1Q | 2Q | 3Q | 4Q | Total | ||
関西学院大学ファイターズ | KG | 0 | 0 | 6 | 7 | 30 |
富士通フロンティアーズ | FF | 13 | 7 | 10 | 0 | 13 |
Q | TEAM | TIME | PLAY | TFP |
1 | FF | 4:10 | #11西村49Yard FG | |
1 | FF | 8:15 | #11西村28Yard FG | |
1 | FF | 12:41 | #3キャメロン→#81中村30Yard Pass | #11西村Kick |
2 | FF | 12:38 | #3キャメロン→#81中村51Yard Pass | #11西村Kick |
3 | FF | 8:57 | #11西村29Yard FG | |
3 | KG | 13:50 | #40橋本3Yard Run | #6#伊豆→#22加藤Pass☓ |
3 | FF | 14:55 | #3キャメロン→#89福井38Yard Pass | #11西村Kick |
4 | KG | 14:15 | #6伊豆→#88亀山4Yard Pass | #1西岡Kick |
MVP ポールラッシュ杯 富士通#3コービー・キャメロン
まあ、鳥内さん以下関学のブレーンの方々が、実は「意固地に想定していたプランの範囲内で固執する」というのが見て取れた試合でしたねえ。フリーフリッカーに至ってはターゲットを色々いじったりしたのに、ほぼ通用しないという状況で執拗にやり続けたり、パント体型からのギャンブルも最初のプレーだけが大きくゲインした物の、後は読まれて封じ込められてしまったのにやる。本当はランプレーの一部が軸になれるはずなのに、それを軸にしないでトリックプレーばかり固執したというのが敗因で、富士通側に勝因があったというより、明らかな独り相撲だったというのが、会場で見ていての感想です。
公式記録は以下の通り(X League公式より なお関学の個人スタッツは関学公式を参照のこと)
富士通 | 関西学院 | |
ファーストダウン(ラン - パス - 反則) | 19 (6 - 13 - 0) | 20 (12 - 8 - 0) |
(パス) 試投 - 成功 - インターセプト 獲得ヤード |
27 - 20 - 0 311Yds |
32 - 20 - 0 196Yds |
(ラン) 回数 - 獲得ヤード | 31 - 116Yds | 46 - 165Yds |
(攻撃) 回数 - 獲得ヤード | 58 - 427Yds | 78 - 361Yds |
(反則) 回数 - 損失ヤード | 5 - 40Yds | 2 - 5Yds |
(ファンブル) 回数 - 喪失 | 1 - 1 | 1 - 0 |
(フィールドゴール) 回数 - 成功 | 3 - 3 | 0 - 0 |
TIME OF POSSESSION | 25:46 | 34:14 |
もしね。色々な所で言われているような「最初のドライブでの49YardFGが関学の思惑を突き崩した」ってえなら、そりゃ違うでしょう。試合前の公式練習の時点でそもそも関学は40Yardにトライすらしなかったのに対して、西村は47Yardトライしてたわけで。さらにIBM戦で47Yard決めている訳で。
まず根本的にそこで読み違えている。だいたい敵陣30YardでFG狙わないようなチームでは社会人で生き残る事は出来ない。
どちらかと言うと、そんなもんで動揺したとしても、さすがに関学2プレー目は頂けない(ネイキッドのプレーでQBがお手玉落球)。
さらにいただけないのがパント。自陣23Yardから蹴ってハーフウェーから富士通の攻撃である。リターンを恐れたとはいえ、自分で自分の首を締めてしまった。
しかもここまででキックオフから2分しか時間を使えていない。
次のドライブ、実は最初のドライブがラン主体だったからそのウラのパス主体。それでもある程度止めているんだよ関学は。
しかし、だ。やはり関学は地に足が付いていない。
実は富士通のキックオフは、この試合ある特徴があった(少なくともこの二回目のキックの時にくぼたさんは見抜いている)。実は#16ニクソンが入っているとニクソンが最初にセットしたのと反対側(キック時にはそちらに移動している)時は深いキック、居ないときは浅い位置へのスカイキック、と蹴り分けている。
それに最後まで気付かなかった。
ランは出るがパス2回失敗で自陣39Yard 、4th6yardで、QBが入っていてギャンブルすると思うか? リターナー残されてタイムアウト入れるべきなのに入れずにQBクイックパントって、をい。飛んだ角度が良くて富士通陣13Yardだったが、ブロックされそうな状態。危険すぎる無謀なトリックプレー。これを見れば、関学がテンパッてるのがまるわかりである。
ここからキャメロンは#22岩松へのパスを連投し、#20高野橋のランはロスした物の#89福井#81中村#29ゴードンと立て続けにパスを決めて、敵陣30Yard1stダウン。ここで、もう社会人ならほぼ選択肢の一つである奥へのTD狙いのフェードのパス。既に1回狙ったことがあるプレーが、カバーの選択肢に入っていない(Or落としどころが予測できない)というのは、明らかにパニクっている証拠。この時DB陣がレシーバーとの距離感を間違えていなければ競り合えたはずなのだが、出来なかった。
この返しの深いきつくオフの方で、ラテラルパスしようとして出来ず(確か反対側のリターナーがわざと転んでいたが無視されていたので芝居すら通用しない)。さらに次のバブルスクリーンがとんでもない高さに投げられるは、次のパスの後のフリーフリッカーはラッシュで崩されるは(ただしスクランブルで初めてダウン更新というおまけつき)。
結局このプレーとこのドライブで行ったパントフェイクリバース(2Qに入ってすぐ)だけがトリックプレーとしてゲインしただけで、次に狙ったパントフェイクからのブーツレッグに至ってはセンタースクリーンこそ成立したがダウン更新ならず。
実は2Qは、ここからお互いの守備が元来の実力を発揮してパント合戦になっている。しかし関学はまたしてもギャンブルに出て失敗。50Yardからの攻撃でゴードンのランを押さえた思ったら中村へのロングパス(ちなみにインサイドのレシーバーが外に釣り中村がポストに行くプレーで、FSは見事につられて内側をフリーにしていた。でもこれって昔のら日大の定番プレーの一つだよね?)でTD。
何が違うって、相手の心が折れているときに狙って追加点取れたという所。これ、ぶっちゃけButtle9のチームでも、ここまで露骨に狙われないプレーだ。どんだけ見透かされてるんだという話。
この後何度もフリーフリッカーに挑戦するが、そもそもフリーフリッカーが有効なのは、パスプロダイブが執拗に使われていてキーゲインの場合に、1~2回仕掛けに使えるだけで、肝心要のディープターゲットはマンマークされている(多分Super9の日本人QBだったらそれでも狙って落とせる。外国人ならピンポイント)は、それを見越したRBのスクリーンはプレッシャーでタイミングが合わないは、途中でOLに怪我人が出たとは言えやることなすこと裏目に出てばかり。
後半にFG決まった時点で「あ、もう大丈夫」と思って気を抜いて見ていたら、こからランがゴリゴリ出たりウラのドローが出たり。本来はこういう「じゃんけんの駆け引き」みたいなところで攻めるのが関学の持ち味なのに、最初からこれで来ていたらどうなっていたか判らないのに、と言っている内にTD。
しかしまた、点差的にも厳しいからってオンサイドを、わざわざ小芝居入れて(キックフェイント入れて反対側に蹴る)失敗(10ヤード行かずに富士通の選手に当たってサイドラインを割った)。
ここで岩松にパスを通した後に中村へのリードボール。確かに学生にはないパスプレーだけど、Xではあそこに落とすのは比較的あるからね。
結果として実は3QのTDドライブの通り攻める事と、富士通独特のCBの深いクッションの手前に素早く落とす事さえ出来ていれば、もっと富士通の守備にストレスを感じさせることは出来たのに、何故トリックプレーなんぞに固執したのかなあ。
なんか、KJとBKの亡霊に取り憑かれたのかなあ。
実際の所、外国人4人がどうこう、と言っていたけれど、前回対戦よりゴードンは走らせて貰えず、ニクソンだってOLはかなり上手く裁いていた(ダブルチームではなく、だ)。ぶっちゃけ2Q以降はかなりキャメロンにプレッシャーをかけられていたし、言うほど「外国人が」というほどの結果ではないと思っている(いやさTDパスは凄かったけどね)。
結論から言ってしまえば、監督コーチが「チームの基本線」を間違えて策におぼれた事が敗因なのであって、その為に精度の低いプレーで苦戦を強いられた選手達が可哀想であり、後日別途記載するが、ライスボウルの価値を貶めたかのようにあげつらわれる外国人選手達への不当評価を助長する関係者のリークに心底腹が立つ試合となってしまった。
間違いなく、これは攻撃側の選択ミスと首脳陣の考え違いが招いた、自滅劇で布かないのである、と個人的には思っている。