ネット上では岡田監督けちょんけちょんであるが、そのポイントをはっきりしておきたい。
基本、岡田監督は試合前に大風呂敷を敷き、終わってからしたり顔のコメントを出す事が多い。
でもこれについて言えば、広報がしっかりしていない日本協会の不誠実な対応に業を煮やして大風呂敷を広げざるを得ないのではないだろうか。
前回監督だったフランス大会の時、スポークスマンが岡田監督だった(マスコミがぶら下がり、それを協会が良しとしたままフォローすらしなかった)事がそのまま続いているのである。
その逆、岡田監督が強化委員を通じてチームに強化ポイントを指示しようにも、そこでチームが乗ってこない(というより強化委員の権威が全くないと言っていい、人材発掘とマッチメークにしか能力を発揮できない)という事で、責任を全部監督が背負い込む仕組みにしているところが問題なのではないか。
元来「W杯ベスト4を目指す」というのは、監督の発言であってはならない。それは強化委員長の発言であり、それに基づいてコーチングスタッフが選ばれる事になる。
ところが今回は、そもそもオシム監督の時点でそういう方向は丸でなかった。というより、J発足前後から現在に至るまでオフト・トルシエ以外すべての監督においてこのポリシーを感じられない。
すべて最初に人ありき、なのだ。
ちなみに今回のオランダ戦は、別にバテたから交代させる必要があった訳ではない(ここで勝負にのみ拘って無駄に交代を増やしても意味がないからである。それをすれば、スタミナ切れが起きた後の対処を考えさせる機会が奪われる)。従って交代枠を使い切らなかった事が非難の対象になるのはおかしい。
結局ジーコ時代から言われていた「ペース配分」に対してあまりに選手(および所属チーム)が意識せず、クライマーズ・ハイのごとくプレスかけまくれば、当然バテる。岡田監督が「90分間プレスをかけつづけられる」と行っているのは、実態としては「90分に至る迄の要所要所で、相手にプレッシャーをかけて相手いやがられるプレーが出来る」であるはず。
次いで本田についてだが、彼を使うならダブル中村は使えない、というのが本質ではなかろうか。つまり、攻撃の選択肢を本田にのみ預ける為、それ以外の仕事をさせる為には中村俊は使い物にならず、中村憲は位置的に本田の邪魔となる。
ついでに言うと、今のシステムをそのまま使うに当たって要となるのは、遠藤である。遠藤とのバランスを考慮した場合、本田は適切ではない(遠藤から組み立てる場合、本田とのコンビではボランチが追い越すことが出来ない。本田がボールを奪われたとき、守備をしないから中盤をフリーにしてしまうので)。
ちなみにフォワードについては、現在のシステムでは岡崎と玉田が同時に出ているようでは駄目。巻兄弟のようなセンタータイプを置いた上で、中村俊をトップ下にして組み立てるようにしないと効果が出ない。
いずれにせよ、現状の日本代表の欠点は監督とか戦術とかにあるのではなく、基本的な強化指導を出来ない強化委員会のほうに強くある。だいたいドイツの総括があんなので、その後を組み立てる事なんて出来るはずがない。
だから、今から岡田監督を更迭しても何も変わらない。それを外国人コーチは判っているから、よほどの大金でも積まない限りは来ない。それでも更迭してもらったとしても、何も価値が生まれない。いっそ岡田監督に3戦全敗してもらった方があきらめも悪態もつきやすい。
そう思うことにしている。
少なくとも岡ちゃんは、日本代表に関して言えば、上司に恵まれていないと思うのだけれど。