まず、ライスボウルの設立経緯と発展について整理したい。
一般的には、日本のアメリカンフットボール誕生50年記念行事として、それまで統一団体のなかった日本のアメリカンフットボールの統括団体であるべき日本協会を設立し、不統一だった普及活動を「頂点である全日本選手権」に集約する事で他競技同様の発展を目指す為に設定された試合、であるとされる。
ところが、まあ一部の裏話で聞こえ漏れたところによれば、当時すでらラグビーの方で社学逆転かなされており(新日鉄釜石の7連覇の後、神戸製鋼の7連覇が続く)、やがてそうなることを懸念した関西学生連盟が反対したが、関東におけるビックゲーム誘致を目論んだ関東学連と実業団、地域連盟の後押しによって押し切られた、という話が出ている。
これ、言っちゃ悪いけど、「うちらが勝負出来ない事はしません」って事、だよね?
ちなみに社会人は出場機会のなかった東西社会人リーグとの統合が段階的になされて、現行のスタイルになっていった訳だけどね。※今と同じになったのは89年シーズン。クラブチームの出場決定戦神戸ボウルがあったのは88年シーズンで、この年まで実業団リーグと東西リーグの並列開催。89年からリーグ統合。
で、社会人有利になったのは、1991年シーズンから。社会人四連勝、京大が1勝したものの社会人五連勝、このあすと学生三連勝ののち社会人四連勝、立命館が勝った後学生八連勝。
実は学生三連勝の時って、実業団廃部の連鎖の時期でさ。いわゆるITバブルがはじけた後の構造改革の時期なんだよね。この構造改革の後に「外国人登録」が始まったんだけど、だからと言って、圧倒的有利という訳でもないんだよね。この時点で、いわゆる外国人(アメリカの大学を卒業した選手)ってのは、そもそもオンワード・オークスのブレナンあたりが最初なんだけど、正直オービックのKJ以降でも、ライスにはインパルスもディアーズも外国人なしだし、逆にクラフト・スタントンを呼び入れたIBMは未だに出られていない(あの強力な攻撃コンビでさえ、だぜ!)。
だから外国人がどうこう、というのは「試合に限って言えば」実はそれほど大きなファクターではないと思う。
どちらかというと、「外国人コーチ」の方だろうね。外国人コーチが新しい戦術を持ち込み、それに勝つための方策を検討して考えて実践した社会人の研鑽の方が大きく影響していると思うけれどね。
いや、まあ今年のあのパスは凄かったけど、あのパスは全盛期の高田や菅原も投げていたから、QBが投げないと言うより投げ込めるレシーバーの存在の有無の方が大きいような感じがするんだけどね。
学生では、まあ関東が1ブロックに移行したことによって東北・北海道の勝者両方が関東トップと試合するチャンスを失ったという課題の他に、関西が「人気再燃のために」西日本王座を妙なことにした、という事もあって、結果的に微妙な空気が漂っているけどね。
そもそも関東は天然芝でもう少し試合しないと駄目でしょう。※関西は終盤に王子陸上、宝ヶ池、ヤンマー、万博と天然芝フィールドで試合を組んでいる。関東では残念ながら夢の島一カ所しか出来ない現状。終盤に駒沢陸上や江戸川陸上を使えない物か……
ちょっとなんかそれちゃったけど、未だ日本の頂点を決める場としてのオープントーナメント機能としてのライスボウルは、機能しているように思えて仕方ないのである。少なくとも、一方的に「乖離」させられちゃって「役割が終わった」事にされる程の内容ではないと思うのだけれど。