地域リーグ底上げのためのコーチ派遣というプラン

前述の記事の中で触れた事で、一番大事なのがこれではないかと思うのですが。

実際には下部リーグにも派遣は必要だと思いますけれど、とりあえずフットボールという競技が全国的に認知され定着するためには、地域校OBがコーチをしている限りは伸び悩む筈なんです。知識に上限があるからね。

そこで、各地域2~3校に対して、専任コーチ各1名を協会が派遣すればよいという訳です。
※全校にしないのは、単に費用的な問題から。

現在、サラリーマンの平均年収はだいたい500万程度のようです(参考)。

従って、「一定期間居住できる場所を無償で提供(家賃のみ)し、年収確保した上で5~6年間専属コーチとして1校に配置され、活動する前提で日本協会と雇用関係を結ぶ」ようなコーチを複数名雇い入れる必要がある訳ですね。
※契約は継続可能だが、任地は必ず変わる義務がある。なれ合い防止のためと、常にコーチ技術を学ぶためには中央チームに復帰しなくては困難だから。

このコーチについては、
1.1~4月までは地域協会主催でコーチクリニックを主催する義務を負う
2.地域の評価を受け、コーチとしての適正が疑われる場合は延長できない
3.ビジネスコーチングの教育を必修とする
4.連盟主催の安全教育・保険教育の受講義務
5.地域連盟の運営には関与しないが、ルール・メカニックには関与する
などを課す訳です。
この場合、。現在派遣が必要なのは北海道・東北・東海・北陸・中四国・九州。各地区3チームに派遣されたとして18名の雇用が必要で、9千万(平たく言えば、「1億」ですな)を、最初の10年間捻出する事で相当のスキルアップが出来ると思うのです(10年経過したら、人数の増減は発生しますので費用は変わります)。
費用配分は、日本協会6:地域協会2:学校2。従って協会5400万、地域協会1800万、チーム100万+家賃を負担する訳ですね(いずれも1年単位)。

コーチになる人は、フットボールでメシ食えます。ただし家庭は保てません(契約切られたら生活の保障はない。当然ですよね。しかも多分チームが用意する下宿先は安い学生寮みたいな所になりそうですからね)。たとえば地域協会が遅配する可能性もあるので、蓄財のためにはバイトもしないといけないでしょう。

正直、各地区1人でもいいんですが、まず該当地域の政治的な駆け引きに巻き込まれることは間違いないです。だから、最初から複数人を配置した方がいい訳です。しかも、任期が過ぎた後は残れない(生活のために移動する)事になるので、どろどろしたものには巻き込まれなくていいですよね。

ある程度期間が過ぎた時点で、今度は登録コーチを主要リーグ3部以下に派遣するようにします。この場合は協会4:派遣先連盟2:チーム4としますけどね(主要リーグには地域振興の意味があるから協会の負担が増えるが、主要リーグの場合は実際にセミプロコーチ-職員採用コーチが実在するので、あとはチームと学校の努力となる。よって補助率を減らす。派遣先連盟が負担するのは「本来やってるチームがあるのに派遣を求めるチームが出るという事は、連盟内改革が出来ていない」というペナルティの意味を含める為)。

その次のステップとして、連盟の負担を数年おきに減額し、チーム負担額を上げていく。
これは10~20年したら、各地域に高いレベルのコーチがそろう為です。減らした連盟の負担分は全国コーチングカンファレンスを開催する費用に廻す事で、より高いコーチを生み出す原動力になります。
そして30年程度経過した場合に、この制度を廃止して、コーチ年金(ライセンス取得者に対しての最低生活保障給付。但しコーチ以外の職業に就業している人は対象外)の支給とチームの雇い入れ金で活動させるようにする訳です。
(この制度の開始当初は、1チームに支給対象コーチは1名のみ在籍、というルールを付けること。でないと学校の体力によって買いあさりが横行する為)

こういう事をすれば、地域の底上げも果たせると思うのですがね。

まあ、少なくとも基準もなく「トーナメントは時期尚早」とか言うよりは、建設的な提案じゃないですか?

甲子園ボウルについての私考

調べてみると朝日新聞サイトに記事が出ていたようですね。関西版だけなのかな?

---以下、アサヒコムからのコピーです----

今年で63回目を迎えるアメリカンフットボールの東西大学王座決定戦「甲子園ボウル」が、来季からトーナメント方式の選手権大会に衣替えしそうだ。現在は関東、関西両リーグの王者による対抗戦だが、全国8リーグの優勝校によるトーナメントに移行する方向。「甲子園ボウル」はその決勝として名が残るという。20日に開かれる日本学生協会の会議で方式などが話し合われ、来年3月までには新しい選手権大会への移行が決まる見込みだ。

 これまでは、東北や九州などのリーグに所属する大学は出場の道がなく、「不公平」「(甲子園ボウルは)真の大学王座決定戦ではない」という意見が根強くあった。11年前にも選手権構想が持ち上がったが、関東、関西両リーグと地方リーグの実力差があることなどから頓挫している。

 現在も実力差は埋まっていないが、来季からの中継を検討しているNHKやスポンサーの意向などもあり、選手権導入の流れが加速した。従来通りの甲子園ボウル開催を希望していた関西連盟も「大会の継続、競技の底辺を拡大する意味でも(選手権化は)避けられない状態」という。

 過密日程やかさむ遠征費用など、課題は残されている。それでも、地方リーグに甲子園ボウルへの道が初めて開かれることで、東海学生連盟の吉戸広文理事長は「学校側の部の強化、活性化しようとするモチベーションの向上につながる」と期待している。

---以上、アサヒコムからのコピーです----

この予想トーナメントには異論があるのです。

現在、東海・北陸は「関西2部とプレーオフを行い、関西1部への入れ替え戦への出場権を得る」スタンスであり、いきなりこんな簡単に望んでは関西2部に対して失礼に当たりませんかね?
また、中四国リーグと関西学生3部では地域が重複しているため、岡山大、徳島大、鳥取大、吉備国際大はリーグ転籍の義務がある(つまり、関西は関西でエリアを限定し直す必要がある)んじゃないですか?

リーグ戦の日程と試合数から考慮して、次のように組むのが適切のように思います。

1.原則地域リーグは10月までシーズン終了。出来れば第3週に終わるようにリーグ規模を改める。
2.地域性と規模を鑑み、初回からしばらくの間は東北リーグと九州リーグを第1シードとする。
3.甲子園ボウル主催の関西学生リーグは初回からしばらくの間、最終シードとする。

従ってこっちの方が筋っぽくなります。

ただし、個人的な意見で言うと、関東は1ブロックのチーム数を減らすべきだと考えているので、その場合は成績次第で関東のシードが一段下がってもも何台ないかも知れません。

 

 

 

 

 

もう1つあるのは、地域王座戦を復活させ、勝者と関東王者が甲子園招待選手権をやる、というもの。
何故関西に試合負担をかけないか、というと、あくまで甲子園が招待試合だからです。ホストは最後の相手と試合する権利があるから。10年後に、たとえば代表決定戦に地域校が常時出てくるよう(3年連続。かつ4本差以内)にれば、関西に負担をかけてても良いでしょう。(とはいえ、あくまで、地域性に拘るのではなく、戦力に比例した負担である)

誰も気にしてないのか、「主催新聞社系列の放送局が、放映権を手放す」という事態について考察されたものを見たことがありません。
どうしてそこに目を向けないのか判りませんが、少なくとも「関西の招待試合で日本一が決まる」というのは、世間的に却下されたと見るべきでしょうね。

そして、日本協会に望むのは、なんとかスポンサーを探して「国内レベルアップ作戦」として、地域リーグに優秀なコーチの派遣を行うようにして欲しいのですわ。多分それがないと、不要論のままで終わりますから。