2016年11月12日横浜スタジアム第二試合

  1Q 2Q 3Q 4Q Total
富士通フロンティアーズ FF 0 22 0 20 42
アサヒ飲料チャレンジャーズ AC 0 0 0 6 6
Q TEAM TIME  PLAY  TFP
2 FF 0:05  #33高口3Yard Run   #11西村Kick
2 FF 4:41  #3キャメロン→#81中村 4Yard Pass   #11西村Kick ×
2 FF 4:56  #34樋田 18Yard Int.Ret   #4宜本Run☓
2 FF 11:00  #11西村29Yard FG    
4 FF 2:21  #33高口53Yard Run   #11西村Kick☓
4 FF 5:08  #20高野橋36Yard Run   #11西村Kick
4 FF 6:07  #40アディヤミ60Yard Int.Ret(INTは#53?)   #11西村Kick
4 AC 11:11  #14原口→#88河田6Yard Pass   #17影山Kick☓

※富士通2つのINTは公式記録に揃えました。

結果的には「守備のスタミナ」が差となって現れた試合で、と同時に控えの層という問題を考えさせるものだった。

ぶっちゃけ、飲料#9ロジャーズの使い方とQB育成、富士通RBの控えについて、だ。

その前に試合の根幹をざっと話してしまえばこうだ。「飲料守備がロジャースのブリッツを使ってプレッシャーをかけるが、ランとミドルパスで散らされて失点」「守備はレシーバーが守備をはがせないしランは出ないし四方八方ふさがった前半にインターセプトで失点」「プレー的にも時間的にも富士通のいいようにコントロール」「終盤に富士通守備がスタミナ切れのいつもの展開」という事で。

まず序盤富士通は#3キャメロンが長めのパスで(失敗してもいいので、これでDBとの能力差とDLのプレッシャーを計ったのだと思う)攻めるが失敗でパント。飲料は#2加納が出て#44川淵のダイブと#9ロジャースへのヒッチパスでダウン更新するも、原口のラン、原口から#85古財へのパス失敗、#22佃のランが出ずにパント。
この返しで最初にロングパスを失敗したものの#22岩松へのクイックパスからのランアフターで敵陣に入る。しかしこのドライブ#9ロジャースがサックで仕留めてパント。

……はい、ここで違和感に気付いた人、正解。この日、攻撃では2割くらいの回数、守備では8割、キックカバーチームとリターンチームとキックブロックチームの全プレーに、ロジャースが出ていた訳なんですよ。
この使いかで、もう少し彼のスタミナを温存できなかったか、というのが疑問点。切り札としてパスレシーバーに使っていたのだが、パスプロが持たないという事もあって記録は最初のヒッチパスのみ。もし前半に出番をもう少し押さえて、後半に攻撃メインで使ったら、と思った訳ですよ。

富士通の先制は、この返しの飲料の攻撃がパントになった後で、ゴードンのランを2本入れてからのQBスクランブルでダウン更新し、敵陣33Yardに入ってからのロングパス、DBにダブルカバーされていた#81中村がインターセプトを避けるようにチップアウトしたボールが相手選手とのからみの中で中村の手の中に入りキャッチしたスーパープレーから、最後はタンデム出場していた#33高口が先制ラン。

返しのドライブはパントに追いやった富士通は、高口とゴードンのラン、キャメロンのQBカウンター、中村へのパス2連発で攻め込むと、ホールディングがあったものの中村へのパス、高口へのラン、中村へのパスで追加点。ただこのドライブでゴードンが負傷。

この後前半は富士通が高口のランを起点に責め立てFG。
後半になるとランプレーと相手反則で攻め上がった飲料が痛恨のインターセプトで攻撃権放棄。さらにここで加納が負傷退場。
次のドライブをあっさりパントに追いやった飲料は#14原口がクイックパスで活路を見いだす、結局敵陣7Yardギャンブル失敗。
次のドライブは互いにパント(で4Q)。とにかくロングゲインのない飲料に対してキャメロンのキープと強へのパスでダウン更新した富士通は高口の左オプションピッチで一発ドカンと追加点。さらに原口のパスをインターセプトして得た攻撃で#22高野橋が左オフタックルをバウンズアウトして抜け出し独走TD。
さらに次のドライブでポストパターンのパスをLBが前に入ってINT。左に流れて詰まったところでアディヤミにピッチバックし、アディヤミがリターンTD(なのでアディヤミの公式記録に回数0回でリターンヤードが出ている)。

このあとキャッチアップした飲料がやっとの事でTDをするが万事休す。

ちなみに、2回TFPがブロックされてますか、どちらもロジャースによる。また1回ホールド失敗しているが、これはいつものホルダーが負傷した事が影響している。
また、2回目のTFPブロックにしてスタンドで理解できてない人が居たので解説。
キックブロックはスクリメージラインをボールが超えない場合はファンブルと一緒。従ってリターンして相手エンドゾーンに持ち込むと得点になる。これがフィールドゴールの場合はリカバーした地点からの攻撃となるが、TFPの場合はデッドした所で次のキックオフに移行する。
従ってこの場合、キックブロックされたボールを確保した飲料の選手がニーダウンしていないまま他の選手にボールを回し、密集から抜け出してラテラルを複数回した上で、最後にタックルを受けてボールデッドとなったので、TFPがそこで終了。次のキックオフに移行する。

さて、富士通はこの試合前半でRBゴードンを負傷で失った。ベテラン神山と金がいるものの、ここでは新人高口を起用し続けた。恐らく、今後来るであろう強力なライン戦の中で、無理なく時間消費が出来るRBの交代枠を探しているのだと思う。
昔のランブロックとスキームが違うのだろう、インサイドのゾーンブロックからのRB個人能力に賭けたカットバックは、逆に選手が怪我しやすいという点もあり、恐らくキャメロンの信頼がないのだと思う。従って昨年は人に強い#32後藤(まだ怪我で万全ではないらしい)の負荷が上がったし高野橋も万全ではない。
その中で高口に経験を積ませることが出来たのは幸運だったと思う。

逆にエースQB加納を怪我で欠いた飲料は、原口が奮戦した。しかし、動きながらのパスの精度であったり、ロングパスの精度だったり、まだまだ課題がある。現状の攻撃ラインでは外国人選手のプレッシャーには勝てないので、早めの克服してほしいものである。