さて、本日の話題はなんと言っても「クラりん」こと(って勝手に呼ぶなよ、失礼じゃないか-本当に悪のりなだけですので、本文中ではここしか使いません-)ケビン・クラフト選手。なんつってもUCLAのスターターですからっ。
さらにチェックするとIBMは去年までDBしていたグリフィンがDLになり、TEにもスタントンという選手を獲得。
これにより、レシーバーは元々質の高い選手が多かったIBMがどう変貌するか、かついつも3Q終盤に緊張の糸が切れて緩くなるところがどうなるか、というのが非常に楽しみな点なのです。
で、試合開始から守備側でIBMの変化が。ってか、富士通のリターンから始まって、ランが全く出ないままパント。
富士通は#18出原先発。
そのランが出ないが、ライン割られてロス、というパターン。ちょっと今までに無い展開。
さたて返しのシリーズ、話題のクラフト登場。一回り大きく、それだけでひとしきり話題に。
で、ここからとにかく止まらない。確か最終的には17回連続成功だっけか? しかもノーハドル。
何よりテンポが速いし、投げるのにかかる時間が少ない。
どうにも止まらない、為す術無くという感じで、2プレー目の末吉のランを挟んでパスで圧倒、あっさり6プレー目で先制TD。
返しのドライブ、まずは右SBに位置した#4宜本にリバース、そこからロングポストでフリーになっている#17秋山へパスが通る。もっともそれがちょっと手前に落ちたので、そこで秋山のスピードが落ちてしまい、最終的にはTD出来ず敵陣22Yard止まり。リードに抜けていたらぶっちぎりだったのに。
が、次の#6神山のランの時に、プレー後にパーソナルファウルをして下げられ、さらに次のプレーはプレッシャーがきつくスクランブル。さらにその後フォルススタートで下がり、次の秋山へのパスが通ってもダウン更新ならず、FG。
次のIBMのドライブも、クラフト行軍止まらず。最初に#24中野のランのあと、5プレー連続でパス成功、さらに#10末吉がワイルドキャットからダイブし、さらにパスでTD。
気分は絶望的ですらある。
ここまでで傾向として
・富士通のCBが、SFのフォローをする為に深い位置で構えている。そのままクッションとってバックペダルする事が多かった為、フックなどで簡単にフリーになる。
・ツインセットしたサイドでは、必ずどちらかがコーナーを吊り、その開いたところにパスが落ちる。
・インサイドがそこをカバーしようとすると、LBのゾーンに必ずTEかスロットがディレーで入り、フリーになる。
という所か。
フロンティアーズのラッシュが届かない、というより、プレッシャーが届くよりも早く投げるのよ。これは困った。
次のフロンティアーズの攻撃はパント。
その返しのドライブ、2本目で初めてのパス失敗。というか、アウトのパターンでレシーバーが外に出てしまっただけ。
次のプレーは、投げるところが無くてスクランブル。
次のパスで初めてレシーバーがドロップ。それでも次のパスが通る。(ここで1Q終了)
末吉のランで敵陣49Yardまで攻め込むも、次のディレーでポストに出た末吉がパスをドロップ。
それても井江葭のドローで44Yardまで進むと4th3Yardでギャンブル。だがこれは#17小川へのパスが長くてギャンブル失敗。
さてここからフロンティアーズはQBを#19吉田にスイッチ。
最初に#30金の左オープンで進むが、次の金の中央へのランは止められ、次の吉田のスクランブルで何とか敵陣41Yard。そこから#88大橋へのスクリーンが決まり28Yard。ワイルドキャットから#32後藤のドローが決まり18Yard。次の後寅卯のランはでなかった物の再び大橋へのフラットのパスが通り、しかもパーソナルファウルがあり、7Yardまで進むと、仕上げは左バンチからスラントに入り込んだ宜本へパスが決まり、フロンティアーズ初TD。
ここから試合は激しさを増す。
まずクラフトが3回連続パス成功させるも、敵陣に入りスクランブルに出たところをギャングタックルくらい、しかもボールを掻き出されてファンブルロスト。
しかしこの攻撃でまたしてもランが出ないフロンティアーズはあっさりパント。
それを返しの1プレー目で末吉が爆走し敵陣47Yard。立て続けで末吉が持った後、#1岸へのパスで28Yard。2回3回パス連続成功で攻め込む、と思いきやなんと3回目でイリーガルモーション(ただファウルマーカー出たのが遅かったから、捕球時の反則かと思った)で下げられ、次の末吉のランも止められ、FG。
次のドライブでフロンティアーズあっさりパント。
残り1:24というところで最初のプレー、小川へのパスを読み切って前に入った#2佐藤がINT。次のプレーで出原から宜本へパスが通るも次のパス失敗を挟み、次の#81中村へのパスが少しショートしたところでインターセプトされてしまう。奥に通れば一発TDだったのに。
この後攻めきれず前半終了。
だいたいフロンティアーズ守備が、次第にレシーバーのカバーが出来るようになってきた感じで前半が終わったので、後半に期待出来る状態でハーフタイム。
後半最初のドライブで運命が決まる、ようなもの。
リターンしたIBMは、まず末吉のスイープで前進すると、岸へのパスで敵陣侵入。続いて小川へのパスが決まり34Yard。しかしここから#18高木へのミドルインを競り合ったDBがカット、#89円谷へのフックもDBカット、小川へのロングパスもドロップ。中途半端な距離だった事も考慮してディレーで下げてパント。
この返しのドライブ、フロンティアーズは吉田がリードするが、宜本へのパス1回成功とスクランブルで39Yardまで進むがパス取れずが2回ありパント。
ところがこのパント、リターナーがあろうことか落球。これをフロンティアーズがリカバーし、敵陣21Yardからの攻撃。
この攻撃チャンスを中村へのブーツレッグで決めて一発で逆転成功。
返しのドライブ、キックオフオフサイドがあり自陣30Yardからの攻撃となったIBM。最初の右4人バンチからのスクリーンは読み切られてロス、しかし続いて高木、スタントへのスラントパスが通り敵陣に。末吉のランとパス、またしてもランで27Yardまで入り、ここからスタントへのパスで6Yard。しかし小川へのパスが通らす、クラフトのドローも出ず、高木へのスラントも3Yardで止まる。
角度の関係でディレーしてからFGを決めて再逆転。
しかし締まりの無いことに、この後のキックオフが2回連続アウトオブバウンズ。その結果3回目のリターンで敵陣40Yardからの攻撃ほフロンティアーズは得ることになる。
このドライブを、中村へのパスで20Yardまで進め、最後は大矢へのパス。これをタックルされても粘ってねじ込んでTD。
こりドライブはQB出原が左右に動くことでアウトサイドのプレッシャーをかわすことが出来た。それ故の安定したパスだったと思う。
この返しのドライブで、まずクラフトがスクランブル、末吉のディレータイミングでアウトに流れたところへのパス、中野の中央へのラン、クラフトのスクランブルと進み敵陣49Yard。
2バック体制でQBがベンチサイドに歩いたとたんに、スナップ。これを2バックともに取れず自陣38Yardまで下がる。
(トリックプレーの失敗かと思ったのですが、どうもセンターのミスのようです)
けっきょくこれが響いてパント。
4Qに入り、フロンティアーズはあっさりパント。相変わらずラインの内側から選手が漏れる。
停滞していたIBMはまず高木へのパスが通り敵陣49Yard。しかしここから#83松尾、#1岸が連続ドロップ。#16梶川へのフックが通って33Yard。末吉のランが入り#80瀧へのパスで16Yard。再び梶川へパスが決まり、10Yard。
失点を覚悟した瞬間、IBMが撮った選択は末吉のスイープから、小川へのHBパス!
いやね。プレーは当たりですよ。小川へのパスは開いていた。
しかし、残念なのは末吉のパススピードかなかった事。ゾーンでカバーしていた#7藤田が、必死に飛び込んで、インターセプト。
返しのドライブ、まず大矢へのポストが決まり自陣44Yard。次もパスが決まって敵陣に入るが、ここからなかなか出られない。やっとスクランブルで41Yardと思いきや、次のプレーでサック。結局パント。
自陣12Yardからの攻撃となったIBMは、岸へのパス、高木へのポストで一気に45Yardまで進むが、次のプレーでクラフトがサック。2プレー連続でパス成功し50Yardまで来るもギャンブルでサックを受け44Yardで攻撃権をフロンティアーズへ。
しかしその大事な攻撃権もサックで下げられ、結果としてパント。
自陣7Yardからの攻撃がまた迫力あって、末吉へのパス2連発で20Yard、スタントへのパス、末吉のドロー、小川へのパスで37Yard、スクランブル2回で48Yard。
だかここで残り 11秒。最後のタイムアウトを使った上で、QBを#14多川にスイッチ。
多川が右ロールアウトからの小川へのリードパスを試み、抜ければ逆転というとところで、#34樋田が値千金のINT。
残り4秒、ニーダウンして試合終了。
まず驚いたのがIBM守備。基本2エンドの体型を敷くフロンティアーズに対して、3-4体型から片方がグリフィンのスピードラッシュ、反対サイドにLBのブリッツでTEとOTのギャップを狙うパターンで攻撃ラインを翻弄。それ故に富士通のランナーはカット切る前に捕まってしまった。結局最後まで中央のランは出なかったからね。
そしてIBM攻撃のコンセプト。「個人でカバーが外せないなら、複数のパスルート組み合わせれて開ければいい」というこれが最後まで非常に効いていた。
とにかくびっくり。
但し問題は4Qの連続ドロップのような面。つまりクラフトがアドレナリン出してギアが一段上がる状態になった時に、周りがついてこれない場面が何カ所かあり、その勿体なさが残念なのでありました。
さあ、クラフトとKJの戦いが見物だっ!
フロンティアーズの凄かったのは、後半3Qの守備のアジャスト。
コンビで穴が開くと言う尤も厳しい場所が遅れて入ってくるLBのゾーン。そこでよほどのことが無い限り、パスの際はそのゾーンに人を残すことにして、パスコースを消してしまった所である。
とにかくフットボールのおもしろさが凝縮されていい試合でした。