この試合、地力に劣ると判断した飲料は、あるいみ特攻に出たようなものであり、そして終盤ギリギリまで持ちこたえた事は賞賛に値すると思うのであるが、げに恐ろしきシーガルズ。
試合は飲料キックで開始となる。
っと、いきなりオンサイドキック成功ですかあああっ!?
唖然呆然いきなりの事でビックリしていると、飲料先発#16安斎が左ロールアウトから、一気に縦パスって、おおい#7森に抜かれてるぞシーガルズ、いきなりの先制タッチダウンだあああっ!?
いやもうびっりく仰天あっという間の先制パンチ。ってか、ねえ。想像だにしてなかった強烈な一撃。
返しのドライブ、なんとオービックはあっさりパントに追い込まれる。ってか、ブリッツ入るしカバーきつきつだし、もしかしたら今期最大のピンチかっ。
返しのドライブはパントに終わった飲料。
この時点で両チームダウン更新無し。
初めてダウンを更新したのはシーガルズで、しかもスクランブル。しかしここからランパス共に出るようになり、特に11:07の萩山へのパスで一気に敵陣14Yardまで進む。しかしここからパス2回失敗などで、攻めきれずFG。但し失敗。
次の飲料のドライブで、3回でパントに追い込んでおきながらシーガルズ痛恨のラフィング・ザ・キッカー。(2Q最初のプレー)これで自陣39Yard。
ランを一度挟み右スクランブルから安斎が森にロングパス成功。一気に敵陣32Yard。しかしここからラン3回で25Yardに進むのが限界で、FG。
シーガルズはラン1回パス2回(共に失敗)でパント、自陣深くから始めた飲料攻撃は5回連続ラン、最後のパスでサック(結果自陣10Yard)でパント。
しかしこの日の飲料のパントは、リターンさせないことに重きを置きすぎて、全く飛ばないですぐ外に出る。今回は自陣45Yard。
ここで流れを変えるためにシーガルズは#13木下兄を投入。ストレートTからのラン(あれ、2HBのスプレッドだっけ?)でダウン更新を計る。途中菅原にスイッチし、パスを決めてダウン更新。時間を使わされつつも焦らず丁寧に攻撃するものの、最後に萩山へのパス失敗で、敵陣深く入りながらFGとまり2回目。
返しの飲料は3回でパント、またしても飲料陣42Yardと不調。だかここは34Yardまで進まれるがスパイクが1回入る(タイムアウト残っているに何故、という疑問はあるが)上でラン1回パス2回失敗とギャンブル失敗。
その返しは飲料が時間を流して前半終了。
いやさ、真面目な話勝てる気しなかったよ飲料守備に。飲料攻撃はある意味ラッキーパンチ的な所はあったけど、しっかり時間も消耗して距離もそれなれに出ていた訳で、これはもう、前節に見たチームとは全く違う仕上がりでしたよ。恐るべし飲料。
3Q開始の飲料ドライブはあっさりパント。でもシーガルズ陣43Yardはないでしょう。
まずシーガルズは菅原がキープ狙いもロス、しかしすぐさまショートパスを通して45Yard、続いて#18木下へのクイックパス。木下ターンして相手を外して敵陣40Yard。
パスパス失敗を挟み、またしても木下へクイックスクリーン。さらに#20古谷へのフラットパスでテンポ良く20Yard。
これはラッシュが来る前に早いタイミングで投げる事でリズムを作る、という典型的なスピードラッシュ対策。
だがランを挟んで木下へのパスが掻き出され、#87岡田へのパスが通るもFG。
飲料は満を持して#23椙田を投入。ランプレーを入れて次のブーツレックで、なんと守備が素早く入りサック。その後パスで自陣46Yardまで進みダウン更新。
さらにラン2回で出てはヘコみ、カバーされてスクランブルで元の位置。
さあパント、と思って気を抜いたら(気を抜いたのはくぼたさんである)なんとここでパントフェイクでダイレクトスナップを受けた#41中東が意表を突いて敵陣31Yard!
この後ラン主体で攻めるも時間を消費してFGで終わる。
またしても、勝てなさそうな気配がプンプンと。せっかくリズム良く攻めたのに、奇策で突き放されたのではねえ。
でも、まだどっちも1回しか後半ドライブしてないんだし、残り1Qあるさ。
と言うところで自陣31Yardからのドライブ、ここまで落球していた#26阿南へーのポストパターンが決まり、一気に敵陣14Yard。#21中西のランと#10森へのパス(4Q最初のプレー)そしてレシーバーで大きく守備を広げてから中央ドローでついにシーガルズこの試合初のTD!
しかしまた波乱が。
飲料のドライブはあっさりパント。しかもまたしても距離が出ずシーガルズ陣46Yard。
勝負に出た飲料、ラッシュをかけて菅原をスクランブルさせ、オープンになりかかっていた#17平野にパスを投げさせるとそれをDBがインターセプト!これで飲料陣43Yardからの攻撃。
この攻撃を残り1Yardで止めたシーガルズだかギャンブルでシーガルズ陣43Yardまで持ち込まれる。
しかし次のプレーでサックをかまし、50Yardまで下げる。但し次にオフサイドで前進を許す。パス1回失敗するもスクランブルから安斎が投げたパスで35Yard。ギャンブルでもFGでも、シーガルズにダメージ与える事確実。
しかし、あろうことかフォルススタートでパントに。
初めて敵陣深くからの攻撃を強いることに成功したが、菅原のスクランブルのロスはともかく、次の阿南へのパスで43Yard、ダウン更新。
次のプレーでホールディングで下がる(ロングパスで、DBがINTしそこねる)が、すぐさま#18木下、#20古谷へ連続パスで50Yardまで進む。しかし次のパスで痛恨のイリーガルブロック、次のプレーはパス失敗でパント。
飲料はスクランというかQBドローというか、安斎が走り中西のラン、そして#1桃沢へのパスでダウン更新して38Yardまで進むもイリーガルスナップで罰退。
だがここから時間を使い、残り1分でシーガルズにタイムアウトを使わせ、パント。しかしこれがどうして飲料陣48Yard。
まずインサイドに位置した#83清水へのパスで32Yard。またしても清水にパスで25Yard、残り38秒。ここまで木下を囮にして清水を使うパターン。
そして古谷のラン。この時ブロックに巻き込まれた木下が負傷退場、時計を止めるためにタイムアウト、残り29秒。
ブルブルッと来た。来る、これは。早いタイミングのプレーが出る事、飲料守備の疲弊(そして恐らく「タイブレイク狙い」というチームの態度)、そして何より勝負強さ。
結果、清水がDBを外してアウトのパターンでTDゲット。
すげえ、すげえよ。
で、最後に同点狙いの取ってくれパスをシーガルズがインターセプトして残り時間0。
飲料が立てた戦略が、本当に見事にツボにはまってシーガルズを追い込んでいたのは事実。
時計の使い方も見事だった。おそらく、勝つにはこれしかなかったという戦術と戦略。
壮絶な試合巧者ぶりに、前半はシーガルズ攻撃はなすすべがなかった、と言っても良いと思う。
それを後半見事にアジャストして、得点を重ねたシーガルズのフットボールIQの高さは素晴らしいと思う。
飲料が惜しむべきは、最終版の試合運び。インターセプト後の攻撃ドライブの時点で、明らかに「タイブレイク狙い」という臭いがプンプンだった。それは結局守備の隙間を空けてしまった事に繋がっているだけに残念。
また、どうしてもパスが不安定で(さすがに5/14は頂けないからねえ)、そこが届かなかった原因かも知れない。
でもね。本当に、フットボールって、いいよね。知略を尽くしてギリギリの勝負で。もし、幾つかのボタンが掛け違っていたら、飲料勝っていたかも知れないんだよ。その気迫、意気込み、そしてその挑戦をはねのけたシーガルズのタフさ、どれも素晴らしいじゃないですか。
本当に醍醐味だよね、こういう試合って。