1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | ||
関西学院大学ファイターズ | KG |
0 |
7 |
0 |
8 |
15 |
オービック・シーガルズ | OS |
7 |
0 |
7 |
7 |
21 |
Q | TEAM | TIME | PLAY | TFP |
1 |
OS |
6:39 |
#20古谷 1Yard Run | #1金親Kick |
2 |
KG |
14:41 |
#28鷺野→#43望月3YardPass | #27堀本Kick |
3 |
OS |
2:02 |
#6菅原→#18木下 20Yard Pass | #1金親Kick |
3 |
OS |
7:53 |
#1金親 45Yard FG× | |
3 |
KG |
13:07 |
#27堀本 37Yard FG × | |
4 |
KG |
12:00 |
#43望月1Yard Run | #18畑→#43望月→#87小山Pass |
4 |
OS |
14:50 |
#20古谷1Yard Run | #1金親Kick |
MVP ポール・ラッシュ杯 オービック・シーガルズ#6菅原俊(史上最多受賞)
まず試合開始一時間前にドームについて、びっくりした事が2点。
1.バルコニー席が完売していた事。例年社会人側は余裕があるのだけれど。
2.一時間前に入って、3塁側の見やすいいい場所は全滅だったこと。一昨年ですら入れたのに、である。
やむを得ず、ほぼバックネット裏で観戦することに。ちなみにドーム内の映像は、民放制作の画像(つまり三塁側からの撮影画像)でした。
個人的にはホームフィールドが一塁側である以上、前年勝者サイドを一塁側にすべきだと思うのですがね。ユニフォームの色ではなく。
試合開始10分前になって2階席解放。一塁側はもの凄い勢いで埋まり出すが、それでも観客動員は2万7千。立命や関大の時は3万5千なので、それを考えると、去年もこぼしたけれど、現状の学校の意気込みの差が出てるような気がする。
つまり、「ライス出るぞっ」って言った時の、OBの意気込みとか、現役学生内におけるブランド力とか(よし、それならドームまでいてこましたるかっ、的なノリの話で)、なんだかそういう所に勢いが、ちょっと足りないかなという印象。
確かにシーガルズがクラブチームだから、企業チームほどチケットで人を呼べない、という意見はあるとは思うけれど、立命-オービックの時の人数に対して説明つかないし。見ていて3塁側はほぼ毎年同じようなレベルだし。
……もしかして、朝日新聞系の招待券が少なくなったのかな?
でも、近くで見ていたギャルッぽいおねーさん(オービックの守備の選手のご家族と幼なじみ、なのかな?その選手のご両親と思われる方もいた)二人が終盤抱き合って「やったやった!」と叫び、「アメフト面白いね~」と言い、その他にもかえる人波のそここから「いや、アメフト面白いわ。今度リーグ戦見てみたい」という声が出ておりましたので、この試合が凄い試合(すみませんが「いい試合」とは申しません。理由は観戦記で)であった事が判ると思います。
でね。今年から地上派消えたわけですよ。正直に申し上げてBS波放送とかCS波放送って、「自分たちが見たいと思った人が見に行く」所であって、ザッピングの対象ではないわけです。世帯普及率6割と申されましても、集合住宅の共同加入とかケーブルテレのセット加入含めての話であって、実際はダラ見ザッピング出来ない環境なので、「フットボールをしっかり見る」人たちにとってはいい事ではあっても、普及という面から行くと一歩後退だな、と思います。
あと普及という面で言うとですが、厳しいことを言うと「学生が勝ってこその普及」という人がいるのに呆然。だって、社会人に勝つ学生、という団体競技がどれだけあると思う? それはすなわちピークが学生である競技で、その競技に未来はないって事を知らしめる事じゃないですか。ぶっちゃけ学生が勝つと、「へー、マイナー競技の象徴みたいなもんだ」と言われるし、やはりそれは競技として成熟した文化になっていないと指摘されてしまう訳ですよ。(10年くらい前に当時の川渕三郎JFA会長が「京大が日本一を取るという事はおかしいと思う」みたいな事を言って物議を醸したけれど、その意図は競技として成熟していないという事だった、と記憶している。違ったとしても、世間の目は、そういう目であるという証拠になるのだけれど)。
だからぶっちゃけ、社会人は勝ち続けなくては成らないのです。接戦であっても、奇跡であってもいいから、競技の成熟のためには常に代表が入れ替わったとしても(というか、ある程度の変動が無くてはならないのだが)、社会人チームは勝たなくてはならないだと思います。
※6日深夜というより7日明け方になりましたが、書き終えました。
続きを読む※試合の各Qごとの記録は手元のメモからピックアップしたもので、公式記録と齟齬が出いるのはひとえにくぼたさんのボーンヘッドや、解釈の違いによるモノです。
試合はシーガルズのリターンで始まるが、もうキックオフから関学がしかける。
というのも、最初にアラインした所から、蹴る直前にキッカーを含めて半数ぐらいがポジションシフトしたのである。
それでいて、キックオフは(多分通常のキッカーでは無くこれ専用に入っていた#12三輪)タッチバック。コントロールより距離を重視したトライである。
先発は#6菅原。まず左のヒッチスクリーンを#83清水に通し、次いで#85萩山へのミドルインを決めて上々の出足でダウン更新。早速敵陣に入り、続けざまに#88安東へのパスも決める。
ここで初めてのランプレーで#20古谷がロスタックル(この時ファンブルするが、ダウン先)。続けて古谷が逆サイドに走りダウン更新し敵陣30Yard。ランと判っての時のDEの押し込みは素早いし、怖いなと。でもそれを恐れも無く仕掛ける関学が一番怖いわ。
しかし次のプレーでシーガルズにアクシデント。右ツインのオフセットIからブラストフェイクのハンドオフをしたところにブリッツ一直線。つかまりかけた菅原がなんとかタックルを外して左奥の清水に投げたとき、ちょーっとラフィン・ザ・パサーにも見えた(ギリギリですので、審判の判断に従います)タイミングで、菅原強烈なヒットを食らいダウン。パスはオーバーリードで失敗。
これでしばらく菅原が悶絶し、ここでレフリータイムが入るので、菅原強制アウト。#15龍村がリリーフに入る。
その龍村が右ツイン左トリプルから右サイドスクリーンを#18木下に通す。しかしすぐにギャングタックルに入り、5ヤードのゲイン。
すぐさま菅原が戻るが、強烈なパスラッシュを受けてサックされそうな所をかわしスクランブル、右オープンを走るが1ヤード足りず。
ここで仕掛けたシーガルズは、古谷のブラストでダウン更新。19Yard。
次のプレーで古谷の右オープンへのフェイクを入れブーツレックし、フェイクを入れた古谷の右ディープへのパスを試みるが、これはLBのナイスカットで失敗。続け様にフォルススタートがあり24Yardまで下がる。
次を#21中西のカウンタードローで進めると、#7池井へのパスが通り、1Yardまで前進。最後は古谷が持ち込んでシーガルズ先制。
返しのドライブは、関学が#18畑で来るも、ダウン1回更新したのみでパント。ただし、相変わらずDE殺しが機能している感じがした(とはいえ、この時点ではKJがロスタックルしたりスクリーンパスをディフレクトしたりしていた訳だが)
その返しのドライブ、自陣10Yardから。
まず木下へのヒッチスクリーン、続いて古谷へのスイングでダウン更新20ard。次いで清水へのヒッチスクリーンはすぐ潰されるも、続いての安東へのパスで挽回し、#7池井へのパスはタックルを外して+10ヤードほど進み、44Yard。
原のランを挟み、#85萩山へのクイックフックで50Yardまで行くと木下へのパスで敵陣26Yard。続け様に木下のリバースオフタックル、木下へのサイドスクリーンで敵陣9Yard。続いて古谷のダイブ、とここまでは良かった。
しかし、ここで1Q残り19秒という局面で、この日の試合をある意味象徴づけるプレーが、飛び出た訳である。
これで本当は2QアタマにTDするくらいの迫力はあったのだが……。
狙いは木下の右サイドのバブルスクリーン。しかしこれがターンボールで、しかもバックワードパス。木下ボールが手につかずファンブル扱い。関学がリカバー。
※現場で見ていたときは、木下が確保したかしないでコケたと思ったのですが、録画画像で見る限り、明らかに菅原のコントロールミスです。
関学はこの後ラン3回(うち1回はスクランブル)でパント。
ちなみに1プレー目で1Q終了。以下、手元の集計。(木下のファンブルプレーは、パス成功・マイナス距離でカウントしています)
関西学院大 | オービック | |
ダウン更新(Run-Pass-Foul) | 1(1-0-0) | 8(3-5-0) |
ラン(ATT-Yard) | 4-5 | 10-34 |
パス(ATT-Comp-Yard-Int) | 2-1-6-0 | 15-13-129-0 |
反則(Att / Yard) | 0 / 0 | 1 / -5 |
ファンブル(ATT / Loss) | 0 / 0 | 1 / 1 |
時間 | 02:48 | 12:12 |
主な攻撃個人成績(1Qのみ)
ラン
関学 | オービック | ||||||
PLAYER | ATT | YARD | PLAYER | ATT | YARD | ||
18 | 畑 | 1 | 5 | 6 | 菅原 | 2 | 5 |
28 | 鷺野 | 1 | -2 | 18 | 木下 | 1 | 5 |
43 | 望月 | 2 | 2 | 20 | 古谷 | 5 | 18 |
21 | 中西 | 1 | 4 | ||||
32 | 原 | 1 | 2 | ||||
Total | 4 | 5 | Total | 10 | 34 |
Pass | Player | ATT | COMP | Yard | INT | |
関学 | 18 | 畑 | 2 | 1 | 6 | 0 |
Total | 2 | 1 | 6 | 0 | ||
オービック | 6 | 菅原 | 14 | 12 | 124 | 0 |
15 | 龍村 | 1 | 1 | 5 | 0 | |
Total | 15 | 13 | 129 | 0 |
レシーブ
関学 | オービック | ||||||||
Player | ATT | Catch | Yard | Player | ATT | Catch | Yard | ||
87 | 小山 | 1 | 1 | 6 | 7 | 池井 | 2 | 2 | 35 |
不明 | 1 | 0 | 18 | 木下 | 5 | 4 | 50 | ||
20 | 古谷 | 1 | 1 | 0 | |||||
83 | 清水 | 3 | 2 | 7 | |||||
85 | 萩山 | 2 | 2 | 25 | |||||
88 | 安東 | 2 | 2 | 12 | |||||
Total | 2 | 1 | 6 | Total | 15 | 13 | 129 |
正直、関学攻撃が「特に何も仕掛けていない」というか、シンプルなラン主体のプレーであった事が判る。が、今から思えば、これは仕込みだったのかも知れない。
さて2Q最初のシーガルズは龍村がQBに入りるが、ラン1回パス1回成功1回失敗で初めてパント。
返しの関学の攻撃も3回でパント。さらに続けてシーガルズもパント。どうもここらへんからシーガルズ攻撃が上手くいかなくなる。
そして、ここからだ。関学が仕掛け始める。
まず自陣26Yardから、ワイルドキャットで#28鷺野がロールアウトからキープラン、続いて#2野々垣がオプションキープでオフガードを突破。36Yard。続けて野々垣がキープ、鷺野がQBドローもファンブル、リカバーは関学でロス。距離が残った事で、畑がパスを決めるが43Yardでパント。
なんだか、「ざわ……ざわ……」と襟足を気配が襲ってきた。これ、絶対仕込みだ。何かある。ワイルドキャットって基本的には連続してやるプレーじゃないから、こんだけ執拗にやるのは何かある。
その返しのドライブ。自陣20Yardからのシーガルズの攻撃。原が一発で敵陣46Yardに持ち込むが、次のプレーでし木下へのパスが通らず、中西のダイブで1Yard出るも、次の清水へのパスで、清水が躓いて、後にいたDBがINT、一気にリターンして敵陣29Yard。(うーん、でも、あのDBのプレーは、レシーバーホールディングにも見えるのだけれど……)
だかこれでも流れはグラグラ動く。
10分台の攻撃である。関学は#15大園へのリバースモーションバックへのスイングで19Yard。次いでカウンタースクリーンで望月へのパス。しかし次のプレーでパスを#43武知がチップ、それを#2古庄がINT。自陣11Yardからの攻撃に結びつける。
だがこの返しはシーガルズがパント。残り1分43秒。関学陣37Yard。
ここから関学が畳みかける。キープレーヤーは#80南本。まず最初に望月へのショベルパス、次いで南本で自陣48Yard、ダウン更新してスパイク。次いで南本へパスして敵陣49Yardでスパイク、またしても南本へパスが通り敵陣29Yardでスパイク、残り53秒。
この時ふと思った。何故関学は30秒タイムアウトを使わなかったのか。普通のタイムアウトなら相手に考える時間を与えるが、30秒タイムアウトならスパイクと差が無い。それとも何か企んでいるだろうか。
※タイムアウトを取ると、だいたい1分40秒くらい相手に時間を与えることになる。スパイクの場合、時間も消費するし、クイックプレーの連続ならリズムも良い。ただし、この理論、気づいたのは家に帰ってからでした。
さらに#9梅本にパス失敗するが諦めずにもう一度パス、しかしキャッチするも26Yardなし。
ここで、FGメンバーが入って、さあFGと思った次の瞬間、ホールダーが立ち上がり、スナップをもぎ取り、右にどフリーでいた南本にパス!!!!!?
何で、何が、どうして南本がそこにいる!???
※ビデオで見たら、一度交代メンバーのふりをしてサイドラインに向かうも、右ヤード表示付近までこっそり戻っていた。しかも、これノーコールスナップでしょ?。あれ、サイドライン踏まなければ完璧だったんだけどね(TD出来たという意味で。プレーとしては満点ですよ)。
うわー、ここで来たよ鳥内さんの策士っぷり。
この後交代に手間取りタイムアウトを消費するも、この流れは止まらない。
ワイルドキャットでQBにセットした望月から鷺野へのトススイープから、#92金本へのパス。これはパスが長くてドロップ。
しかし混乱している姿がありありとシーガルズ守備に浮き出る。次は畑から南本へのフレアのパス。これはDBがマンカバーしていて取れず。そして、次だ。
鷺野がスナップをセットバックで受ける。ブラストフェイクのブーツレック。守備は鷺野に反応する。その前を、スクリメージに平行に、そして少しづつエンドゾーンに向けて、望月が走る。縦に上がる、と見えた瞬間、鷺野が、バスケットボールのバスのような前パス。どフリーの望月にTDバス成功!!!!
やってくれたよ。やはり仕込みは万全だったというべきか。
この後、シーガルズは1プレーして時計を進め、前半終了。
2Qの手元の集計
関西学院大 | オービック | |
ダウン更新(Run-Pass-Foul) | 4(1-3-0) | 1(1-0-0) |
ラン(ATT-Yard) | 8-18 | 7-40 |
パス(ATT-Comp-Yard-Int) | 18-10-76-1 | 7-1-6-1 |
反則(Att / Yard) | 0 / 0 | 0 / 0 |
ファンブル(ATT / Loss) | 0 / 0 | 0 / 0 |
時間 | 08:52 | 06:08 |
前半の手元の集計
関西学院大 | オービック | |
ダウン更新(Run-Pass-Foul) | 5(2-3-0) | 9(4-5-0) |
ラン(ATT-Yard) | 12-23 | 17-74 |
パス(ATT-Comp-Yard-Int) | 20-11-82-1 | 22-14-135-1 |
反則(Att / Yard) | 0 / 0 | 1 / -5 |
ファンブル(ATT / Loss) | 1 / 0 | 1 / 1 |
時間 | 11:40 | 18:20 |
2Qで関学が攻守共に仕掛けてきたのがよく判るスタッツである。
ハーフタイムの個人攻撃成績
ラン
関学 | オービック | ||||||
PLAYER | ATT | YARD | PLAYER | ATT | YARD | ||
2 | 野々垣 | 2 | 6 | 6 | 菅原 | 2 | 5 |
18 | 畑 | 2 | 3 | 18 | 木下 | 1 | 5 |
28 | 鷺野 | 3 | 0 | 20 | 古谷 | 6 | 20 |
43 | 望月 | 5 | 14 | 21 | 中西 | 3 | 5 |
32 | 原 | 5 | 39 | ||||
Total | 12 | 23 | Total | 17 | 74 |
パス
Team | Player | ATT | COMP | Yard | INT | |
関学 | 18 | 畑 | 17 | 9 | 56 | 1 |
28 | 鷺野 | 2 | 1 | 3 | 0 | |
36 | 櫻間 | 1 | 1 | 23 | 0 | |
Total | 20 | 11 | 82 | 1 | ||
オービック | 6 | 菅原 | 18 | 12 | 124 | 1 |
15 | 龍村 | 4 | 2 | 11 | 0 | |
Total | 22 | 14 | 135 | 1 |
レシーブ
関学 | オービック | ||||||||
Player | ATT | Catch | Yard | Player | ATT | Catch | Yard | ||
9 | 梅本 | 1 | 1 | 3 | 7 | 池井 | 3 | 3 | 41 |
15 | 大園 | 1 | 1 | 1 | 17 | 平野 | 1 | 0 | 0 |
43 | 望月 | 3 | 3 | 9 | 18 | 木下 | 9 | 4 | 50 |
80 | 南本 | 5 | 4 | 54 | 20 | 古谷 | 1 | 1 | 0 |
87 | 小山 | 2 | 1 | 6 | 83 | 清水 | 4 | 2 | 7 |
92 | 金本 | 1 | 1 | 9 | 85 | 萩山 | 2 | 1 | 25 |
不明 | 6 | 0 | 88 | 安東 | 2 | 2 | 12 | ||
Total | 19 | 11 | 82 | Total | 22 | 13 | 135 |
※スパイクは「不明」にカウント
さて3Qは関学のリターンだが、ここで関学にミスが出る
キックオフが短かった事もあって、34Yardからの攻撃となるが、ここで畑がプレーアクションで南本にパスを投げるが、これが高すぎて後ろに控えていた#3滝沢がINT。シーガルズいきなり敵陣35Yardからの攻撃になる。
ここでシーガルズは古谷のラン2回、安東へのパス、木下へのパスであっさりリードを奪うことになる。
そして次のドライブを3回でパントに追い込むと、次もシーガルズがリズムよく攻めるが、最後にロングポストを狙ったところでDBと木下がぶつかりタイミングが狂いジャンプできず、背後にいたDBがINTしそこねる。
ここでFGを狙うも失敗する(ディフレクトされた?)。
関学は20Yardから攻撃を始め、小山へのパスで39Yard、望月のランを挟んで大園へのパスで敵陣45Yard、鷺野のランで36Yardまで進むも望月のランでロス、ここで一気に大園へのパスを投げるがインターセプト、と思ったらシーガルズがオフサイドでダウン更新。
これで32Yardまで進むと、南本へのパスと望月ショベルパスで22Yard。しかしここから鷺野へのショベルパス失敗、木戸へのパス成功も次のプレーで畑のスクランブルでロス、FGはディフレクトされ失敗。
なんか、また、うなじのあたりが「ざわ……ざわ……」としてきましたよ。何か待っている。って。
次のドライブ、まず原がカットバックで抜けて31Yard。次いで木下と#10森にパスを通して敵陣37Yard、という所で3Q終了。
3Qの手元のスタッツ
関西学院大 | オービック | |
ダウン更新(Run-Pass-Foul) | 4(1-2-1) | 5(3-2-0) |
ラン(ATT-Yard) | 6-10 | 7-64 |
パス(ATT-Comp-Yard-Int) | 7-5-39-1 | 7-6-85-0 |
反則(Att / Yard) | 0 / 0 | 1 / -5 |
ファンブル(ATT / Loss) | 0 / 0 | 0 / 0 |
時間 | 07:39 | 07:02 |
3Qでの個人成績:ラン
関学 | オービック | ||||||
PLAYER | ATT | YARD | PLAYER | ATT | YARD | ||
2 | 野々垣 | 1 | -2 | 20 | 古谷 | 4 | 47 |
18 | 畑 | 2 | -7 | 21 | 中西 | 1 | 1 |
28 | 鷺野 | 1 | 8 | 32 | 原 | 3 | 18 |
43 | 望月 | 2 | 11 | ||||
Total | 6 | 10 | Total | 8 | 66 |
パス
Team | Player | ATT | COMP | Yard | INT | |
関学 | 18 | 畑 | 6 | 4 | 37 | 1 |
Total | 6 | 4 | 37 | 1 | ||
オービック | 6 | 菅原 | 7 | 6 | 85 | 0 |
Total | 7 | 6 | 85 | 0 |
レシーブ
関学 | オービック | ||||||||
Player | ATT | Catch | Yard | Player | ATT | Catch | Yard | ||
15 | 大園 | 1 | 1 | 12 | 10 | 森 | 1 | 1 | 18 |
28 | 鷺野 | 1 | 0 | 0 | 18 | 木下 | 3 | 2 | 33 |
43 | 望月 | 1 | 1 | 2 | 83 | 清水 | 1 | 1 | 24 |
80 | 南本 | 1 | 1 | 8 | 85 | 萩山 | 1 | 1 | 6 |
87 | 小山 | 1 | 1 | 11 | 88 | 安東 | 1 | 1 | 4 |
88 | 木戸 | 2 | 1 | 6 | |||||
Total | 7 | 5 | 39 | Total | 7 | 6 | 85 |
3Qに関しては、両者の状況が判って面白い。というのも、プレーメンバーが偏り始めたシーガルズと、あの手この手の関学という図式になってきたから。
さてそうとはいえシーガルズはまだ攻撃を続け、木下へのパスが通り33Yard。続いて清水のエンドアラウンドからのパスプレーが崩れてのスクランブルランで30Yard。プレークロックの都合でタイムアウトを1回入れ、ドロップバックからのQBドロー(スクランブルか、もしかしたらランパスのオプションかも、と録画を見て思うのだけれど)。これで22Yard。得点の香りが漂い始める。
続けて原と中西のランで15Yardまで進むと、池井にパスを通し12Yard。古谷の中央のランで出た後パスラッシュにスクランブルで菅原が切り返して4Yard。
そして、ここだ。
木下をテールバックに入れてのパワースイープ。この時、ファーストタックルがロス地点だった為粘った所、ボールをファンブル。これをリカバーしたのが関学で、シーガルズこれで得点チャンスで木下を使ってファンブルロスト2回である。
この機会を関学は狙う。自陣11Yardからの攻撃で密集をカットバックで抜けた望月が20Yard。次の望月のランはロス、畑から小山へのパスは失敗しパント体型。ここでスナップを受けたパンターがボールを蹴るために浮かせた、と見せてそのボールをリバースしてきた小山がキャッチしてしてそのまま逆サイド。一気に敵陣29Yard。
ここで来やがったよ鳥内さん!きっついよこれ、パントでもしのいで攻めきれるでしょうに、ここで、これかよ。
でもこれは関学にとっては計算通り、そしてシーガルズはかなりダメージを受けたプレーである。
次のプレーでKJのラッシュを受けスクランブルする畑。しかし次は大園にパスを決めて自陣49Yard。
野々垣の中央プレーで50Yardまで進むと、次のプレーで#9梅本へのブーツレッグからのパスが決まり、敵陣29Yard。この時点で6分42秒残しである。
ここから畑が右キープラン、スクランブル(うまくスピンして守備選手の背中に乗ってゲインした)、ブーツレッグからのキープでダウン更新、19Yard。
野々垣がQBセットして左のオープンプレーからのインカット、次がノーコールスナップから畑から野々垣へのスクリーンだがちょっと乱れたのとラッシュタイミングがずれた事が逆にラッキーと言うべきか、DLが気がついてパシュートしてロスタックル、24Yard。しかしインバウンズで時計が回り残り4分41秒。時間が消費されていく。
右ロールからの左スローバックを#92金本に通すが、16Yard。ここで関学は4:07残しでタイムアウト。タイムコントロールもして来たが、何せ4thダウンである。7Yard残しである。
ここでのプレー、畑はパスを投げようとした。カバーがきつかった。パンプフェイクにKJが反応して飛び上がり、コケてしまった。その方向に畑が流れる。もう1回パンプフェイクすると、一気に加速、ダウン更新ギャンブル成功残り4Yard。
さらに立て続けにワイルドキャットから望月のオフタックルで1Yardまで進むと、最後はパワーサイドに望月が突っ込んでタッチダウン。
この後、畑が残ってるのよ。思い切り叫びましたよ。「これ、止めなきゃ駄目、止めなきゃ駄目」って。2ポイント。
ブーツレッグかオプションか、と思ったの。
やってくれるぜ本当に。
左4人バンチ。後ろにセットしていた望月へのヒッチパス。ここまではいい。ここで望月が1歩出て、前にバスケットパス。そこには小山が走り込んでいて、手前の動きに吊られた守備がフリーにしてしまい、2ポイント成功である。
恐ろしい。マジ怖い。ここで、こんな手を使ってくるとは。
確かに昨年、古谷のダイブからのバスケットパスでTDってのがあったけど、それをここまで巧みに発展させたのは、見事という他ない(新聞のインタビューでは「2年前から準備していた」と言っていたが、だとしても凄い)。
もう、背筋が総毛立つ。鬼気迫るプレーコールである。
だが、考え方である。残り3分きっかり。点差は1点差。FGでいいんである。無理せずじっくり攻めれば良かったのである。相手に時間を残さないという選択もあった筈である。
だが、この時何か焦っていたように思う。
まず自陣23Yardからの攻撃で、菅原がプレッシャーを受けスクランブル。続いて清水へのパスが通り32Yard。さらにここでSBがクロスアウトして#17平野がパスキャッチ。DBカットできず。
次のブレーでレシーバーに対するホールディングで44Yarsd。残り1分48秒。
ここで、何故あのプレーだったのか。
清水へのポスト。ディープに待ち構えているところ。ちょっとでもタイミングがすれればアウトの場面。
録画で見ると、清水が一度引っ張られてバランスを崩している。この為に、パスがオーバーリードになってしまい、引いて守っていたDBがINTした。
しかし、残り1分40秒。タイムアウト2回残し。もし純粋に時間消費だけ考えて走ってくれば、ゲインさえ許さなければまだチャンスはある。しかし、関学がミドルゲインを1回でもしたら、もうそれで時間は流れてしまいかねない。
微妙な時間。
そして、関学ベンチはここからのドライブで、3つのミスが出た。
ます1つ。シンプルな普通のランプレーにしてしまったこと。最初のダウンはサックされてもいいのでミドルパスを狙っても良かったのではないだろうか。結果的にQBドローですぐ止まり、間髪入れずタイムアウト。次が望月のランで、これもロスで終わり、即タイムアウト。2プレーで、17秒しか使えなかったのである。
さらに次のプレーも、6秒しか使えずサックを受けてしまう。
時間を徹底して消化するために、ぎりぎりまで流してタイムアウトを消費する関学。これは、戦術的に正しい。
そして2つのミスがパントで発生する。
まず1つ。パントの種類の選択。いわゆるゴロパントを狙い、ボールが止まるまで選手が囲んでしまうという時間消費方法がある。これは時と場合によっては効果的だったが、このパントの軌道が問題となる。
というのも、このパント、リターナーの正面に蹴ってしまったのである。いや、リターナーの上を越すか手前に落ちるかすれば良かったのだろうが……。
そして、これがもう一つのミスにつながる。
この時のリターナーの#7池井のポジションである。
もし「攻撃距離でプレッシャーを与える」パントを関学が選択するのであれば、池井のポジションはあまりにも浅すぎる。気になったくらいに浅すぎるのである。もし、池井の位置を確認できていたら、強く認識できていたら、あそこには蹴らない。距離は同じでも滞空時間の長いパントを蹴るか、深いパントに切り替える筈だ。
恐らく、この時関学サイドは興奮状態に陥っていたに違いない。
本来、ゴロパントを蹴るなら、ワイドサイドの、リターナーをはずすように蹴るべきであった。それが無理なら、とっさの判断で外に蹴り出しても良かったのだ。
鳥内監督が後日新聞に「徹底できなかったのは僕のミス」と言っていたが、もう一つ「リターナーの位置の徹底」もベンチのミスだと思う。
結果として短いパントがダイレクトに池井の胸に収まり、そこからリターンを許し関学陣からの攻撃を許してしまった。取り返しのつかないミスである。
だかここで守備が踏ん張ればまだ勝ち目はある関学。残り34秒、敵陣49Yardからのシーガルズ攻撃。
しかしすぐさま菅原から木下にパスが通り、すぐさま外に出て時計を止める。敵陣30Yard、残り29秒。
今までハードマークだった関学がプリベントを張るようになり、マークが甘くなったが故のパス成功。
次いで、この試合関学最後のミスが出る。
両サイドのツインセット、左SE萩山とSB木下のクロスルートと反対サイドの清水のアクロス。木下がディープに抜け、清水のマンツーマンのヘルプにDBがついて行くのに、ミドルインの萩山のカバーをしていたDBがつられて萩山を剥がしてしまう(多分、あの場合チェイスしていた#23保宗と#34高がゾーンでスイッチするのか、それとも保宗が清水についていったら高は反応してはいけなかったのか)。ほんの一瞬の判断ミスで、萩山がどフリーになり、そこにパスが通る。萩山は不イールドを横切りながらDBの隙間に切れ上がり、残り1Yard。
残り18秒。一度菅原がスニークしようとした所で、ここでこの試合最大のチョンボ。
いきなりノーコールスニークと同時に審判がプレーを止める。
曰く「ゲームクロックの開始レディ・フォーからとします
なんと、プレークロックが動かなかったのか、審判の凡ミスで、しきりなおしとなる。
その結果、プレーを練り直して余裕のある古谷のブラストに切り替えることが出来た。
この為、実際は7秒、関学が損をしたことになる。
で、リターンで短めのプーチキックを選択したシーガルズ、残り2秒でヘイルメリーパスに賭けるしかなくなった関学は、そのパスを失敗して(取っていてもエンドゾーン手前であったが)試合は終了した訳である。
手元の集計、4Q
関西学院大 | オービック | |
ダウン更新(Run-Pass-Foul) | 5(3-2-0) | 5(2-3-1) |
ラン(ATT-Yard) | 14-50 | 10-26 |
パス(ATT-Comp-Yard-Int) | 7-4-39-0 | 6-5-60-1 |
反則(Att / Yard) | 1 / -10 | 0 / 0 |
ファンブル(ATT / Loss) | 0 / 0 | 1 / 1 |
時間 | 08:12 | 06:48 |
後半
関西学院大 | オービック | |
ダウン更新(Run-Pass-Foul) | 9(3-5-1) | 10(5-5-1) |
ラン(ATT-Yard) | 20-60 | 17-90 |
パス(ATT-Comp-Yard-Int) | 14-9-78-1 | 13-11-145-1 |
反則(Att / Yard) | 1 / -10 | 0 / 0 |
ファンブル(ATT / Loss) | 0 / 0 | 1 / 1 |
時間 | 15:51 | 13:50 |
ゲームトータル
関西学院大 | オービック | |
ダウン更新(Run-Pass-Foul) | 14(5-8 -1) | 20(9-10-1) |
ラン(ATT-Yard) | 32-83 | 34-164 |
パス(ATT-Comp-Yard-Int) | 34-20-160-2 | 35-25-280-2 |
反則(Att / Yard) | 1 / -10 | 2 / -10 |
ファンブル(ATT / Loss) | 0 / 0 | 2 / 2 |
時間 | 15:51 | 13:50 |
手元集計の試合通算攻撃個人成績:ラン
関学 | オービック | ||||||
PLAYER | ATT | YARD | PLAYER | ATT | YARD | ||
2 | 野々垣 | 4 | 4 | 6 | 菅原 | 6 | 26 |
18 | 畑 | 11 | 25 | 18 | 木下 | 2 | -2 |
28 | 鷺野 | 4 | 8 | 20 | 古谷 | 12 | 69 |
43 | 望月 | 12 | 35 | 21 | 中西 | 5 | 8 |
87 | 小山 | 1 | 11 | 32 | 原 | 9 | 62 |
83 | 清水 | 1 | 3 | ||||
Total | 32 | 83 | Total | 35 | 166 |
パス
Team | Player | ATT | COMP | Yard | INT | |
関学 | 2 | 野々垣 | 1 | 0 | 0 | 0 |
18 | 畑 | 30 | 18 | 134 | 2 | |
28 | 鷺野 | 2 | 1 | 3 | 0 | |
36 | 櫻間 | 1 | 1 | 23 | 0 | |
Total | 34 | 20 | 160 | 2 | ||
オービック | 6 | 菅原 | 31 | 23 | 269 | 2 |
15 | 龍村 | 4 | 2 | 11 | 0 | |
Total | 35 | 25 | 280 | 2 |
レシーブ
関学 | オービック | ||||||||
Player | ATT | Catch | Yard | Player | ATT | Catch | Yard | ||
2 | 野々垣 | 1 | 1 | -5 | 7 | 池井 | 3 | 3 | 41 |
9 | 梅本 | 3 | 2 | 25 | 10 | 森 | 1 | 1 | 18 |
15 | 大園 | 3 | 3 | 27 | 17 | 平野 | 2 | 1 | 2 |
28 | 鷺野 | 1 | 0 | 0 | 18 | 木下 | 14 | 8 | 100 |
43 | 望月 | 4 | 4 | 11 | 20 | 古谷 | 1 | 1 | 0 |
80 | 南本 | 6 | 5 | 62 | 83 | 清水 | 7 | 4 | 37 |
87 | 小山 | 4 | 2 | 17 | 85 | 萩山 | 4 | 4 | 66 |
88 | 木戸 | 2 | 1 | 6 | 88 | 安東 | 3 | 3 | 16 |
92 | 金本 | 3 | 2 | 17 | |||||
不明 | 6 | 0 | 0 | ||||||
Total | 33 | 20 | 160 | Total | 35 | 25 | 280 |
まあ、試合としては凄い試合であったとは思いますが、いい試合とは呼びにくいというのが感想です。
理由は以下の通り。
1.審判の、特にレシーバーに対する守備のカバーの反則が、かなり緩い。
2.試合の流れを決めたプレーの大半が、ミスによるモノである
3.最後の最後で審判がやらかした(時計の話です)
これにより、ちょと減点せざるをえないかな、と。
勝負を大きく分けたのは、あのパントである事は間違いないのだけれど、あのキックの選択そのものがすべてではないと思う。すでに書いたように、池井のポジジョンを認識していたか(スナップの時には前に上がっていたと思うのだが)どうか、という事も影響が大きい。また、正面からのプレッシャーもあってか、真っ正面に蹴ってしまったというのも問題だと思う。
そして、あまり触れられていないが、やはり萩山をフリーにしてしまった事の方が大きいと思う。
会場で見ていて、萩山がなんでフリーなのか理解できなかった。そういう守り方をしたのであれば、これは明らかにベンチのミスだと思って、ビデオで確認したら、アクロスの清水につられていた(確かに最後、追走していた二人のDBははがされるので、バックショルダーのパスで清水にパスを通せるので、高の反応は仕方ないものかも知れないが)という事だった。
あれが一番大きなミスだったのではないだろうか。
逆にシーガルズは、手詰まりになると木下頼みという後半の展開は、ちょっと考え物である。こと木下は2回ファンブルロススト(1回は菅原のパスミスといえば言えるが)、清水もターゲットにされて2回インターセプト。
これはちょっと、今後考えないといけないのではないだろうか。
そういう意味では菅原のパフォーマンスが今年は全般的に低調だったといえる。チームも過渡期に(いい新人が加入したという意味で、ですよ)入ってきたことで、今後どうなっていくのかが気になるところである。
尤も関学のあのパント、あのカバーについては外野があとからビデオで検証してまて言うから偉そうにどんどん言えるのであって、あの極限の中でそういう仕掛けをしたシーガルズを褒めるべきだし、そこに至るプロセスの関学の仕込みと仕掛けの凄さは、誰も否定できるものじゃない。
それ故に、パントの前のドライブのプレー選択などにも疑問が残るし、そういう点を関学ベンチは宿題として抱えたという事である。
それこそ、ゲーム・クロージングのプロセスでの大きな宿題として、学生チームは課題とすべきなのだろう。
まあ、審判の判定の緩さは、ボウルゲームになると「流れを壊したくない」という心理が働いた結果なのかも知れない(但し、ちょっとねえ、というのが幾つかあったのが気になる)し、最後のクロックは、あれは無視していいのではないかとも思うんだけどねえ。難しいですわ。
冷静になると、そういう所がどうしても気になってしまうのですが、考えすぎですかそうですか。
あとね。「このゲームに敗者はいない」とか言う人。それは敗者に失礼だと思うけどね。明らかに詰めを誤って試合に勝てなかった以上は負けなんですよ。そこは誰も間違えてはいけない。
ただ、関学は、過去のどんな関学チームの中においても、類を見ないまでに最高の仕込みと最高の仕掛けをもって、正々堂々と戦って、敗れた。その勇気と努力に、惜しみない賞賛の拍手を送りたいと思う。
敗れてもなお、彼らは素晴らしく、かつ気高く、そして真摯だった。そういう事なんじゃないの?