試合前1時間前には到着しようとして、6時10分に到着してたのですが、シャーペン忘れたので後楽園駅側に急遽買い出ししに行きました。が、あっちってフツーのコンビニがなくて、結局後楽園駅の上の丸善まで探しに行きました(かえって、そこだと愛用の0.9ミリのシャーペンが売っていたりしたのですが)。
その上で入場口がよく判らず(20ゲートの所で整理していた人が余計なことを言ったので、シーズンパスは招待券と一緒で22ゲートからでないと入れないのか、と勘違いした)わざわざ22ゲートまで行ったので、いつもの内外野奥は座れなくなってました。座れたのが17番通路とはねえ。これならバルコニー席買った方が良かったかも知れないが、バルコニー席売っていたかどうか判らないしね(それだけチケット売り場も混雑していた。決して、22ゲート前のウエルカムダンスの人だかりだけではなかった!)
最終的には2万3千超という近年まれにみる集客でしたが、だったらファイナルステージとかセカンドステージとか、もっと客来ていいんじゃないの?と思います。
あ、ハーフタイム目当て、ということはなかったと思いますよ。
どこから話し始めたら良いのやら。
試合前の心境としては、がルズが勝つとは思っていながら、鹿島に勝って欲しかったのね。
というの、貴重なメジャー中継局全国放送(まあ、今年からBSになるのでそういうことも無くなるのだが)であるライスに、特定のチームしか出てこないというのは、普及の面から見ても問題だからね。
※ラグビーで、早明戦のようなブランド化されていれば別だけど、社会人は全日本で14年間に2チームしか出てこなかったのは普及という面では致命的後進だったと思うのですわ。確かに新日鉄釜石と神戸製鋼はそれぞれ7連覇ブランド化したけど、その後の弱体化により今やブランドも完全に衰退しちゃったからね。出来れば3~4年以内に入れ替わりしつつ、3~4チームのブランド化が推進できれば一番いいのですがね。
そういう意味で、がルズしかない状態に取られないように、他チームがここらで頂点に立つのが一番いいタイミングではある訳で。
で、最初のリターンドライブを見たときに、こんな接戦になるとは思いもしなかった展開だったわけで。
そりゃ、確かにサックギリギリだった最初のパス、INTぎりぎりだった2回目のパス、などはあるけれど、それでも鹿島守備が止められないままズブズブ進むのだから、そりゃ「ノーガードの打ち合いしか道はないけど」という気持ちになりますがな。
返しのドライブでラン2回の後、山城が前田へのロングパスを投じて失敗に終わったときには「今までと気配が違うが、これって逆にヤバくない? いままでの練り込みの裏行きすぎじゃないの?」と思って恐怖を感じたのも事実てすわ。つまり、攻めきれず、守り切れずズブズブ……という予感。
次のドライブ(パントはランニング・イントゥ・ザ・キッカーがありエンド地点より5ヤード下がり15Yardから)から始まるが、鹿島守備もじわり、とキキメを見せる。
最初こそ#20古谷#21中西に走られる31Yardまで進むが、次の#32原をロスで押さえ、次の#10森へのパスもDBがINTしそこねるくらいきわどい展開で、次のパスを#18木下に通されるが、その後をダウン更新させずにパント。
この鹿島の自陣10ヤードからのドライブ。
くぼたさんは、感動と、興奮で、震えたね。
何がって、山城に。
彼は学生時代最終学年の春、大怪我をして、秋には戻ってきたけど、さらに怪我してシーズン棒に振った。そんな彼が、鹿島に入ってからもあまりいいイメージでプレーさせて貰えず(ちょっとミスすると下げられたり)、怪我の影響でこのままプレーセンスが良いのに燻り続けてしまうのかな、と気になってはいたのだ。
このドライブの最初、カバーがきつくてのスクランブルの判断でいきなりダウン更新。
この瞬間、「ぞくっっ」と来たよ。今までに無い切れ味だったもの。今まで無理せず封印していたのかもしれないけれど、あの判断の速さ。日大伝統のQBスクランブルそのもの。
そして次のプレー、左からモーションした#11前田へのスクリーン。ラッシュしてきた#11ケヴィン・ジャクソン(KJ)が気がついてジャンプしてディフレクトを狙うと、ここで山城、投げようと後ろに下げた肘をビクリと動かしパンブフェイク。しかしまたKJが姿勢をかえ防ぐとみるや、さらにパンプフェイク。そして姿勢が崩れきったKJの横を矢のようなパスを通す。
今季、このKJのジャンプでどれだけのパスがディフレクトされたことか。しかし、あの2回のパンプフエィクを見た時、くぼたさんの全身に鳥肌が立った。これだよ。これこそ山城の持っていたセンスが、フットボールの感覚が、爆発した瞬間だったんだと。そう感じたんだ。
感じたんだから仕方ない。この感覚、多分近くにいた誰にも理解されなかっただろうなあ。
これは、接戦になる。そういう宿命の扉が開いた。そう思ったね。
尤もこのドライブはパント。しかもリターンを避けたかったのか#14青木のパントは距離が出ず、オービックは自陣からの攻撃。
だがこのドライブ、中西のドローでダウン更新した後、木下へのパスが、プレッシャーがかかったこともあり高く浮いてしまい、その後にいたDBがINT!
苦境をチャンスにかえた鹿島が自陣38Yardからの攻撃になる。
最初2回のパスは失敗するも、#29丸田のカウンタードローで50Yardまで進むと、#18永川がワイルドキャットからのラン、丸田のカウンターで41Yardまで進むが、ここでQBキープを防がれてしまい、パント。
で、このシーガルズのドライブが大問題なのである。
自陣4Yardからの攻撃を、古谷、原、中西の戦で33Yardまで持ち込むと、木下へのバブルスクリーンに#7池井へのパスと、一気に自陣49Yard。次のプレーで敵陣47yardまで進むが、ここでパワー体型から、どえ考えてもRBのパワー系プレーだと思ったのに、それをわざとTEへのフェイクパスにしたのである。
たしかに決まればビックゲインだが、これを落球したことで、試合の流れが派手に鹿島側に傾いたのである。
自陣10Yardからの攻撃、最初の丸田のラン、次いで自らのスクランブルで13Yardまで来ると、ここから#81宮本へのパスで34Yardまで進む。
ここから早いタイミングのパスが小気味よく、途中#38佐藤のラン1回を挟みむ8回連続、だからこのドライブは9/9の驚異的な成功で、一気に敵陣4Yard。ここで4thダウン1Yardとなり、タイムアウトを入れた鹿島は絶対的エース丸田のパワーランでダウン更新を狙い、そのままねじ込んでTDを取る。
意気上がる鹿島は次の守備、攻める。
自陣21Yardからのシーガルズは、まず古谷のランで3Yard。次は木下に縦のシームを狙ったパスを投げるが、ここで木下の前にいたレシーバーをカバーしていたDBがマーカーを捨てて木下の前に入り込み、インターセプトしそこねる。
次は逆に木下が手前に入るコースでダウン更新32Yardとなるが、次のプレーでバックサイドからの強烈なラッシュを受けスクランブル(1Yard進んだのでサックとはしませんが、本来はサックだよね)。
そして次のプレー、FLにセットした池井へのショートアウト、ちょっと浮いたのをジャンピングキャッチした池井へDBがタックルし、ストリッピングした為にボールが宙に浮き、元々マークしていた別のDBがストライクキャッチでインターセプト!
敵陣23Yardからの攻撃となった鹿島はパス2回失敗した後でドローし、FGでついにリード。
その後の返しのシーガルズも不安定で、敵陣47Yardまでリターンしたにもかかわらず、#85萩山へのパスはほとんどインターセプト(ドロップ)だし、前半最後に至っては#6菅原がスクランブルした所でタックル受けてファンブルロストである。
--こういう試合なので、ぶっちゃけハーフタイムに中川翔子がいようがいまいがどーもくんがいようがいまいが全く関係なくなってしまったのであります。そもそも谷村奈南は持ち歌長めの2曲だったのに、しょこたんは自己最高セールスの『空色デイズ』と、他人の唄である『残酷な天使のテーゼ』。いや『空色デイズ』は名曲ですよ。『天元突破グレンラガン』もここ数年のロボットアニメでは最高傑作の一つですよ。でも、なんか……まあいいや--
さて後半は鹿島のリターン。ここでシーガルズがどう仕込みをしてきたかに興味が。もし前半があのままもう3分続いていたらどうなつていたか、という気もしたので。
で、自陣34Yardからの攻撃で、丸田のラン、宮本へのパスです、ダウン更新、また丸田のランに今度は#20岩倉へのパスがFB位置からカウンターでパスルーに出て、かつタックルミスもあり敵陣37Yard。
ここで前田へのバブルスクリーンを狙うが、なんとここでラッシュフェイクから横に開いて待ち構えていた#23バイロン・ビーディー・Jr(BJ)がインターセプト!予想の斜め上を行く展開で唖然呆然。
いや、あれがコールならベンチ大当たりだし、BJの判断だったらもうBJサイコー! あれを見切ってプレー出来る筈、ないもの。
一気に自陣43Yardからの攻撃となったシーガルズは#17平野、#7池井へのバブルスクリーン2発でダウン更新する。次いで清水へのスラント、古谷のランで敵陣31Yard。この後カバレッジサックを喰らうが、木下へのショートパスで挽回、そして原が左サイドのランで、DLが押し込んだところをバウンズアウト。外側のLBはプロテクションに巻き込まれ、そのままタックルを吹っ飛ばしつつ9Yardまで前進。次の清水へのパスは失敗するも、森へのパスを決めて再逆転。
次のドライブ、自陣29Yardからの攻撃で、最初カバーされたいた為山城がポケットから出たことでDBが前に意識が寄ったところで永川へのパスが決まり、自陣46Yard。次いでワイルドキャットから前田のランで敵陣45Yard。
ここで右サイドの宮本へ、相手のアタマの上を越えるパスを通す。この時バックサイドラッシュを仕掛けたBJをRBがうまくピックアップして、プレーに余裕を作っていた。この余裕で高さのミスマッチを突いたパスが通り、そのまま一気に駆け抜けて再逆転。
……ただ、結果的にここがちょっと。いや、TDプレーはすばらしかった。ただ、時間使えなかった。それは守備への負担を軽減させることが出来なかったという意味でもある。痛し痒しである。
返しのドライブ、自陣32Yardからのシーガルズ、。4プレー連続ランで敵陣35Yardまで進むと、ここから6プレー連続パス選択(うち1回はスクランブル)。このフリと仕込みと展開力と、とにかく脱帽。鹿島守備が止められないというか、ランクの違いを見せつけた。
だが、ここで毎年のジンクス「1試合に1回、かならず金親はキック失敗する」が発動(っつっちゃあ失礼なんだけど)。カTFPで真ん中から2人入り込み、キックブロック!(スクリメージを超えていないので、ファンブル扱い) このボールを鹿島が拾い上げようとして前にこぼし、さらにそれを鹿島の選手がリカバーしてリターン。
えっと、現行ルールでは、TFPキックのブロックリターンは1点、でしたよね? 2ポイントのリターンが2点でしたよね?
だから、この場合鹿島がエンドゾーンに持ち込めば1点入る筈。
最終的にはシーガルズの選手が追いついて事なきを得る。
とにかくめまぐるしく流れがかわる中で、ジェットコースターに乗ったような3Qが終了。
3Qのこり37秒から鹿島の攻撃。自陣21ヤードから、#2中川へのクイックヒッチで27Yardまで進むと、ここで#38佐藤のドローが炸裂、一気に自陣47Yardまで進むと、今度は前田へのバブルスクリーンとミドルパスの連発で24Yard。
だかここからシーガルズ守備が牙をむく。丸田のランを止め、永川へのヒッチスクリーンはショートゲイン、そして3rf8yardの局面でえげつないまでの右サイドオーバーロードブリッツで為す術無くサック。
こけで青木が47YardFGとなるが、右にそれて失敗、同点のチャンスを逃す。
本当にここは、クイックのパスすら投げる余裕すらない、マジえげつない(褒め言葉です、この場合は!)強烈なプレッシャーで、まさに轟沈である。スクリーンでかわすとか、そういうレベルじゃない。きっと彼らの右奥歯にはスイッチがあって、「加速装置っ」て叫んでいたに違いないっつうくらい(それじゃ島村ジョーサイボーグ009やん)。
だからって鹿島守備も巻けてない。最初2ブレーこそダウン更新を許すが、次の清水へのスクリーンはカバーがよくゲインなし。次はプレッシャーかかってサック。さらに次は木下ーのパスが、セーフティがカバーに入りあやうくINTという状態でパントへ追い込む。
自陣12Yarからの鹿島の攻撃、まず佐藤のラン。、次いで永川へのパスで自陣25Yard。ついで宮本へのパスで38Yard。しかし次のプレー。丸田のランで密集に突っ込んだときに、なんとファンブルロスト!鹿島陣38Yardでシーガルズ攻撃権。
ぶっちゃけ、ここでまず勝負あったと思ったのね。
事実。このあと3回パスプレー選択(1回は相手にINTされそうなパス失敗、1回は成功、1回はスクランブル)の後4回連続のランプレー。結果的に時間も使ったし。
しかも次のドライブで自陣44Yardという絶好のポジションからの攻撃でフォルススタートで下がってしまい、しかも最初のパス失敗(DBにからまれパスコースに出るのが遅れた)、次のパス成功でなんとか進めたものの、次のプレーで中央からのラッシュを浴びてパスが変な風に手から離れ、それを空中で#2古庄がINT。なんとシーガルズは敵陣45Yardからの攻撃。
本当は、ここで完璧に試合決まったと思ったのよ。
とにかくランで時間を潰したいシーガルズ、4プレー連続で走らせるが、鹿島も押し下げるばかりか惜しげも無くタイムアウト3連続取得で時計を止めまくる。
結果最初に31Yardまで進めたのに34Yardまで下がりパント。自陣16Yardからの攻撃の鹿島。こりゃきついよ無理だよ10点差だよ、と思ったが、選手もベンチもそんなこと思ってない。
最初に丸田がディレーでアウトに出る。21Yardまで前進。ついで前田へのリード一発、一気に敵陣28yarへ。次いで中川へのバスで24Yard。とどめでまたしても、またしても前田への執念のTDパスが決まり、TFPも決めて、3点差。
残り1分56秒もしオンサイトが成功したら、成功したら!
しかも、TFPの時にシーガルズが「ロングスナッパーへのコンタクト」を犯してキックオフでの適用である。
嘘でしょ? 来るの? それ、来ちゃうの!?
期待と不安と焦燥と希望がいりまじるキックオフ。
ボールは、密集地に転がり、多分、多分同時キャッチ。
同時キャッチの時は、攻撃(リターン)のボール。
かくして、シーガルズリカバーで、残り時間を止めるすべない鹿島は、ここで終戦である。
でね。
まず鹿島の敗因としてあげるべきは、相手の要所のランを止められなかった、というよりそういうデザインを許してしまった部分。
実はシーガルズ、特にオフタックルのブレーは最初のレーンでは止まっているのである。が、そこでバウンズアウト(ラインに突っ込んでから外に開く走り方)を都度許してしまっている。つまり、外を廻られたときのサポートが弱かったのね。
そりゃパワーサイド(ここではレシーバー3人サイドのこと。反対をショートハンドサイドとする)の為にLBとセーフティが下がるので仕方ないにしろ、結構な局面でダウンフィールドブロック喰らってたから、そこのギャップに突っ込まれるとどうしようもなかったのね。
特に、MVPの原は、バウンズアウトしたからの身体の強さが見事。ブルドーザーのように相手をはじき飛ばしてしまう。過去の法政テールバックにないタイプの走り(かつては、大塚しかり池場しかり丸田しかり、スピードが仇となり怪我がちだったから特に)をかまして、キープレーで、それこそシーガルズに今までないような破壊的な走りでチームの推進力を与え続けたのである。
故に、MVPであっても不思議ではない。でも、個人的には古庄やBJにもっとスポットあてたかったけどね。
で、山城。俺ぁ、翌日の朝日新聞のスポーツ欄が許せなかった。「後半は精彩を欠き」って、なんだよ。確かに2INTされましたよ。サックくらいましたよ。でも、言うに事欠いて「精彩を欠き」ったあなんだよ。てめ、締め切りに間に合わせるために途中でかえって記録だけ見て書いただろコラッ。
どこが精細欠いてる? ギリギリの局面で2回も得点ドライブ演出し、1回はFG失敗だったとはいえ敵陣抉り込んだんだぜ。それを、言うに事欠いて「精彩を欠き」ったあなんだこらっ。ナメてんじゃねえぞ。
と、言いたくなるくらい、燦然とこの試合を彩ったのは、間違いなく山城だったのである。
そして、その輝きを、必死で食い止めたシーガルズ守備が凄かったのである。
正直、ミスと呼べるミスは、青木のFG失敗と、丸田のファンブルだけ。あとはシーガルズ側の戦術の勝利(厳しく言えば、それをさせてまったことがミス、とも言えるが、そこまで言うのは酷である。だからベンチのミスとしてはFG直前のブリッツ対策と、古庄のINTの時のラッシュ対策くらいだ)なのである。
山城が羞じることは何もない、この試合では、確実に加藤を超え、鹿島のエースとして君臨していた。
それは、会場にいた誰もが思っていることだと思う。
来年、加藤と山城で切磋琢磨して、もっと高い完成度の攻撃を見せてくれることを、信じてやまない。
と、いいたくなるくらい、山城が爆発した試合でした。はっきり言って菅原かすんだもん。