(1)より続く
そもそも今回の話と同じようなリークによるパージ狙いの事件は過去にもあるわけだ。
記憶が正しければ
・明治大学ラグビー部、北島監督死去に伴い昇格した寺西監督に対する事件。
・日大アメフト部、篠竹監督の元を選手が一斉離脱した翌年春のコーチ大量離脱事件。
・関東学院大学ラグビー部における大麻事件後の春口監督誹謗中傷事件。
一つめは、名伯楽として有名だった明大ラグビー部の北島監督(メイジと言えば「前へ」であるが、その理論を作り上げた人。重戦車FWもこの人による)の後を受けたヘッドコーチの寺西氏に対して、「部費使い込み」の告発があった。ただしその内容が「家のカーテン」とか言う、まあ可愛い内容だったんだけど。明大卒業生としては「OB会の仲間割れだな」と思ったし、偉大なる親分の元で押さえ込まれた膿が吹き出したようなもんだとも思った。
但し、この結果として明治のラグビーは対抗戦制度改革によって自分たちの都合のいい日程が組めなくなる(序盤にめちゃくちゃ弱い相手と試合して実戦感覚を上げてから終盤の早明慶にぶつける)事態と重なって長期低迷に繋がった。一時期はFWの平均体重が早稲田に抜かれたほど。
二つ目は、三度目の大量離脱となった日大のが、翌年にコーチも大量離脱した事件。この時離脱組の言い分の中に「部費で高級時計などを買うが、コーチには何もない」などのものがあった。ネットで流布していた噂を総合した際には、篠竹氏そのものではなくとりまき(父母会事務局としてOBの父親、及び篠竹氏個人の後援会の事務局員の女性)が篠竹氏を担ぎ上げて甘い汁を吸っていたのてそれに対して反発したところその二人を信頼している篠竹氏の逆鱗に触れた、というもの。
※事実か根拠の無い噂かは不明だが、篠竹氏存命中は名誉教授の定年延長の画策などと含めて、かなり大量に噂として出回っていた。そこでの噂では晩年は残留したコーチからも見限られていた、かのようなものもあり、部を離れてからまもなく亡くなられたものの、その時点で前述の関係者がパージされていたという話も流れていた。
※現在の日大がこの問題によって復活したのではなく、篠竹氏個人の感情論で付属校出禁をやった関係で実力ある経験者が入部しなくなった事が、監督交代後の関係改善による経験者入部数造花によるところが大きいという事である。
三つ目は春口監督が部員の大麻栽培事件を受けて謹慎中に、ネットで散々叩かれていた中で起きている。ちょうど2ch文化が確立した頃だったので、どれだけ盛られたかは不明だが、やはり学外寮などの費用の一部をピンハネしたとか言われている。但し、報道はされていない(ってかこの頃は意図的なリークでない限りネット民が騒いでも一般媒体が記事にしなかった)
一応、一部事実もあるかも知れないが、こういうものは「やっかみ」による「足の引っ張り合い」だと思っているので、リークした側にも嫌悪感があることをはっきり言っておく。
そして、ここに書かれたことが「事実でない可能性も多々ある」事を明言しておくので、これらの話題に触れるときはうちを一次ソースとしないよう注意を喚起しときます。
その他にも「学校スポーツのコーチに金を包む親」というのは週刊誌報道でさんざっぱら取り上げられている。(長くなるので畳みます)
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これ、学校スポーツの指導は「教師」が「給与の範囲内」でするか、「OBが自分の意思で無償で」するもの、という暗黙のルールが出来てしまっている事が原因なのである。
町の少年野球の場合、サンデーコーチであろうがチームに「月謝」を払う。その中で練習場所の費用とか保険とかの手続きをする。
サッカーもそうだよね。
スイミングスールもそう。基本として月謝として一人1~3万は包むよね。
でも学校スポーツはそれがない。
これは戦前からの影響だと思うが、そもそも高等小学校以降に進学する生徒の数も少なかったし、当時の師範(教師)の範囲と、競技の数と、OBの地元定着率を鑑みれば、それで事足りたのである。
また、当時は実業団も少なくて地域愛好家のクラブ活動に子供が取り込まれていたというのもあるけれど。
※これは教育制度がドイツ型だった為。
しかし戦後、教育がアメリカ型になった。アメリカの場合、地域コミュニティの中核が「愛好家のサロン」から「学校」に切り替わったので、設備の整った学校が金を掛けて優秀な生徒を取り合うスタイルの中で中学校からの体育部活動が行われる。
そこへ東京オリンピックが輪を掛けて、それまで武道(剣道・柔道)や野球くらいだったものがテニス(これは皇太子と美智子さんの「テニスコートの恋」も影響しているだろう)やバレー、サッカーなど人材発掘の為のネットワークとして学校課外部活動を重要視する施策になったのである。
そう、あくまで課外。つまり指導者はサービス残業なのである。通じて現在のブラック部活に通じる。
そう、公立学校であっても、部活動の顧問に教員を当てることは「業務命令」であり、それは「週四〇時間」の範囲でさせなくてはならないのである。それが教育委員会含めて全く出来ていない。
さらに、「外部から指導者を雇う」事に対して、驚くべき閉鎖性で嫌悪感をむき出しにする。これは選手に対してもそれを望む。アマチュアリズムを無償奉仕と履き違えた理論の中で、指導者は清貧を強要されなり手が減っていく。
以前朝日新聞だったと思うが、こういう発言が掲載されていた。
スポーツの振興は、一部の指導者が私財を投じて家庭を捨てて身を滅ぼす中で成立している。
そんな中で、モンスターママが自分の息子のレギュラーほしさに金品をコーチに心付けとして渡す(父親の報道は見た事がないのは、おそらく風俗記事として取り上げられているからだと思う。オチは身体で子供のレギュラーを取ろうとする、という記事だったから)なんて事は「よく起こりうるモラルハザード」であり、「コーチにお世話になっているから、コーチのお店から多少高くても何かまとめて買おう」というのもよくある話でしないか。
本当は、部活動の運営には「学校」「後援会」「父母会」のトロイカ体制が必要で、その中で有償指導者の雇用の有無など議論して行くべき(かつ金銭管理の透明性を高めるべき)なのだが、みんな「成績といういいとこ取りはしたいけど、お金の部分や人事評価には関わりたくない」という姿勢で来ている。
なぜなら、サビ残上等の世の中で、教師にサビ残させれば面倒くさい事は自分たちは一切背負わず、責任は教師に丸投げ出来るから、だ。
よって、指導者はその指導の対価を貰うことが表だって出来ない。それで持ち出しは多くなる。
それで定年後までやってられるか?
それがこの問題の原点なんじゃないだろうか。(3に続く)