2016年5月29日富士通スタジアム川崎第二試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
ノジマ相模原ライズ SR 0 0 0 21 21
IBM Big Blue IB 3 21 2 7 34
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
1 IB 2:02  #8小田倉42yard FG×    
1 IB 7:27  #8小田倉33Yard FG    
2 IB 1:15  #14政本→#40スタントン 9Yard Pass   #8小田倉Kick
2 IB 6:36  #21高木12yard Run   #40スタントンRun
2 IB 9:11  #3クラフト→#81栗原14Yard Pass   #8小田倉Kick
3 IB 9:40  Safty(エンドゾーンでRBロスタックル)    
4 IB 0:11  #11佐藤35Yard FG×    
4 SR 5:05  #10藤本→#85八木3yard Pass    #10藤本→#8出澤Pass
4 IB 5:15  #10末吉46yard Run   #11佐藤Kick
4 SR 5:32  #10藤本→#15出島49Yard Pass   #10藤本→#19松尾Pass×
4 SR 10:07  #10藤本→#85八木31yard Pass   #29望月kick

この試合はある意味消化不良というか何というか……

一番心中穏やかでないのはライズ#18荒木だよなあ……

なんかね、キモの言葉なんだけど強調したら可哀想なくらいに、その、ねえ。

多分、守備の側ではケビン・クラフト対策をしっかりしてきたと思うのよライズ。スコアが動いた2Qは#14政本のドライブ2回で得点して、そこから勢いに乗って、という形だっただけにね。
IBMの試合でこれだけ得点が動かないのも久しぶりで、考えてみれば八千代市陸上競技場以来じゃないか(あのときもライズ相手だ)な。
しかし、それに輪を掛けて問題だったのは、ほぼ進めないライズ攻撃。前半に#25東松が出番ないと、#2宮幸と#32金子しかランをしない。いや、もうプレーも偏っていて(学生時代の宮幸がいた頃の中央大と同じ思想だが)そこを潰されるとにっちもさっちもいかない。相手守備を広げることも寄せることも出来ず、ロングシチュエーションでラッシュ喰らって自滅するパターン。いやインターセプトないのはいいんだけどさ、時間のかかるパス選択しといて棒立ちはないべ。

まあライズの攻撃ラインが相手守備、とくに#34ブルックスを止めることが出来ず、かつそれ以外の選手にも圧力負けしていたのも事実で、そこをバックの個人能力で打開する事が出来ればいいんだろうけど(実際IBMの末吉と高木のインサイドのプレーがそれに当たる。捕まらないボディバランスは見事と言うほかない)。
では散らすことが出来なかったというのは、元々荒木のいた時代の立命はいわゆるリッツガン、QBの横にHBを配置して5枚のレシーバーへの素早いパスを軸にしていた所からセットバックに切り替えた時期で、早いタイミングで決め打ちするのは得意だが、相手を誘ったり惑わしたりする動きがまるでない。
クイックヒットならそれでもいいんだけど、その割に最初のターゲットのカバーが少しでもきついと待ってしまい、すぐにプレッシャーが来てスクランブルしようにもポケットがつぶれて投げられない。

結果として4QにQBを藤本にスイッチしたら、まったく事情がかわる。たしかにサック1回受けたが、あれは#34ブルックスのスピードラッシュが凄かった訳で、それ以外、常にステップを切り身体を動かし、相手の的を絞らせないようにしながら要所のパスを決めている。
特に、最初のターゲットが空いてないときのレシーバーサーチ能力が格段に違う。

ライズの攻め手として問題だったのは、4Qに入って最初にTDした後、オンサイドを選択した事。この後の展開からすれば(:結果論なのは認めますが)あんないい位置で相手に攻撃させなくても、深い位置から攻撃させておけばプレーの入りも違っただろうし、末吉のランを上手く処理出来たかも知れない(いやまあ、あのバウンズアウトは相変わらず凄いけど)。結果、最後のインターセプトがなければ4Qで28点取れた訳で、2ポイントとかもいらずに勝てていた可能性だってあった訳で。

※ただし、そのインターセプトのドライブの発端はIBMのオンサイド対応で気の抜けたところがあったのを指摘しておかないとね。棒立ちのまま相手にフリーで取らせては駄目でしょう。

という訳で、もし最初から藤本が出ていたら、もうちょっと違った展開だったかも知れないという気になりつつ、荒木にはさらなる成長を目指して欲しい訳であります。

2016年5月29日富士通スタジアム川崎第一試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
LIXILディアーズ LD 0 0 7 14 21
オービック・シーガルズ OS 0 3 7 6 16
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
2 OS 4:15  #49星野21yard FG×    
2 OS 10:17  #49星野29Yard FG    
3 OS 4:03  #15ニューハイゼル→#83小島 31yard pass   #49星野Kick
3 LD 7:54  #9加藤→#18永川20Yard Pass   #14青木Kick
4 LD 7:21  #9加藤→#18永川 7Yard Pass   #14青木Kick
4 OS 9:30  #6菅原→#86萩山14Yard Pass   #49星野Kick×
4 LD 11:22  #11前田 74Yard Punt.Ret   #14青木Kick

 うーーーーーん。

まあ色々言いたいことは両チームにあるにはあるけれど、勝負は言い訳出来ない世界だからねえ。

途中で気付いたけれど、今日オービックは#23バイロン・ビーディ・ジュニアが出てなかった。これが一つ大きな要素ではあったとは思うんだけれど、それはそれとして。
ディアーズは#9加藤、シーガルズは#6菅原が先発。序盤は両者自陣に釘付けで時間ばかりが流れてなんと1Qに両チーム得点機なしという地味な展開に。
しかし1Q終わりのドライブ(シーガルズ2回目のドライブ)で菅原から#85萩山へのパスが決まって遂に敵陣に入る。
が、このドライブ最後にエンドゾーン目前のランプレー3連発をしっかりディアーズが止め、しかもFG失敗。
次のドライブがディアーズあっさりパントで、その返しのドライブで一度は木下にTDパスを通したがイリーガルタッチの反則で帳消しになりFG。
返しのドライブ中、ディアーズのベンチサイトで熱中症になって倒れたとおぼしきスタッフが担架で搬送されるというトラブルがあったせいもあってか、加藤のパスがインターセプトされ、その流れのまま前半終了。
後半シーガルズはニューハイゼルをQBといて投入。この試合は無理をしない(レシーバーが無理をしない)範囲でのプレー選択で、主にフックとかストップとか短めで胸に投げ込むタイプのプレーを見せて刻んできたが、いきなり虚を突くように奥にリードパス。これがDBの反応が遅れてた上にまた絶妙なところにパスを落としてTD、振り切るのである。
ここからディアーズが覚醒。キックオフリターン自陣40Yard1まで進む都市、ジェットスイープでロスするも宮本へのパスから浅めのパスからのランなどでぐいぐい進むと、永川へパスを決めて追撃開始。
この返しのドライブでニューハイゼルはいきなりのサックの後ランパス自在に組み分けて(いやあバックフィールドの駒が豊富だからねえ)かなりテンポよく攻めるが、敵陣32Yardでまさかのギャンブル失敗(49YardFGで良かったような気がするんだけどなあ)。
ここからまた加藤のパスが立て続けに成功して逆転。

ここでシーガルズはQBを#6菅原に戻すと、パス5連続(木下へのロングパスで一気に攻め込む)でTDを奪い、再逆転。ただ、ここでTFP失敗って……試合の要所でキック失敗はもうこのチームの伝統芸ですな。結果としてFGで逆転という展開。

でね。この後ぶっちゃけディアーズは攻め間違えたの。残り2分台後半。いきなりパスで敵陣41yard。ここでレフリータイムが入って明けた時。まだ2分30秒くらいあったのさ。
俺、ここでハドル組むべきだったと思うの。だってFGで逆転でしょ。青木のキック力からすると最悪でもあと10Yard、いやさ欲を言っても15Yard進めばいい訳だ。だからこそ呼吸を揃えて刻んで時間使って行けば良かった、筈なの。一度落ち着かせてからノーハドル、でも良かったと思うの。
ノーハドルで突っ込んで、最初のパス失敗でリズム崩して、サック浴びて下がってタイムアウト1回消費してギャンブル失敗。シーガルズ陣49Yardで攻撃権を保田して1分50秒。
ここだって、タイムアウト取らずにパントで敵陣深く、3回タイムアウト消費で残り40秒、という選択だって出来たはずなのよ。
しかし、ここで守備がすごーーーーーーく踏ん張った。3回のランプレーで一度はディアーズ陣45Yardまで進ませた(この時タイムアウトを使わず)のに対してロスタックルとゲイン許さず(ここ2回はタイムアウト使った)、パント。特にパントの際にディレーされなかった事は評価に値する。

で、ここでシーガルズはコントロールパントを選択。短めに蹴ってバウンドさせて……あれ、どこかで見たような……。
するするっと前に上がった前田がノーバウンドキャッチ。その瞬間、そこだけぽっかり空間が……
そう、あのオービック対関学第二ラウンドで、ガルズの池井のプレーにそっくり!
しかも、あの時とは逆に、いい意味でガルズの選手がディアーズの選手とからんじまっていたから、リターンに入った瞬間に、ディアーズ側のいい感じのブロックが働いてしまって、前田独走。

まだそれでも30秒強存在するのだが、ここでプリベントがはまって時間を浪費する割に前進出来ないシーガルズは、最後にイリーガルタッチ(無理投げした相手がラインだった)で試合終了。

この試合、まあ両チームともに本来出したかったであろうランが全く出ないのてリズムに乗れないという所もあっただろうが、シーガルズはニューハイゼルの時にまだ複雑なブロックのプレーを入れられず、Aギャップから結構プレッシャーかかかってしまっていたのが気になる(菅原の時はトラップしたりクロスしたりしてセンターをヘルプしていたが……普通のパスプロの時はヘルプするとその横を狙われたりしていた)。
噛み合わせみたいなもんだとおもうので、是非ともコンピネーションを高めて欲しい。
ディアーズはまあ、入りとか詰めとか、組み立てに難あり。本来は負け試合だった訳で、あんまり手放しで喜べないと思うよ。