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1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
Total |
アサヒビール・シルバースター |
SS |
7 |
7 |
0 |
0 |
14 |
パナソニック・インパルス |
PI |
14 |
14 |
7 |
3 |
38 |
Q |
TEAM |
TIME |
PLAY |
TFP |
1 |
PI |
6:29 |
#8高田→#2岸本1Yard Pass |
#11佐伯Kick |
1 |
SS |
8:19 |
#3ミルズ→#18大澤 37Yard Pass |
#1櫻井Kick |
1 |
PI |
11:40 |
#11佐伯42Yard FG× |
|
1 |
PI |
14:56 |
#24デュプリー1Yard Run |
#11佐伯Kick |
2 |
SS |
8:31 |
#15ミルズ→#3ウイルソン1Yard Pass |
#1櫻井Kick |
2 |
PI |
11:45 |
#24デュプリー8Yard Run |
#11佐伯Kick |
2 |
PI |
13:54 |
#8高田→#15頓花4Yard Pass |
#11佐伯Kick |
3 |
PI |
9:19 |
#24デュプリー39Yard Run |
#11佐伯Kick |
4 |
PI |
6:55 |
#11佐伯25Yard FG |
|
この試合の印象を一言で言うなら「蹂躙」ですね。2Qくらいから「蹂躙」という単語が頭の中をよぎって仕方なかったので。
これは別にパナソニックがランで圧倒したとかいう事を言うものではない。「パナのフロント7が、シルバースターOLを蹂躙した」のと「前半に於いてパナのOLがシルバースターDLを蹂躙した」のである。
これは、後半にランでビックゲインを許したのが1回だけという所に起因している。
正直この試合の組み立てでは、パナソニックの攻撃に迫力も脅威も感じない。ただ破壊力のみを感じるのだ。それが実際後半の結果なんだろうなあと思う。
試合は双方最初のドライブでとTDに持ち込むのだが、パナソニックはショートパスとランの組み合わせ、シルバースターはパス中心で一気にドカンと。
違いが出てきたのは次から。まずキックオフリターンで敵陣36Yardまで進んだパナソニックは、デュブリーのランで24Yardまで進むと、ラン1回パス1回失敗を挟み、スクリーンパスを通す。ま、ここはFG失敗で終わるのだが。
その返しのドライブで#10柳澤の羅漢を多用したのだが、5プレー目陣48Yardからの攻撃で、パナソニック#17モトゥ(登録はDLだが、この試合に限って言えばOLB-シーガルズのバイロン・ビーディー・ジュニアのような動き-であった)が大外から一直線に突っ込みサック。
しかもパントがブロックされてしまい、なんとシルバースター陣25Yardからの攻撃をパナソニックが獲得。
ここからデュブリーのランでぐいぐい押し込み、#39荒木のランを一度挟むと、デュプリーがパワーランでねじ込んで追加点。
とはいえシルバースターもここで黙っているわけでは無く、今年席巻したウィルソンへのパスが連発。柳澤のランやミルズのドローで攻め込むのだが敵陣39Yardで4thインチのギャンブルを失敗する。
この返しのドライブを止めてパント(ミスパントかチップしたかで距離が出なかった)で敵陣からの攻撃となるシルバースターだか、ここでなんとミルズがスクランブルを2連続で強いられる。しかもパス2回連続失敗。そこを柳澤のランで17Yardま前進すると、パスで刻んで最後はウィルソンへのパスを決める。
もう実際このへんから守備ラインによる蹂躙状態なのだが、それをなんとかパスとスクランブルで回避している感じ。
この返しのドライブも自陣33Yardからなのだが、荒木に2回連続持たせてダウンを更新すると、デュブリーのランで敵陣に入る(次のデュプリーへのパスでロス)。ここでディープに一発ベテラン#1本多へのパスで8Yardまで進むと、デュプリーのランでTDを上げ突き放す。
この返しのドライブ、2プレー目にパスラッシュをかわして左に動いたミルズが、パスを捨てるように前に放った(のか柳澤へのショベルパスなのかは不明)パスが、相手守備にストライク。あろうことかシルバースター陣23Yardからの攻撃となる。
ここで#33横田、デュブリーのワイルドキャットからのラン、#7遠藤へのパスと刻みながら#15頓花へのパスを決めてさらに追加点。
返しのドライブでミルズがパスで四苦八苦してパント。ここで前半終了。
正直2Qは攻守ともシルバースターのラインが蹂躙されすぎ。怖いわあ。どうすんねん、と思っていたら、後半はデュブリーの39Yardタッチダウン以外はなんとか踏みとどまることが出来た。
恐らくNGの狙うギャップを変えた事で、デュブリーが加速する前に潰すことが出来るようになったというのが一つ。もう一つが「高田が凝ったプレーで実力をアピールしようとすると、かならずリズムを悪くする」という傾向。いや、根本はやられまくっていたDLのアジャストが原因なんで。
ところが、ミルズの方は後半ますます酷くなっていく。パスラッシュに苦しみ、レシーバーが空かず、2枚維持用カバーされているところに投げ込みはじかれたボールをインターセプトされる。3Q後半~4Q中盤に至ってはウイルソンが徹底して落球する。
攻撃が全く機能出来ない(アジャストどうこうの問題ではなくなっている)という悪循環の中で、最終版にロングパス決めたもののギャンブル失敗で勝負あり。
デュブリーについて言うと「俺のよく知っているアメリカンなRB」、つまりある程度加速して急停止してからカット切って急加速して行く、フェイントで身体を揺さぶるたびに守備が引きはがされていく、いわば「暴れ馬のようなラン」というべき推進力のランをする選手だ。
シルバースターの選手がまるでATフィールドにはじかれるようにタックル出来ない状況に呆然として見ているしか無かった。
だが、それとてスピードに乗る前にラインの隙間から割り込めば止まることはシルバースターが証明している。
いやさ、全てがそれで行けるわけではないが、いい解決策を見せてくれたと思っている(ただし、実行出来るかどうかは別)。
そこで高田のパスなのだが、基本的にはLBのゾーンで勝負しているので、それほど意外性も驚異もない。もっとDBの強いチームと当たったとき、このプランでは厳しいのではないかと思う。打開策があれば良いが、菅原や加藤ほど怖さを感じなかったこの試合に、いま一つ疑問が残る。
シルバースターは、まあエースRB#33中島が前節負傷した影響で出番なく、#83林はべったりマークされて機能せず、どちらかというと飛車と桂馬を取られて勝負していた所があるにしても(という点に於いてもシーズン中からの選手のチョイスが疑問)、後半あまりの強烈なプレッシャーにミルズがビビり入ってちょっち押し込まれだだけで無駄に動いて状況を悪くしてしまうパターンになった。
プレーコールで助けてあげられなかったのはチームの責任だが、なんかそういう意味で「作りが雑」という気がしてならない。勿体ないのである。
本当は守備ラインは前半のうちにアジャストして欲しかったが、後半の独走以外しっかりアジャストしたあたりはさすがだったと思う。(いや、今年の守備ユニットはかなり完成度が高い方だと思うので、密かに後半のような展開になると期待していたのよ。なので前半が残念でねえ)。
さてさて、ライズ守備はどこまで食い下がれるか、楽しみである。