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1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
Total |
富士通フロンティアーズ |
FF |
7 |
7 |
17 |
10 |
41 |
IBM Big Blue |
IB |
3 |
3 |
7 |
0 |
13 |
Q |
TEAM |
TIME |
PLAY |
TFP |
1 |
FF |
3:03 |
#3キャメロン→#81中村 35Yard Pass |
#11西村Kick |
1 |
IB |
11:11 |
#8小田倉27YardFG |
|
2 |
FF |
2:41 |
#11西村 45YardFG× |
|
2 |
IB |
10:45 |
#8小田倉 24Yard FG |
|
2 |
FF |
11:50 |
#3キャメロン→#81中村37Yard Pass |
#11西村Kick |
3 |
FF |
2:27 |
#3キャメロン1Yard Run |
#11西村Kick |
3 |
FF |
4:34 |
#13 平井34Yard Fum.Rec |
#11西村Kick |
3 |
FF |
7:48 |
#11西村40Yard FG |
|
3 |
IB |
10:21 |
#3クラフト→#40スタント2Yard Pass |
#8小田倉Kick |
4 |
FF |
1:58 |
#3キャメロン→#25成田9Yard Pass |
#11西村Kick |
4 |
FF |
6:07 |
#11西村40yard FG |
|
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楽しみにしていた試合が、かくもこうアンバランスな結果に終わると、どっと脱力するよね?
特に前節に期待させておいて、この結果はちょっと。
前半レシーブを選択した富士通。しかしここで、IBM守備に幾つかの誤算があった。この試合も#34ブルックス#5トゥファーガの強烈なエッジラッシャーを用意してたのだが……
1.QBがショットガンからまっすぐ下がり、広い視野でクイックのパスを投げる。
2.ダブルチームでピックアップしたDEの内側に縦ギャップが生まれ、そこを突かれた。
ぶっちゃけDLを完封する必要がなく、大外を回せばいいという思想だったのではないだろうか。時間を稼げばなんとかなる、という。
その「なんとか」に関して言うと、エースレーシーバー#81中村とか#22宜本が縦に吊り、他のレシーバー(この日は#1強と#17秋山が軸)がその作られたスペースで動き回る、というパターンだ。それこそ敢えてブリッツを含めてラッシュが届く寸前に、手首だけで投げるという高等技術を出されたのでは(先制のTDがそれだ)やられた感倍増だ。
ひるがえってIBMは攻撃ラインが不安定で、最初にランでロス、続いてオフェンスインターフェアと精彩を欠く。あげくには自陣でパスインターセプトされてしまうなどリズムが非常に悪い。(が、この時点でケビン・クラフトは冷静に相手を分析してプレーを選択していたと思う)
この敵陣10Yardからのチャンス(INT後に腰から下へのブロックがあった)については、守備がよくしのいでギャンブル失敗、自陣1ヤードで止める。
この局面、#21高木のランで一気に前進すると、#40スタントへのパスとランプレーを降りまぜレッドゾーンに入る。が、攻めきれずFGと、先週のライズの立場になってしまった。
返しのドライブ、富士通は1Q温存していた#20高野橋を中心にランで攻める。このへんからDEのラッシュが次第次第に届かなくなり始める。しかし切り返してタックルに行くのは早いぞブルックス時々ビックリする位置で仕留めているのにはビックリだ(ただしKJのデビュー当時に比べるとインパクト薄いが)
が、前節活躍した筈のIBM守備のフロントが、高野橋3連続キャリーでずたずたに(2回で30Yard、しかし3回目は-2ヤード、だがこれが伏線になってしまう)。秋山にパスを通されるし強にパス通されそうになるし(いやここはDBよくからんだよ!だから結果が生まれたんだよ!)薄氷を踏むような状態でありながら、西村のFG失敗で自陣28Yardからの攻撃。
しかししかし、2プレー目、小川に向かって投げたパスが少し緩く、タイミングを計ったDBがINTしてしまう(誘ったようには見えなかったが、絶妙であった)。このIBM陣30Yardからの攻撃は、21Yardでのギャンブル失敗で何とか乗り越えたが、多難過ぎる状況。
ここからIBMは小川へのパス、高木のラン、クラフト自身のラン3回などリズムよく展開する。たまらず富士通がタイムアウトを入れるほどだ。だが、攻めきれない。FGで1点差。
しかしまた、ここから富士通が凄かった。プーチキック(ちなみに、この試合のIBMのキックオフはすべてプーチキックだった。これをスタンドで小馬鹿にしていた人がいたが、宜本や神山のリターンを知らないからそう言うのだ)で自陣30Yardからとなったドライブ、最初にホールディングで下がるも強へのパスで取り戻し、キャメロンのスクランブルでダウン更新。続けざまに中村へのパスで敵陣31Yard。たまらずIBMタイムアウト。だがゴードンへのパス失敗の後む中村へのロングパスが決まって残り10秒でTD、突き放す。
後半開始はIBMのリターンだが、リバースが出なかった事からリズムに乗れずパント。このパントを#6神山がナイスリターンして一気に敵陣18Yard。ここでパス2回通すも2回目が無資格レシーバーダウンフィールド。だがそれも苦にせずゴードンが1Yardまで持ち込むと、最後は右にロールアウトしたキャメロンが切れ上がってさらに追加点。
で、次のドライブがこの試合を決定づけてしまったドライブである。ぶっちゃけ、前節の展開を見ていたら、この段階の2ポゼッションは全く焦る必要がない。爆発力があるあの攻撃に、まだ背筋は寒いままだった。
事実、自陣16Yardからの攻撃、#83松尾へのパス、クラフトのスクランブル、#10末吉へのスクリーンと既に自陣43Yard、次いで高木のクイックドローに高ギーのパスと、もう敵陣だ。この流れで一気に行くか、と思った瞬間……。
なんと左サイド(クラフトのバックサイド)から猛然と2人がラッシュし、OLをあっさり突破、話題のフリンがストリッピングで倒れかかるクラフトからボールを掻き出し、それを一緒に突っ込んだ#13平井が空中でキャッチ、そこから無人の荒野を突破してTD。
これ、本当にIBMにはダメージ大きかったと思う。ってか、その後攻守に焦りのような物が見えたし。
次のドライブ死はQBサックなどもあり、パント。この返しのドライブを秋山へのパス、神山のラン2回、宜本へのパスで進めた富士通がFG。
やられっぱなしとも行かないIBMはスタントへのパスを軸に攻め、TDを取るには取るのだが、それでもダメージが大きいまま。
というのも、ここいらから守備が富士通を止められなくなる。それこそあまりにもあっさりTDを取られて勝負あり。
この後IBMはパント。その返しのドライブでじっくり時間を使われてFGを奪われ、さらには返しの攻撃をINTで断ち切られて万事休す。
でね。まず富士通OLを賞賛しておきたい。まず、序盤に両DEのプレッシャーを軽減したことで、富士通ペースを作ることが出来た。そして最近は縦の勝負ではなくLBのエリアで勝負することが多くなった秋山(というか、今まで縦でしか勝負出来なかったのだが)や、宜本とのコンビネーションで攻めた強など、エースでないメンツが恐ろしいほど輝いていた。また、TEが全員いい仕事をしていた。
守備はフロントの強さがLBに余裕を与えている。それがミドルレンジのパスカバーを厚くした上に、#40アディヤミが要所要所で顔を出す事で(記録的には出てないんだけど)相手が困惑している。
もっともこれがオービックに通用するかどうかは別だけれど。
さてIBM。個人的には引き出しの少なさが気になる。攻守ともに、だ。
クラフトのパスターゲットで、去年まで比較的息の合っていた貴志の不在が響いているのか、それともレシーバー側とのコミュニケーション不足(ここで言うのはオービックの菅原くらいのフットボール馬鹿となって、金曜土曜は合宿状態にして息を合わせる、という意味でですよ)なのか、スタントがカバーされるとどうしようもなくなってしまう傾向がある。小川や栗原というハイグレードなレシーバーがいるだけに勿体ない。
そこが噛み合うようにならないと、折角のクラフトの破壊力も生かし切れないのではないだろうか。
せっかく、春のように「クラフトが自分で何とかしようと頑張りすぎる」状態で空回りする事がなくなったのだから。