スーパーボウル46雑感

 

結局、どんな中継でもアナウンサーのセンスは絶大である、という事ですな。
今回NHKは松野アナ。シーズン終盤に復帰してからかなりいい感じでやっていた中で、野地さんが五輪代表戦に行ったこともあっての登板だと思いますが、まだまだ船岡・杉原・星野の若手には負けない絶妙な振りと情報で、間をしっかり持たせせていたから、けっこう冗長化しかかった試合が引き締まって見えた。

そのかわり映像素材がNFLネットワークで、そのくせ重要シーンのリプレーがNBCだったりと、どうもよく判らん素材になっていたような(もしかしたら現地の切替が悪かったのかな?)

試合そのものは、グロンコウスキーの怪我が響いたということなのだろう、ペイトリオッツが実力を余すことなく発揮出来た訳ではない、と言い切ることも可能だろうけれど、逆に「じゃあペイトリオッツって、その程度?」という気がする。
あれだけ豊かな才能が集まっていて戦術的にも問題なくて、たった一人の選手が万全でない為に行き詰まっちゃう、というのはちとヘンだなと。
※というのは、確かにウエルカーをカバーされた時の手詰まり感を解消するのにグロンコウスキーはいい選手なのだが、逆にエデルマンとかブランチの使い方が下手になってないか?という気がするのである。

まあ、それはそれとてして、4メンでプレッシャーかかかってりゃ、ダイムパッケージ組めばカバーきついよね、という事にはなるし、スピードラッシュで相手を混乱させることに成功した(逆にブルラッシュDT中心だったらここまで苦しまなかったんじゃない? DTにピエールポールやタック入れて、ユメンヨラとかを外から押し込むとなったら、そりゃ空くまで持たないよね)と思うから、そのへんジャイアンツ守備はもっともっと賞賛されていいと思う。

そういう意味で言うと、エリちんことイーライ・マニング(4年前も書いたけどELIというスペルから、どーしても「えり」って読んでしまうのです)はエリートQBだとは思わなくて、やっぱりクラッチプレーヤーという気がするんですわ。エリートというには「QB単独で状況を打破出来る」タイプではなくて、どっちかというと「組まれたプレーの中で、突如ギアが上がる」タイプだと思うから。
その印象はこの試合でもあんま変わらない。
でも、リーグ10傑の一人だと思うし、さらにその中でも上の方だと思う。

最後のブラッドショーのTDは、そもそもプレーとしてはインサイドで当たられてねばって1ヤード、というプレー。もしTD狙いならジェィコブズ入れて「ダメでも良いから力押し」にしていた筈。
ところがペイトリオッツは「外を廻ったりパスだったら、押し戻したりファンブル誘ったり出来るけど、インサイドカットされたらTDさせて時間残した方がいい」という選択肢だった。それか証拠に、インサイドはDLの後ろががら空き。
あれではスピードに載ってしまったブラッドショーは困る。困った上で1ヤードの所で止まってしゃがみこもうとした、という風に見える。ただし、バランス崩して得点しちゃった、という感じかな。
だから「ボーンヘッド」というには可哀想だと思う。

ただねえ。オーナーのクラフトさんにはロンバルディ・トロフィーを抱かせてあげたかったな、今年は。それだけの価値のある仕事(労使交渉のまとめ)をしたし、奥様を亡くされた事もあったし。
そういう意味ではまたKYジャイアンツしちゃったのかな、とも思うけど。
でも、お互いのむ死力を尽くした末の落球でありコントロールミスであり、そこは割り切ってくれると思うんだ。

いい試合だったと思います。