2016年5月15日富士通スタジアム川崎第二試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total OT
ノジマ相模原ライズ SR 0 7 0 0 7 3
アサヒビール・シルバースター SS 0 0 7 0 7 0
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
2 SR 0:06  #29望月49Yard FG×(ブロックされスクリメージ越えず)    
2 SR 4:21  #2宮幸13Yard Run   #14有輪Kick
3 SS 8:20  #10柳澤1Yard Run    #99櫻井kick
OT SR 1TOP  #29望月37Yard FGF     
OT SS 1Bot  #99櫻井33Yard FG×    

第一試合とうってかわって、この試合は両チームとも「相手の攻撃ラインを守備フロントが上回っていて」攻撃がちーーーーーーーーっとも決めきれない。
ことにライズQB#18荒木は、ポケット内でほとんどアクションがない(いわば棒立ち)ので、こと#13小林に完璧に捲られているラインと、スクランブルの連携の悪さ(いや押し込みまれている大外側に何度も走り出すんだもの) とか、ある意味ポケットワーク覚えないとつらいよこれは。第一ターゲットが空くの粘ってギリギリになって走り出すのは、相手もやりやすいと思うんだよね(肩をゆすったり、ステップでリズムとったりするだけでも違うからね)。
シルバースターQB#1ミルズは、と言うと、相手のプレッシャーがきついのを弱める為にドローとドローフェイクを入れるんだけど、インサイドが押し込まれて効果なし。却ってそのぷん相手が近くに来てからの挙動になるのでそりゃ厳しいわね。特に#9番屋と#90伊倉が攻撃右サイドに固まったときは手も足も出ない。
結果としてミルズは最悪な3INT。

但しこの試合に限って言うと、攻撃に関してはシルバースターの方が上。それはRBを#10柳澤だけで通し、また彼はその期待に応えて活躍している。パスも呼吸が合わないところもあったが#11戸倉を要所でうまく使ったし柳澤もパスキャッチでかなり助けていた。
攻撃に関しての魅力は確実にシルバースターの方が上だった。
ただ、それであるが故にライズ守備が素晴らしかった。最後の最後で踏みとどまってOTを勝ち取り、OT後攻で結局守り切り、最後のFGの時には大外からガナーの外からノータッチでプレッシャーを掛けた事で(多分それが原因だと思うんだけど)キックのコントロールを悪くさせて外させた訳で。

でもなあ。ライズはそういう意味で攻撃ラインが他のトップチームに比較して一段下がる現状で、RBの個人能力頼みのランプレーでは、相手守備に対する楔にならんような気がするんだよねえ。

2016年5月15日富士通スタジアム川崎第一試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
富士通フロンティアーズ FF 7 7 14 0 28
LIXILディアーズ LD 7 7 3 15 31
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
1 LD 5:59  #9加藤→#11前田84Yard Pass   #14青木Kick
1 FF 10:59  #3キャメロン→#81中村8Yard Pass   #11西村Kick
2 LD 5:65  #9加藤→#27小川7Yard Pass   #14青木Kick
2 FF 7:25  #3キャメロン→#81中村40Yard Pass   #11西村Kick
3 FF 2:14  #12平本→#30金14Yard Pass   #11西村Kick
3 LD 5:21  #14青木 37Yard FG    
3 FF 11:35  #16ニクソン 0Yard Fum.Rec(エンドゾーン内でリカバー)   #11西村Kick
4 LD 2:14  #9加藤→#7宮本 6Yard pass   #9加藤→#7宮本Pass
4 Ff 9:47  #11西村25Yard FG×    
4 LD 11:35  #9加藤→#11前田24Yard Pass   #14青木Kick

だーかーらー、前田にはついてろっていったじゃんよぉー

 という結末でした、はい。
ってかさ、富士通毎回このパターンだよね、後半に行き詰まって攻撃がリズムつかめなくなって追い上げられて突き放されるの。結果として前半に相手の心を折ってからでないと試合がクローズ出来ないんだよねえ。
試合自体は最初のドライブを快調に進めていた富士通が、仕上げの時にINT喰らいタッチバック、ディアーズ最初のジェットスイープをしっかりロスに押さえた次のプレーでいきなり前田への縦一発でリクシル先制。
次のドライブで富士通は敵陣35Yardまで進むがパント。この返しの4プレー目で、QBカウンターから左外に投げたパスを、今季からLBにコンバートされた#88大橋がINT。敵陣25Yardからの攻撃でTDに結びつける。
ぶっちゃけ前節の仕上がりから言ってディアーズは途中でへこまされるかなと思ったらとんでもなくて、よく短い期間でここまで仕上げたなと言うか。
というか、ディアーズの基本戦術は体格体幹で勝る前田中川宮本に対してのヒッチスクリーン系からの素早い上がりと、その裏のプレーで構成されている訳で。そこにあんま効果的な対策取れてない(ってか、クッション取り過ぎてフック打たれてフリーにしているのに対策取ってない)。
2Qに入るとパントラッシュがきつく見えたのかパントを上げすぎて距離が出ない所、自陣35Yardからのドライブをあっさりドライブされて失点する富士通は。パス主体でまたあっさり同点に。

しかし後半最初のドライブでディアーズはパントが高く上がりすぎ(ってか今日の青木はK/Pともに調子が良くなかった)ハーフウェーから攻撃となった富士通、QBを平本に代えてランパスのバランスの取れた(が、相変わらずインサイドのLBのゾーンを一切攻めないパス設定はなんとかならんのか、読みやすい)攻撃でTDを奪うと、ディアーズのスイッチの入ったパス攻撃をなんとか防いでFGに押さえる。
その後互いにパントを蹴って富士通が攻撃に入るのだが、最後ギャンブル失敗で敵陣2Yardからの攻撃に。ここでジェットスイープを仕掛けたディアーズだから、ラインが押し込みかけてファンブルを誘い、エンドゾーンで押さえる。これでリードを広げた富士通だが、
ここからディアーズがショートパス主体でがしかじ攻めてあっという間にTD。しかもここで2ポイント決めて追い上げる。
その返しでじかん使いながら富士通はFGまで持ち込むが、スナップが乱れセットが遅れたことでブロックされてしまう。

だーがーらー、前田に取られてもセカンドエフォートさせなきゃいいんであって、フック警戒してスタート遅れたりとか、クッション深すぎとか、システム的に問題なんだってばあ!
この後お互いにパントとなり(いやもう少し時間を使う攻め方しようぜ富士通)、ディアーズのクイックパス攻めダルマを上手く止められずに、「FGで同点にする距離まで攻める」という予想を覆し(41Yardでは今日の青木では心許なかったのであと5Yard出るかなと)、いきなり左シングルの前田にポストのパス。もうDB千切られてるしさあ。

まあもう、後藤とゴードンがいなかったのでインサイドのランで時間を潰すことは難しかったとは思うけど、見え見えの選択として止めに来ている所でどう出すかが課題でしょ、もう。毎年そこでつまずいているんだから。そろそろ学習しようよ攻撃コーディネーター。

ディアーズは、なんともギアが入ると恐ろしいというか。迫力すごかっです、脱帽!

法政大学、青木監督辞任の話(3)

と(2)より続く

ただ、OB側の主張もどうかと思うのだが……

まず法政がここまで強豪になったのは、「部内の活動は学生の自主性を尊重する」というルールに則っている。しかし外国人指導者の導入はそれに反する流れ(指導する側は指導される側の都合では動かないのが彼らのガバナンスである)だし、学生自治の放棄に連なることだ。そして外国人指導者は金がかかる。 
上っ面の導入は、正直言って法政の良いところを消してしまいはしないか。

もしやるなら、OB会が外国人コーチを「クリニック」形式で数日間招聘する事の方が現実的で、それは大学に依存しなくても出来るのだ。

ぶっちゃけ、学生自主の中にOBは含まれない。OBは監査支援に徹しなくてはならない。現状ではOB会の一部が暴走して都合の良い幼稚な言動をしているだけに過ぎない、と思う。

そもそも「監督」の位置づけは何か。「指導者」の位置づけは何か。「部長」の位置づけは何か。そこが何らはっきりしていない。

日本に於いては監督の下にヘッドコーチを置くのが一般的だが、本来は現場監督がヘッドコーチで、運営監督がGMなのである。日本はそのどちらも監督に押しつけすぎている。
そういう意味で「部長」はお飾りだし、運営監査はお飾りの部長が盲判で済ませてしまう事になる。
そしてOBとか父母会はご都合主義の権化となり、監査実態を持たない「金も出すし口も出すが整合性の取れない思想性の欠如した」口ばさみしか出来ない圧力団体として混乱を導くだけなのである。

過去にもネット上で「四年生が全員退部を突きつけて監督を交代させた」と言うチームの情報が流れた。でも、そのチームは結局監督交代しても今の地位から浮き上がることは出来ていない(し、その世代以降暫くは社会人で活躍していない)。
要するに思想的・論理的にしっかりしたコミュニケーションが取れていない中での学生主導(の形を取った一部OBによる)のクーデターは、嫌悪対象の排除だけが出来るのであって、事態を好転させるきっかけにはならないのである。
※故に、篠竹さんは過去3回のトラブルの際に学生におもねること無く退部をさせた。学生に迎合することが思想の崩壊による姿勢の崩壊を認めることになると判っていたからだ。それが正しいかどうかは別問題だか。

そして、こういう話になるとどうしても思い出すのはヤン・タイロンの言葉だ。
ヤン・タイロンとは小説『銀河英雄伝説』の登場人物、ヤン・ウェンリーの父親で、第一巻の回想場面に登場する。
幼いヤン・ウェンリーが「独裁者ルドルフ・ゴールデンバウムが生まれた理由」を大人に聞いて廻った際、きちんと説明出来たのがヤン・タイロンで
「みんな楽をしたかったから」
という至言を述べている。
つまり、誰かに決定をゆだねしまえば自分はその決定に対する事で悩まない。対応も誰かに任せればいい。それが積み重なると強大な権力になり、その暴走した時の危険性を理解したときには手遅れになっている、というもの。それが大衆心理だと。

これは、OB全てにかかわっている問題ではないだろうか。
仕事が忙しいというのもあるし、年齢が行けば家庭を無視して競技に時間を割くことも出来なくなる。結果として「今のままでいいや」と監督の長期政権を認めてしまう。
そこに「自分が楽をしたい」という物差しが存在しない、と言い切れるだろうか?

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