まあ、「やぱりそうか」だった訳ですけど。
噂の中で、数年前から鹿島建設本体が某住宅建築会社に買収されるのではないかという話が出ていたので、そういう噂が流れる所まで来ちゃったか、という感じだったので、そう遠くないうちにこうなる事は判っていた訳で。
チームとしての今後が不明瞭という事だけど、まあ、選手の皆さんが進みたい道にうまく進めれば良いですね。
※勤務シフト等の問題もあるので、多分日産のように「退社してフットボール」か「社業に専念」か二択になるだろうし、ベテランやコーチは同期に差がつけられている場合もあるだろうし、むずかしいけどね。
まあ、リストラ経験した人間として言わせてもらえば、社内スポーツで億単位の経費をかけるなら、グラウンドを売って少しでも「リストラされる人を減らして欲しい」と思うし、強豪と言われながら日本一2回しか取れない上に特定地域の娯楽に特化されているんじゃたまらない、というのもあるから、しかたないっちゃあ仕方ない。
もっとも、個人的には鹿島よりもシルバーの方に危険感を持っていたので、そういう意味では意外っちゃあ意外。
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で、早速出てくるいやーんな意見に苦言を。
・身の丈に合った運営を目指せ
……誰の身の丈にあわせるの?ドーム開催を批判しているつもりなら、逆に「たとえ決勝戦だろうがライスボウルだろうが、多摩川の土手でやる」のが本当の身の丈だと思うよ、俺は。つまり「選手が部費三万円/月+自分の分は持ち出しで対処できる範囲」が身の丈だと思うのよ。
それで満足できるならね。
まずしないでしょ。
贅沢覚えちゃったんだもの。
川崎だって身の丈に合ってないよ、今のリーグ参加チームの殆どは。その殆どがチーム運営に努力しないからいつまでたってもマイナーなのよ。
・鹿島全社員が年二万くらい出せば支えられるでしょ
……さて問題だ。鹿島社員のうち、アメフト部にお金を出せるほど思い入れのある人がどれだけいるかな? 過去地方遠征もしているが、九州だの北海道だの、シーズン中に毎試合見ることが出来るか? 北関東や伊豆諸島から平日ドームに駆けつけられるか? という事を勘案すれば、少なくとも全社員の3割以下(首都圏を意味する)しかお金は出さないだろう。でその中でアメフト部と自分のお小遣いを天秤にかけて、ある一月にン万円をポンと出す勇気のある人が何人いる? しかも自分の奥さん子供の費用がかさむ時に。
そうやって考えると、年五千円のFC会費ですら、払える人は千人規模だという事ですよ。
妙な企業ナショナリズム振りかざさない方がいいですわ。
・これからは地域密着クラブチームだ
一応断っておきますが、J以降地域密着クラブという妙な幻想が広まってしまっていますが、運営する側の期待するほど地域住民はスポーツにお金を落とさないし、地域行政もどうしていいか判ってないし、地域政治はいまだ列島改造計画時代の構図をひきずったまま(異論はあると思いますが、それでも政治敵思想的ではなく利権的血縁的に選挙結果が動いていますから、思想がさして変わったわけではない)。
個人的にはJとbjが手を組んでクラブ施設の運営をして(チームとしては別会計でも、スクールとかイベントとかトレーニング施設の共有とか)、そこの隙間にラグビーかアメフトが入り込めればいいという感じが正しくて、アメフト単体で地域密着なんて原則無理。
シーガルズもライズも、背水の陣とかなりの強運があっての現在、一〇年後にどうなっているかなんて判らない。
だからここの両チームは運営が必死なのである。
そこを勘違いして取り組むのは、自殺行為だろう。
なお鹿島の現在の本拠地が調布である事は、東京ガスの活動地域と微妙に重なる上、府中にラグビー強豪二チームがいることで、かえってスポンサーがつきにくくなると思われるので、苦労するだろうなあと思う。
少なくとも、今後「クラブチームの運営と市場価値の創造」という観点で、さまざまな激論をかわす事になる可能性は高いけれど、耳障りのいい言葉で格好良く言う、ということだけはしたくないなあ。