あのー、誰か「風俗考証」をつけてあげるべきなんではないかと。
特に「時代物」は、ひどかったりする。
・現在東京MX他で放送中の『戦場のヴァルキュリア』。舞台としては第一次世界大戦前後のヨーロッパで、戦車を使った機動部隊が、隣接する帝国か何かの侵略に抗戦する話、らしい。
まず「無限軌道をハンドルでドリフトさせる」という軍事的にもあり得ない(キャタピラではハンドル操作ではなく左右キャタピラの前進後進で方向転換する。ハンドルというのは前輪を曲げることで回転軸を生み出す物であって、キャタピラとは物理的に噛み合わない。一度制止するから砲塔が回転して死角を消すのだ。ちなみにドリフトしようものならそのまま起動が脱輪して動かなくなる。無論、タイヤならこんな問題は起きない)。
この時点でげんなりなのに、ヒロインの女の子を初め女性軍人がみんなミニスカ+ニーソで銃撃をしている。お前さんら、ヨーロッパの田舎町で匍匐前進して見たら判るだろうに。太ももにひっかき傷どころか枝や小石が突き刺さって動脈切るぞ。だから軍服のズボンはダボダボに出来ているのだ。
ついでに女の子の従軍者がミニスカでおかしいのは、看護関係であった場合に雑菌が入るから。戦場で皮膚を露出するのはベトナム戦争くらいからである。
→もう、このツッコミどころ満載の第1話で、見なくなった。時々ザッピングしていると映るが、ビル4階建ての超巨大戦車が砲撃で岩山を破壊した瞬間に吐き気すらにした(戦車は重油によるガスタービン駆動。あんなデカいのを動かす事なんて出来るはずがない。列車砲ならまだしも、だが)
・現在TBS系で放送中の『大正野球娘。』。大正時代に野球に熱中した女の子達の話、らしい。
これもたまたま第一話を見てげんなり。セーラー服のスカートの丈が、何故か膝上。この当事の写真を見て貰えば判るが、基本的に膝下である(膝上は、戦後昭和40年代の文化である)。
何故か。膝上では電車などに座ったときにスカートの内側が見えてしまう(閉じていたとしても、そういう風に思われる)。従ってスカートの丈は座ったときに膝が完全に隠れる程度、というのが正しい。当事、露出が多いというのはそれだけ「はしたない」行為だったのである。※モボ・ホガというのは「不良」。一般の服装ではない。
→もうこの時点でパス。いい話かどうかではなくて、ね。
もうちょっと風俗史勉強しようぜみんな。
ちなみに剣と魔法系のファンタジーでも、女の子の下半身の衣装は風俗考証から見て間違っている。いつまでパルプ時代の残滓を引きずってりゃ気が済むのかね、本当に(「コナン」なんか読んでると、露出の多いのはあくまで南方と室内なのである)
このへんで考証が行き届いているのは『狼と香辛料』くらいかな。
時代考証というよりは風俗考証。当たり前の事が出来てない「チェリーボーイの股間を軽くカチカチにさせてゼニ取る」作品が多くて、嫌になります。