最近の出来事として、事業仕分けの話題

民主党がやっている事業仕分け。色々話題になりました。
正直に言うと、あんな短時間で専門知識のない人が「はじめに削減ありき」の姿勢だけで官僚たたきをやった事による効果なので、申し訳ないけれど一部に不具合が起きていることは認めなくてはいけないと思いますよ。

ただ、そもそも「公開裁判」とか言われているようなみみっちい根性で反論するのも如何なものかと思います。
普通、企画を通すためには厳しいプレゼンを通過させる必要がある筈です。民間企業では普通そうです。
で、それについて官僚はあまりにも不慣れすぎた訳です。
途中で仕分け人が「そんなに必要ならもっとアピールしてください」と言ったのは正論ですし、理路整然と切り返すことが出来なかった官僚側の不手際でしかありません。
こと、今回の事業仕分けを批判的に報じる記事を多数配信している産経新聞には「貴社の質が低い」という事を言わねばならないと思います。産経さんは企業の企画部門にいた人をスカウトして記者育成をさせた方が良いと思います(だから産経はいつまでたっても一般紙とは呼ばれない、大衆紙に振り分けられてしまうのである)。

そんななかで、気になったトピックをいくつか。

・スーパーコンピュータの件
科学分野が一斉に反発してますが、申し訳ないけど「なんだかなあ」という気がします。
議論は2つある筈なのに、混同している気がして成りません。
一つは「スパコンを使って分析する」という事。この件については仕分け人の方が正しくて、「別に世界一でなくても、必要な研究は可能である」という事になります。必要なスペックを割り出せば、世界一である必要は何処にもないと思われる為です。その代わり多少速度が劣っても、台数を増やすことが出来れば「順番待ち」を解消することになると思うのですが、こいういう議論は一切聞こえてきません。
もう一つは「スパコンを作る」という事。電算システム開発のための技術力を磨くためには、目標として「世界一であるべき」という姿勢は正しいのです。ただし、現在開発を進めているスパコンが、世界最速になる事は考えられない上に、仕様上に大きな問題を抱えていることが判っている(具体的な事はスパコン漫遊記さんで確認できます)為、現在の予算停止そのものは正しいと思うのです。
つまり「真剣に世界一を目指す為の努力をしているのか、己の技術をごり押ししようとして金を無駄に浪費するのか」を理解していない技術屋が、予備費を含めて大量に金をキープしてないと不安、という予算に対して「そりゃあ駄目でしょう」と言われただけの話です。

・大学予算の削減
もうこれは、「自分たちで飯の種みつけなんよ」と言われた訳で、形態として士はアメリカのように大学スポーツの利益をすべて運営費に回す仕組みを作り、かつそうなる為に大学スポーツのビジネス化と中継の多角化を図るようにするとか、特許で食っていくか、という話にすげ替えられてしまった訳です。
それだったら、大学運営寄付に対する非課税措置も検討して欲しいモノです。お金を貯める事を目標にしてしまった人たちからお金を搾り取る(最終的に現物市場に資金を投下させる)手段としては最適だと思いますよ。

・その他
やはり仕分け人の数が少ない。3グループではなく12グループで、その変わり復活仕分けを実施する形で実施すれば、もっと深い議論が出来たのではないかと(別の視点からも精査できるので)。
そういう意味では蓮舫議員のようなカッコツケ、頭から決めつけ系の人がたたみかけるように言い放つ今回の仕分けには、やや疑問が残ると思いますね。