移籍ルール

今年のXLeagueの移籍事情について。そもそもX1の登録期限が例年より半月早い6月末という所から色々悲喜こもごも発生しているようで……

その中で春シーズン大量に選手を抱えていた某チームの選手リリースのあり方について疑義が示されています。
※ロースターカット時に移籍志願したが移籍同意書の発行を拒まれた為チーム引退となった。

これ、色々調べた上で過去の記憶を総動員するとこいういルールの経緯があるのよ。

  • もともと社会人競技では実業団メインである為、移籍は転職を伴う事になる。その為就社の意味合いから個人的な理由での移籍は出来ないというのがあった。
  • とはいえ転居や実家に帰るなどの事情に鑑みて「引退当年と翌年の2年間の出場がなければ新人として登録可能」というルールが制定された。→体協傘下の社会人スポーツはほぼこのルールが適応されている。スタンダードだから。
  • バブル期に新しいチームが出来た時に移籍の自由について議題となり(コーチの引き抜きに制限が無かった為、陸上などでコーチに付随して移籍する事を認めるように訴える意見が続出した)、元所属側が移籍同意書を発行すれば、登録期限前であれば出場停止期間無く移籍可能な仕組みになった。
  • これに併せて移籍同意書がない場合の登録制限期間は1年(当該シーズンのみ)となった。

結果としてこの運用はほとんどの社会人アマで適用されている。その為、実際問題移籍による相手戦力上昇を拒む目的での移籍同意書発行拒否は、複数発生している。
※仁義切り損ねたとか、そういう話でも発生する。また、仲裁機関に申し出て移籍が認められたケースも認められなかったケースも存在する。

これがプロリーグ競技となれば、統一契約書の範囲内でチーム主導の移籍が認められる(プロ野球)、国際的な移籍ウインドウが開いてるときは選手主導+チーム主導で、ウインドウが閉じた後はチーム主導で移籍が可能(サッカー、バスケ、ラグビー)という制度が決まっている。
※プロ野球の場合、引退即移籍を禁止するために「任意引退選手(復帰する時には引退時球団から復帰)」と「自由契約選手(退団即移籍可能)」に別れている。

Xリーグ・社会人アメフトの場合、一番厄介なのは「2シーズン制」でかつ「秋が本番」という2重運用になっている事で、その中でCFLや海外移籍を容易にする為の「自由移籍期間」が1月~3月に設定されているのだが、ロースター確定後カットされた選手の移籍の自由は存在しない。
無論、チームによっては予算の都合上と登録直前に新規に選手が入ってくるような事に対処できない場合もあり、そこをもって「有力チームの都合に振り回される」と噛みつく人もいるのも事実な訳で。

一応、他の競技団体と付き合わせても「ノンプロ」として理に適っている訳だ。

が、それでいいのかと言われると「ちょっとなあ」と言いたくなるのね。

登録選手のスポーツ保険のかけ方とか事務的な問題もあるだろうし、解決せねばならない問題があるのは理解しているが、

春シーズンのあり方と同時に登録のあり方を見直した方が良い

と思う。
そもそもパールボウルという大会がややこしくさせているのだ。実業団トーナメントとして始まった普及イベントなのだが(最初回は「学生代表」と「実業団代表」のエキシビジョン)、この大会を辞めていっそのこと西の「神戸ボウル」東の「パールボウル」という形で6月2週目までに実施する「学生代表対社会人代表のオープン戦」にしちゃえばいいんですよ。
※X2以下のトーナメントはオープントーナメントとして実施する。これでJrグリーンボウルのようなスタイルは維持出来る。但し、試合は6月3週目までに終わらせる。
その結果、第二自由移籍期間を6月3週目~7月3週目までとして実施すればいいんじゃないかと思うのですよ。

そもそも春シーズンが邪魔になって来たので、以前にどこかで触れたように「春は指名試合2試合+自主興行」にしちゃえばいいんですよ。その代わり6月2週目か3週目で終わる仕組みで統一しちゃえば。

※なお、今回問題になった事案については、選手個人の素行にもあまり芳しくない話が聞こえているので、そのへんは加味しないとよくないかも知れない。