2023年1月3日76thRiceBowl東京ドーム第一試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
 富士通フロンティアーズ FF 10  12  29 
 パナソニック・インパルス PI  7  21 
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
1 PI 7:07  #5ビクター=ジャモー3Yard Run   #16佐伯Kick
2 FF 0:08  #5納所44Yard FG×    
2 PI 0:20  #5ビクター=ジャモー73Yard Run   #16佐伯Kick
2 FF 6:37  #5納所30Yard FG    
2 FF 9:59  #2ニクソン12Yard Run   #5納所Kick
3 PI 4:40  #2ヘンダーソン→#15渡邊10Yard Pass   #16佐伯Kick
3 FF 9:11  #2ニクソン1Yard Pass   #18高木Run×
3 FF 11:57  #18高木→#19小梶6Yard Pass   #18高木Pass×
4 FF 8:11  #2ニクソン4Yard Run   #5納所Kick
  富士通 パナソニック
1stDown(Run-Pass-Foul) 21(11-10-0) 19(11-6-2)
ラン攻撃(ATT-Yard-TD) 40-237-3 27-198-2
パス攻撃(ATT-Comp-INT-Yard-TD) 28-17-0-160-1 32-12-2-121-1
Total(ATT-Yard) 68-397 59-319
反則(Att-Yard) 2-25 5-35
Punt(Att-Yard) 3-123 5-179
PuntRet(Att-FC-Yarrd) 2-0-10 3-0-8
KickOff(RetAtt-FC-RetYard-TD) 4-0-84-0 5-0-131-0
Fumble(Att-Lost) 1-0 0-0
攻撃時間 27分55秒 20分5秒

MVPポール・ラッシュ杯 富士通#2トラショーン・ニクソン
(ちなみにニクソンはRun:28回188ヤード/Pass:2回15Yard でプレーの約半分キャリー+3TD+獲得ヤードの5割強である。なおビクター=ジャモーはRun:15回135Yard/Pass:2回21Yard/KOR:1回53Yardです。)

えー、冒頭からニクソンの記録を出したのは、一部で「#31髙岡がチームを救う1サック2INTなんだから彼がMVPじゃないの?」という声が出たからで、このニクソンの成績がMVPに相応しくないのかどうか、という点を整備しておきたかったからである。髙岡を否定するつもりはさらさらないが、ニクソンを否定する理由もない、という話だ。

試合はクォータータイムアジャストでパナソニック攻撃にプレッシャーをかけ続けた富士通守備が(その中には負傷後退から入った髙岡の素晴らしいプレーもあった。それは間違いない)粘り勝ちしたという所だろう。先手を打ったはいいが、パナはアジャストされると比較的脆かった。

最初富士通はワイルドキャットから#21三宅のラン、ついで#4グラントのランと、目先を変える(グラントはファンブルしたが)が、前進がままならずパント。
この返しのパナソニックの攻撃は、今季絶好調だったビクター=ジャモーを使わずパス主体で攻めると、富士通陣深くに入った途端にビクター=ジャモーのオープンランを使って翻弄してTD奪取。
この返しの富士通もニクソンのランを軸に組み立てるが、途中#85松井へのパスがカバーがきつかったりラッシュしてきたDLに叩かれたりして難産の中、ギャンブルまでして攻め込むもFG止まりでしかも失敗。
この返しの1フレー目でビクター=ジャモーが一気にかけ出してぶっちぎりで73Yard独走TD。
あっちゃー、と思ったですよ。
次の富士通のドライブもパス失敗がたたりパント。
ところがここから風向きが急に変わる。
#2ヘンダーソンが#97オヌワーに投げたパスがことごとく失敗。転倒したりドロッブしたりカバーがきつかったりと、良いところが全くなくあっさりパント。
これ恐らく、序盤にパスでリズムを作った事に対して、エッジラッシュを強めた事で少しQBに焦りが、そしてレシーバーのマークをタイトにした事でリリースのタイミングがずれた事が影響しているのか知れない。
ここでニクソンのランが出た事で守備がニクソン潰しに比重を掛けた事で#85松井にバスが決まる。最終的にはFGになったが、ここいらへんから流れが変わる。
次のパナソニックの攻撃もレシーバーが落球。ビクター=ジャモーが最初にロスしたあたりから、ライン戦の守り方が変わってきたが判る。
しかもこのドライブ、パントブロックのラッシュが届きそうになったのかパントが短くパナソニック陣内からの攻撃へと転じてしまい、ここからパスを軸にニクソンのランでTDを奪う。
相変わらずオヌワーの調子が上がらない中、パナソニックは攻撃が手詰まりとなるが守備が前半ラストで高木をサックしてキャッチアップを許さない。

後半に入ると、パナソニックはヘンダーソンを左右に動かす事で富士通守備を攪乱。これが対策するとビクター=ジャモーが走り、またラッシュが薄くなるのでパスが効果的に出るようになり、遂にはTDまで至る。
この時点で実は見ていて心が折れかかった。
ところが、この後富士通はリバースプレーを挟みつつ一気にエンドゾーンまで近づく。さすがにパナソニック守備がしのぎにかかるも、ニクソンが右オープンスイープでボールをねじ込みTD。
ここから見ていて少し気が楽になったのは、次のドライブからヘンダーソン対策がしっかり出来てきたからで、次のドライブで#19小梶(彼はシーズン中も松井がカバーされている時にエース級の活躍をしていた)をターゲットにする事で松井もフリーになるようになり、遂に小梶へのパスが決まり、リードを奪うことに成功。

パナソニックも即座に追撃に出て、パスをオヌワーやビクター=ジャモーに決めてゲインするが、何とも詰めが甘くプレッシャーがかかってコントロールを乱したパスが、レシーバーの前に入った#31髙岡に胸にストライクINT。
この返しはパントになったが、次のドライブでヘンダーソンに対してブリッツに入った髙岡がサック、10ヤード下げてパントに追い込む。
その返しのドライブでニクソン責めが炸裂して、パスが間に2回入るもニクソンのランでTD取って遂に8点差。

最後に「TD取って2ポイント取れば同点」というパナとプリベントでビックゲインを許さない狙いの富士通。だがプリベントは失敗でヘンダーソンのランパス無双でグイグイ推進する。
これは駄目かなと冷や汗かいた所で、パスを一気にエンドゾーンに運んだところ、そこでまたしても髙岡がインターセプト。これで勝負あり。

パナソニックが1Qをプラン通りに進めれば2Qに富士通がアジャストし、ハーフタイムでパナソニックが対応すれば3Q後半から富士通が対応する。逆に富士通が落ち着けばパナソニックはニクソンをコントロール出来ず(逆に松井を抑えられたが、ニクソン対応をすると小梶が空き、小梶に対応すると松井が空くという展開)、守備にもう一段ギアが必要だったように思う。

最後、富士通の社長がスタンドに挨拶するときにパナソニックにも敬意を、と言った事がとっても印象的だった(いままでそういう事を言ったオーナーはいなかった)。