年末バタバタしていたのでこの週末にやっとTD誌買いまして。
「Xリーグがトップリーグであるために 特別編」という署名記事を読みまして。
あの。久保田が思う一番愚にも付かない記事って「お上がなんとかせい」「お上がしゃんとしとらんからだ」という記事なんですよね。
下手とか無価値とか、そんなもんじゃない。最低最悪な記事。
結論が「協会が毅然とした態度で指導力を発揮せよ」というのは、その最たるもので。
※内容的に常時オープンにすると、もしかしたら迷惑になる人が出るかも知れないで、畳みます。
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実際、2ページに渡る記事の中で、贅肉を削り取れば書いてあったことは
・オンワード・オークス解散の時間的経緯
・協会加盟団体とオンワードホールディングスは別組織であるという事実の指摘
・元オークスの再建委員会の話
・前例となるチーム事例:ロックブルの裏話の暴露
・前例となるチーム事例:シーガルズの裏話の暴露
・結論としてのオンワードホールディングス批判と協会批判
です。
※記事の中で一番無駄にスペースを取っているのが1ページ目の写真である事は言うまでもない。
まあ、単純に言ってしまえば「オークスを運営している会社が解散する以上、運営母体のないチームが退会するのは当然」という事が書かれていない点を除いてオンワードホールディングス批判は正当な言論ではあるけれど、元オークスの選手達による再建活動の援護射撃にはならない(というか世論を形成できない程度の記事で、これがたとえば朝日毎日といった大手新聞社が社説で取り上げるなどしたなら別だが、経済情勢も知らない専門誌の記者単独の戯れ言では相手を不快にするだけである)と思いますねえ。
まあ、そこでオンワードホールディングスを擁護しても意味ないし、チームを擁護しても仕方ないので。
※あくまで記事に文句たれてる訳ですから、今回は。
問題は、裏話の暴露ですよ。
シーガルズの話は、あの3年間だけの話ではない。実際にはリクルートがダイエー株を手放した時点で、グループだったダイエー勤務者をチームが保持する為と企業業績のバランスとを比較して、チーム撤退を宣言された(ただし段階的な撤退を言い渡されている)中でスポンサー探しを行った結果、確かに書かれたような内容があったとしても、チームとして存続する運営を確立した訳ですよ。
別にどこかのお大尽様の趣味で資金が投下された訳ではない。
このへんの裏話を暴露された結果、読者は「ああ、アメフトって金持ちが後ろにいないと何も出来ないのね」という暗澹たる気持ちしか生まれない訳ですわね。結果として、何が言いたかったのか判らない、というより「一部在籍のまま再建なんて出来るわけないじゃん」と言いたかったとしか取れないのね。
結局この記事で求めているリーダーシップとは「さっさと諦めなさい」と強制的に話を打ち切れって事なのか、退会届を不受理として差し戻せと言うことなのか、さっぱり判らない。この状態でリーダーシップを要求するのは、行政のやる事に反対するどっかの主婦連のおばちゃんみたいなもので、この記事が出たところで協会は何一つ影響を受けない(ついでに言うと、再建運動に対して悪い影響を振りまいた)ですよ。
※巻末コメントを見ても、協会にどうせいっちゅうんじゃっ!と叫びたくなる。競技を守るとはどういう事なのか、確固たる核がないから「お上が悪い」論にしかならないのである。
実際、協会は適切な方針を打ち出したし、多分パールボウル概要がかたまる2月末までという期限付きで猶予を与えたと思うのだけれど(これは完全に憶測)それ以上の何を期待しろと言うのかさっぱり判らない。
そもそもこういう記事を書く場合に、必要な事がある。それを忘れて(というより過去ずっとTD誌はこの手の記事を書いた事がなかったから、知らなかったとういべきでしょうね)いるようではマスコミとは到底呼べないですよ。
・きわめて客観的に事実のみを記載する、報道としての部分を明確にする。
・その報道とは別に、担当記者所感として囲み記事として扱う。
いきなり記者の感情をぶつけた意図不明の記事を大々的に書いても、意味ありません。効果はマイナスですね。
この記者は「チームを残せ」でも「チームにルールを守らせろ」でも「チームが楽になれるようにしろ」でもない、ただ「協会なんとかしろ」と言う、悪く言えばドラえもんに泣きつくのび太くん程度の事をやらかしたに過ぎないのです。
事実の羅列ならそれ以外は入れない。
自分の意見を言うなら「具体的な方向性を明示する」事を忘れてはいけない。
もう、こんな簡単なことが抜けている記事に、価値はないんです。
だから、愚にも付かない記事だと断じた訳です。