一応触れておく。
問題は幾つかあって、それを1つの切り口で語ろうとするのはあまりにナンセンスな行為で、レ結局テレビなどは「偉い人ぶったたく僕偉いでしょ」と「学生時代に日大に負けた学校のアメフト部上がりがここぞとばかりに怨念を晴らす」姿にしか見えない事を明らかにしておいてから話を進める。
問題点①今回発覚した容疑者について
この問題に関しては、当初は「若者の薬物汚染」の文脈で捉えるべきだと考えていたし、今も原則はそのままである(②の問題が付帯するが、根本は変わらない)
恐らく警察の捜査も、原則として「彼がどこから入手してどこへ捌いたか」が捜査の主軸であり、部活動根幹に響くような捜査はないと考えている。
ただし、それは当人の証言により「当年現役生に彼及び彼が入手した相手が部内に拡散した事実」が出て来ない限りに於いて、である。
問題点②報道されている告発文の内容が本当だった場合について
これは「昨年に内部告発があって複数名が葉っぱ使ったが、卒業間近だったので、コーチが温情で不問にした」というもの。
当年の報道上を切り取って「複数人居た」としているのはこの事例であったと考えると、①は「いなくなった筈の対象者が、実は一人残っていた」という話になる訳だが、それを証明するのはほぼ不可能(訴求困難な過去の事象)である。※報道通りの尿検査が実施されていればその記録が証明となるが、現時点では任意資料なので、個人情報保護にひっかかってしまう。
この場合恩情を掛けたコーチに対して非常に重い監督責任が生じると供に、法令遵守の観点から団体としてのチームの管理監督責任が問われる事になるのはやむを得ない。
問題点③報道されている「過去の留学生から連綿と続いている」が事実だった場合について
これが事実であるかどうかは本当に悪魔の証明だが、噂が出ている限り現役・引退直後の日大出身留学生Xリーガーは全員毛髪検査が義務づけられるし、外国籍選手の定期的な毛髪検査は今後全カテゴリで必須要件になる。
と同時に、これは「競技団体に加盟するに値するチームと呼べるかどうか」という問題に直結する。
もう既に関東学院大ラグビー部の大麻事件で顕在化した「自治寮内でのガバナンス維持のあり方」という事に他人事で接してきた証明になるのと同時に、コーチ陣の刷新問題とか一切関係ないことになるので、ネットの論点は明後日過ぎることになる。
問題点④ここまで問題が大きくなったことと連帯責任論について
まず日大におけるアメフト部の立ち位置が複雑である事が課題で。
①篠竹さんをピュアに信心するグループとそれに近い世界の人たち(現執行部)
②内田さんに世話になったグループ①(アメフトにピュア)
③内田さんにせ輪になったグループ②(政治的に田中さんより)
④篠竹さん末期に入り込んだ学外高校出身者グループ
の4派以上に分裂していて、実際④を利用して居た②は、篠竹さんの定年再々延長を画策していたが③により握りつぶされたという話が昔流れてきた。
元々田中(前理事長)が上り詰めた契機となる日大全学連闘争には、桜ヶ丘キャンパスは関与していなかったと聞いているので、田中派と決別した一大勢力だった筈である。
よってこの①に関する風当たりは非常に強く、結果としてその暗闘が橋詰コーチの退任に直結していたという話、と捉えると判りやすい。
※橋詰さんから日大OBに戻す事は①③④が同意したので解任したが、①のメンバーが関与できない状態だった為紛糾し、有志が1名火中の栗を拾った形である。
これ故に、何かあると①~④が足を引っ張り、関係ない副学長があわあわした、というのが今回の問題点だと思っている。
これはつまり、なまじ権力が強かったが為に色々ややこしい事になっていて、大学の統治が及んでいない状態である事を示している。
故に「チームが言っている事を鵜呑みにした対応」をする事になり、一般と乖離した世界で動いてしまっているのが現状であると言える。
※なおこれは、大学スポーツと大学執行部の関係性が不明瞭であるという、日本独特の構成も原意に含まれているだろう。従ってこれ以上大学側については論考しない。※チームについては論考する
さらに問題をややこしくさせたのが「連帯責任論」である。
そもそも連帯責任というのは「集団の隷属化」の手段の一つで、一人の罪を小集団が原因であるとして小集団を罰する事を言う。
今回
A)捜査中・及び関係者への疑念が晴れるまでの間の活動自粛は連帯責任か
B)リーグ戦に参加しうるガバナンスがある団体であるかどうかで参加を認めないのは連帯責任か
という二つの問題を全部一つの言葉で批判するからややこしくなり問題が拡散して切り取り挙げ句言葉が一人歩きしてしまっているのである。
ちなみに個人的見解として
A)-①学外で使用中・保持中に逮捕された場合、寮への家宅捜索が実施された場合は警察が良しと言うまで寮での活動は禁止。自主トレーニングは可(可能であれば受け入れ表明してくれた学外のチームで実施する事が望ましい)。従ってこの場合全体反省と対策が確定した時点で活動再会出来るが、それをしないのは連帯責任である。
A)-②今回のように施設内での保持及び使用が確認された場合、捜査範囲が確定するまで証拠隠滅の疑いを避ける為に活動停止するのは当然。これは連帯責任では無い。
B)そもそも団体としての適正の有無の話である為、適正の無い団体を連名が拒むのは全く問題のない行為で、連帯責任とかそういう話ですらない。これを連帯責任というのは、万が一試合中の怪我や暴力行為があった場合の責任全てが個人に帰するという暴論を吐いているのと一緒。
つまり悪質タックル事件をあそこまで炎上させた被害選手の父親は、同じ基準で社会的に抹殺されなくてはならないが、誰もしていないので、これは言っている人たちの矛盾行為である。
結果的にこういう人たちの切り取り発言を切り取って脊髄反射で反応して事態が沈静化しないのである。
問題点⑤廃部を主張する人たちに欠けている視点
と言うか、気に入らないものを「お取りつぶし」するのは偉い人の気分が味わえるだけの低脳反射行為だから、自分が「思考能力が無い人」って宣伝しているだけだから。
廃部して連盟撤退して、再参入するのは「体制が整ったからOK」にはならない。継続性があるかどうかがキモとなるが、それを証明出来るかどうかは逆に課題となる。
ましてや学内・関連団体に多くのOBを有している状態で、それらが一掃されるまでとか言うのは夢物語である(し、他団体でそんな事例は存在しない)。
また日大のような古豪は父母にOBOGが多数いる為、それらを排除する事は不可能である。
※というより、他大学でコーチしてたりするケースも多数あるので、そこに広がっていくだけである。
それよりも「フェニックスフェチホイホイ」作って徹底監視させた方が利口である。
問題点⑥そもそもこの問題は、本当に保護者の正義で行われたのか
ごめんなさい。これは④の前段で語った派閥争いが影響しているようにしか見えないので、私は凄くすっっっっっっっごく深く疑っているのです。
後に出てきたコーチの暴言問題も、追手門大で水野さんをパージした時の「コーチの暴言」暴露と同じように、関係外の人間をパージする目的でのリークとすら考えてしまっているのです。
※恐らくHCの彼が派閥争いで一番苦しい立場だと思う。本来現体制(実質シルバースターOB体制)において、本来は現体制移行時に離任すべき立場だったのに。思想の異なる体制でこんな梯子外されて学生から圧がかかればここまで荒ぶるわな。
こういう流れを見ていると、まずそもそもが「対抗勢力にいいようにさせない為の努力」とかそいういものが根底にあったと疑わざるを得ず、それに対して方々に撒き散らして大事化を企んだようにしか見えないのね。
これは活動再開を決めた際の保護者会の圧力からも考えられてしまう話なのね。
※もともと日大は後援会・OB会が長いことなく「篠竹幹夫後援会」と「フェニックス父母会」が存在していた(OBチームの不死鳥倶楽部は後援会として機能していなかったと聞いている)、特に父母会の事務局は卒業生の保護者が継続して担当しているなど、かなり発言権が強かったという話は聞いている。その為篠竹さんが引退したあと後援組織を再構成したが、二世選手が多い事もあって父母会とOB会の重複が多いとも聞いた。あくまで聞いた話で、法政や立命館などと構成が異なるとか。
では一体どうすれば良かったのか
まああれだけ巨大な学校でスポーツやまほど抱えている大学ではどうやっても無理だろうとは思うけど
①まずチームの運営団体を明確にする
②運営団体は学校側、後援会、学生から評議委員を選抜する。
③理事として、非大学卒業生かつ非大学との営利目的の取引が無い弁護士と税理士、アメフト関係者を各2名以上選任する。同じ立場の監査委員は同時に退任出来ない(継続性の都合)。また理事の数は評議委員+理事の1/3以上になるようにする・。
④評議委員と理事は最長6年の任期とし、多選は認めない。
⑤運営団体は一般社団法人として、毎年会計監査を公開する。
⑥寮には評議委員または理事及び指導者が常駐する(複数年間寮に寄宿する)。
⑦問題発生時は常に理事又は学外コンプライアンス委員会(独自組織)に告発するチャンネルを開設する。
⑧理事又は学外コンプライアンス委員会は告発を受けて7日以内に刑事事件如何に関わらず事態を公開する。
⑨運営団体として部活動停止・再開に関わるルールを事前に定め公開する。
が出来て初めてスタートラインじゃないですかね。
これが出来ないなら、日本協会から追放でいいと思います。