扇形になってしまいます。
本来は「直角に本を押さえ込み、ページがめくれないように固定できる道具」があれば良いのですが、あいにくそんな都合の良いもは存在しません。(そのうち木の板とゴム紐とL字金具で自作するかも)
そこで、単行本は書見台を、文庫本は読書クリップを使うことにしました。
どうしてもたわみの量を抑えたい場合は、薄い側の背後に本を入れるなどの工夫があればいいと思います。

3.PC上の処理道具
OCRソフト:読取革命Ver.15
ワープロソフト:一太郎2012承
EPUB編集ソフト:FUSEeβ
mobi変換ソフト:Kindle Previewer
その他:画像編集ソフト(透明pngに対応していればなおよし)

まず、デジカメで撮影した書籍は、場合によってはなんらかの画像処理をしないと認識率が下がる傾向にあります。
その為にも簡単な画像編集ツールは必要です。くぼたさんの場合、昔から使ってバーション上げてないPaint Shop Pro8 を使ってます。だいたい本の紙焼けが問題になったのは1980年代ですから、その前後の文庫本は酸性紙を使っていることが多いので、茶色く変色しているはずです。この場合、シャープネスを強くすることで、何とか識字率を上げることが出来ますが、強くしすぎると今度は茶色部分が強調されて汚れとして拾ってしまう事があるので要注意。
OCRは最近数が減りましたね。昔は富士通さんのImageOfficeのOCRが最強だったのですが、いつのまにか違うソフトになった上に手に入らなくなってしまいました(いや、もともとImage OfficeってOCRソフトじゃなくて、電子ドキュメント管理ツールだし)。そこでWebの評判で「読取革命」に決めました。
実際問題として文書を編集するのはエディタでもFUSEeでもいいのですが、一太郎2012はEPUBエクスポート機能があるので、一括変換とかルビ振りとかなど、おおざっぱな所は一太郎側で処理してしまえばいいんです。
FUSEeの方にはWordから読み込む機能がありますが、何せWordは縦書き文書のレイアウト能力はからっきし駄目って事で、挿画とかあった日にはどうしようと悩む結果が待っているので。
ただ、EPUBの規格の都合上、変換したEPUBは一太郎では編集できないので、最後の微調整はFUSEeでやります。(製品版もあるのですが、今回はテストの為試用版でやっています)。
最後にKindleの確認用ビューアソフトであるKindle PreviewerにEpubファイルをドラッグ&ドロップすると、中間ファイルとしてmobiファイルやらフォルダやらを作ってくれるので、それで行きます。
最後に、外字作成用にmobiファイルが推奨しているのがpng形式の画像ファイルである為、それが編集できるソフトがあった方が良いと言うことになります。

外字については色々問題をはらんでいるので、別項でしっかり触れます。ってか書かないと忘れるって。