その後仕事でどえらい地雷を踏み抜きましたり、組合活動でクーデター同然のパージくらいかけたりしてむすっとしていので(いえ、後者は単に若手の勇み足なんですけど)書くの忘れてました。
今回のスーパーボウル、というよりNFLプレーオフは、プレーオフで怪我した方が負け、という至極当たり前なプロセスを通しただけでした。
無論、ペイトリオッツのパーフェクトシーズンの期待、というものあったのでしょうが、試合を見ていてシーズン11週目以降はひたすらにスケジュールに恵まれた事(何せ勝ち越しチームがスティーラーズとジャイアンツ。あとは皆大きく負け越している)、プレーオフでは相手が常にエースを負傷で失っていた事、など幸運続きだっただけで、ずーっと綱渡りしていたのである。
それに対してジャイアンツは、もともと守備が安定してきた所に突然のエリちん(イーライの事。彼のスペルがELI、ローマ字読みしたら「えぃ」ですが、日本人はこういう音を「えり」と発音してしまいます)覚醒によってアレよアレよという間に(おまけにダラスもグリーンベイも攻撃が守備の圧力に根負けして自滅した訳で)勝ち上がった訳です。
そもそも今期のペイトリオッツは、ランデイ・モスのお陰で実力以上の攻撃力を出していた(これがチャド・ジョンソンだったらこうはいかなかった。T.Oならこれくらいの成績は残した)という所があり、個人的にブレイディが局面を打開できる能力に長けているとは思っていないので-つまり今年はモスにマークか集中したからミドルゾーンやショートレンジが開くのだ。パスラッシュが強くなった時に兄マニングよりも劣ると思っている-怪我した時点でやばかった筈。
さらに中盤からジャイアンツ守備が強烈なフロントラインを活かした攻撃的な守備を展開すると、話にならなかった。
ところが、逆転した直後に少しだけ守りに入ったジャイアンツの隙を突いて、かつペイトリオッツの基本的に持ち合わせた力を存分に発揮して、逆転した訳で、ここは素直に力通りであるといえる。
ただ、そこから先がエリちん大爆発だった、と思っている。
あのラストドライブは、はっきり言って「勝ちたいという意欲」が生み出した実力以上の力だと思う。
でも、それは「奇跡」ではない。火事場のクソ力なのである。
往々にしてそういう所をスーパーボウルは見せてしまう。
その後伸び悩むQBが多数いるように、エリちんは「やっちゃった」のかも知れない。
少なくともエリちんが局面を打開した訳ではない。誰か個人の力ではなかった。
不甲斐ない攻撃陣を支えてくれた接戦に持ち込んだ、守備陣がいたから、彼らの努力に応えたかったから、全員が集中したんだと思うのである。
まあ、シナリオを平気で書いては火事場のクソ力がブチ壊す最近のNFLの展開として、KYジャイアンツとGB戦後に揶揄された(ファーブが花道を飾ってペイトリオッツのパーフェクト阻止、という筋書きをブチ壊した)のに、見事に花道で大見得を切って喝采を浴びたエリちんと、それを見事に支えたストレイハンやユメイオラといった守備フロントに、実に見事であったと拍手を送るべきなのでしょう。
でも、怪我さえなければチャージャーズが勝っていたと思うしねえ。