とちじせん

今回の都知事選、どうみても入れてもいいという人がいなくって、投票所で一番先頭にあった人の名前を安直に書きました。

はい、愚かにもトップ当選に寄与しました。でも、多分二期目は入れないでしょう。全くもって申し訳ないけど、この方は次の都知事への「つなぎ」でしかない筈なんです。ってか、そうでなくてはならないのですわ。

個人的には東京都知事は道府県の知事・官僚のトップが都議会議員を経て国政に出る為の踏み台、あるいは国政から「自分がやりたいように出来るから」降りてくる連中の受け皿だと思うので、そういう意味で今回の立候補者はひどかったと思います。

  • 桝添さん。都政に全く関係ない所から、元政治学者(というタレント)をしていただけですからね。少なくともこれで政界引退ならよし、国政の拡声器としてちょうどいい器なのかも知れない。
  • 宇都宮さん。共産党らしい方でしたがが、だから東京都になにをしたいかか見えてこない。国政と都政が同化しちゃっている現在の共産党の欠点が出ちゃった。
  • 細川さん。恥の上塗り、コイズミの傀儡。脱原発って言っても、東京都に原発がない以上争点にならない(※1)。都民に訴えるべきは「原発亡き後いかにして居間の電力消費を支え温暖化対策を推進しその上で都民が他の道府県民に今以上にうらやましがられる世界を上り詰めていけるか」という事ではないか。国政だけを持ち込んだ老害コンビの空気読めない選挙。
  • 田母神さん。結局この人は何をしたかったのか。細川さんに喰われてしまってよく判りませんでした。でもこの人は都知事より神奈川県知事とかの方が向いているような気がするんだけどね。
  • その他泡沫扱いされた人たち。一部を除いて、供託金を納付して都財政に協力頂きありがとうございました。君たちの殆どは、供託金30倍にしてもいいよね。

泡沫扱いされた中で、ただ一人ちょっとねえという人が家入さん。
この人はもの凄くバイタリティのある人なんだろうけれど、ものっすごい勘違いの中で活動している。

  • MXの選挙特番で鋭い投稿があった。すなわち「ネット民が都民とは限らない」。もっと言うと「ネット民が有権者とは限らない」。若者に耳障りの良い言葉を羅列しているだけなら、選挙権ないガキとか、埼玉都民とか、住民票映してない学生とかばっかりにウケてるだけで、本当の都民には届いていない可能性がある(というか、届かなかったのが今回証明された訳で)。
  • バイタリティとか情熱だけでは、人は流れない。彼の場合、私にとどいたのは「なんかよくわかんないけど、でもなんとかしなくちゃいかん」。でもそれって政治? 道ばたでギターかきならして「戦争なんて反対さ」と叫んでいたフォークゲリラと何の差がある? クラブで「ガッコーなんてダサイダサイ、反抗しようそうしよう」と煽るDJと何の差がある? 尾崎豊は共感を誘うけど答えを示さないんだぜ。たんなるアジテーターに、世の大半を占める大人は冷たいんだ。

正直に言うと、力があっても、方向性が無いと人は反応しない。ノリで走れる所は限界がある。どんなにエネルギーがあっても、それがパラバラの方向に向いて飛び散ったら、総量は変わらないから勢いは小さくなる。イメージした未来に向かって失踪するベクトル感覚がないと、誰もついてこなくなる。
だから、家入さんには「漠然と、あっちこってに勢いで」=「あたかもいきあたりばったりに見える」現在のスタンスから徐々に「サイレント・マジョリティを結集するベクトル感覚」を発揮していく方にシフトして欲しいなあと思います。

ちょっとFBでフィーチャーしている人がいたので、その人の対応に冷ややかな視線を送ってしまったという、それだけなんですけどね。