|
1Q |
2Q |
3Q |
4Q |
Total |
富士通フロンティアーズ |
FF |
0 |
13 |
0 |
3 |
16 |
オービック・シーガルズ |
OS |
7 |
0 |
0 |
7 |
14 |
Q |
TEAM |
TIME |
PLAY |
TFP |
1 |
OS |
11:28 |
#3ハワード8Yard Run |
#49星野Kick |
2 |
FF |
4:45 |
#3バードソント8YardRun |
#11西村Kick×(Block) |
2 |
FF |
5:11 |
#3バードソン→#29グラントYard Pass |
#11西村Kick |
4 |
OS |
0:39 |
#30地村20Yard Run |
#49星野Kick |
4 |
OS |
4:12 |
#49星野43YardFG× |
|
4 |
FF |
9:49 |
#11西村26Yard FG |
|
4 |
OS |
12:00 |
#49星野26YardFG×(Block) |
|
|
オービック |
富士通 |
1stDown(Run-Pass-Foul) |
17(7-10-0) |
12(8-4-0) |
ラン攻撃(ATT-Yard-TD) |
36-141-2 |
25-126-1 |
パス攻撃(ATT-Comp-INT-Yard-TD) |
21-13-0-160-0 |
19-13-2-108-1 |
Total(ATT-Yard) |
57-301 |
44-234 |
反則(Att-Yard) |
3-25 |
3-20 |
Punt(Att-Yard) |
4-75 |
4-168 |
PuntRet(Att-FC-Yarrd) |
2-1-18 |
2-1-0 |
KickOff(RetAtt-FC-RetYard-TD) |
3-0-71-0 |
3-0-32-0 |
Fumble(Att-Lost) |
2-1 |
0-0 |
攻撃時間 |
29分12秒 |
18分48秒 |
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今思い返しても「負けた」と思った。いや絶対みんな同じ思いだった。
どうしてこうなった。
というのは公式記録のドライブチャートで明白になっている。
すなわち富士通のプレー開始位置。
2Qでの開始位置がガルズ陣37Yardと17Yard(ファンブルリカバーによる)、富士通陣41Yardとガルズ陣47Yard(前半終了時にINTされる)。実に相手エンドゾーンに近い。
翻ってガルズの開始位置はと言うと
1Qが自陣10Yard(ただしTD)、2Qが自陣10・25・25・35Yard、3Qが22・20Yard(4QにTD)、4Qが敵陣23Yard(INTによる。FG失敗)と自陣35Yard(FG失敗)
つまり2Qにおいて相手に有利な位置4回という致命的なミスをした事で3回の得点機を与え(うち2回が失点)自分たちの攻撃距離が長くなってしまったこと、そして2回のFG失敗に行き着いてしまう。
逆に言うと富士通は、1Qの8分近くのドライブ以外は「上手い具合に時間を使わせた上でTD1回だけに押さえる」という守備陣の奮闘が光ったと言えるのである。
試合は富士通のリターンで始まり、#81中村へのパスと#29グラントのランでダウンを更新するものの#23BJのサックで下げられ、更にBJのスピードラッシュが利いてゲイン出来ず、パント。
ガルズは自陣10Yardからの攻撃となるが、#29李のラン2回の後李へのスクリーンが決まる(よく#5マシスが止めたってもんだ)。ここから#3ハワードの丁寧なプレーでじわじわと前進する……逆に言うとビックゲインを富士通が許さない。特に李のランを軸に止まりそうで止まらないドライブは、気がつけば1Qほぼ使い切ってTDに持ち込むところまで行ったのである。
この返しのドライブは自陣38Yardからの攻撃となるが、敵陣39Yardで止まる。#29グラントもよく走るが、やはりびぃーディー兄弟や寺田など、分厚くアグレッシブなガルズ守備に手を焼く(このジリジリ感が後に影響を及ぼすのだが)。
このパントの結果(ディレーで故意に下がって蹴った)自陣10yARDからの攻撃となったガルズだが、ハワードがカバレッジサックを受け、またパスがタイミングああわずでダウン更新が出来ずにパントとなるが、なんと有ろう事か#8長尾のパントが伸びず(エンドゾーンの中からだったとは言え、もう10Yardは飛ばしたかったし、彼の実力なら行けた筈。リターンを恐れてセーブしたか?)ガルズ陣37Yardからの攻撃になる。
ここで巨漢#3バードソンかそのパワフルなQBドローでダウンを更新するとグラントのランでさらに進み、さらには決め打ちドローでTD。ただしTFPがもうれつなハイプレッシャーでブロックされてしまう。
つぎのキックオフが25Yardからとなるが、今度は富士通のハイプレッシャー守備でブーツレッグに行ったハワードをサック。次のプレーで#30地村の右オフタックル狙いの軽いカットバックを入れた瞬間に#10神山がパンチング入れてファンブル、それを富士通がガルズ陣17Yardでリカバー。
これをグランドかRBの位置から一度縦に出てのシャドークロス、かつスピードの乗ったチェンジオブペースで一人躱すとタックルに来た選手をハードリングで躱してTD。
この時、TD後迎えに行って喜びを爆発させたか戻ってくる途中のバードソンがいきなりうつぶせに倒れてしまう。※ライブ配信の画像で見ても確認出来なかった。観ていた人によるとピョンピョン跳ねて着地の時にひねったっぽい。
そりゃ喜び爆発するのは判るが、しかしここでかよー(以前痛めた場所ぽい。この後救急車がサイレン鳴らしてきたから結構ビビった)
この返しのドライブで25Yardからの攻撃となるシーガルズだが、李のランの後#11前田へのバブルスクリーンが決まるのだが、パスに出てもスクランブルに追い込まれてしまう(ただし毛塚として敵陣に入る)、あるいは決め打ちドローなど思ったように前進できず、プレッシャーを感じてかパスがショートしてしまうなど進みきれず、今度はここでコントロールパントを狙った長尾がミスパント(ボールが脛に当たるのが見えた)。押し込むことが出来ずに攻撃権交代。
富士通は緊急リリーフとなった#18高木がサックを受けてしまい、時間を流そうとしてもガルズがタイムアウト入れてしまったので無理せずパント。い゛もガルズも自陣に釘付けでパント。だがここもまたしても、またしても長尾がミスパント。結果として最後にヘイルメリーを狙わせる機会を与えてしまった(結果はインターセプト)。
後半はシーガルズのリターンから始まる。
ガルズ陣22Yardからの攻撃で、地村がランでロスするもすぐさま#7池井へのパスでダウン更新。さらに#"2高木へのパスも決まるのだが、次のプレーでホールディングがあり下がってしまう。結果としてパントになるが、ようやく長尾らしいパントで富士通陣15Yardへ押し込む事に成功する。
これをグラントのランと高木のキープでダウン更新すると、高木のランを挟んでグラントのランでさらにダウン更新。だがここから一進一退の攻防の末にパントでタッチバック。
ここからのドライブで、地村が一発でダウンを更新すると、ハワードのキープとチケらのラン、そしてハワードのスクランブル(ファンブルしたがガルズがカバー)でダウン更新。次の望月のランの時にもう3Q終了。しかもここから止まらないガルズはハワードのスクランブルの後池井にパスを決め、更に地村が20Yard走りきってTD、逆転に成功する。とはいえ1点差。
返しの富士通の攻撃はフェアキャッチで35Yardから。#86森田へのパスでダウン更新するものの、次の森田へのパスを#21ブロンソン・ビーディーがインターセプトし、しかもリターンして富士通陣23Yardからの攻撃になる。
しかしこの接待絶命のピンチに対して富士通守備が頑張った。最初のパスは失敗、ついでホールでイングで下げ、地村のランは走られたもののハワードをサックで仕留め、しかもと次のFGが素早いラッシュにプレッシャーを感じたかポスト右にはずれてしまう。もう富士通スタンドは安堵のため息でしたよ。
富士通陣26Yardからの攻撃は、まずグラントのラン、ついで#85松井へのパスでダウン更新、グラントのラン2回で更新出来なかった所でグラントがアンダーニースに出てクイックアウトした憎たらしいパスコースで50Yard。
フォルススタートで下がった者の今度はグラントのスイングでロングゲインを狙うが#13岩本が必死のパシュートの末にシューストリングタックルを決めて15Yardゲインに止めた。とはいえダウン更新し、さらにレシーバーにモーションしたグラントにパスを決め32Yard。
ここでグラントのクイックドローから小さくバウンズアウトして中央突破。よく藤本おいついたなあ、といいつつ8Yard。
交代で入った#30金の左オープンが炸裂してTDかと思いきやホールでイングで罰退。
森田へのTDパス狙いはコースが少し合わず失敗、#83柴田へのセンタースクリーンはキャッチ直後に潰され、さあ困ったという所で一度タイムアウト(インジャリータイムアウトが入った為、時間めい一杯消費して止めた。残りこの時点で3分2秒)。
……一応ね。この時いやーな予感はしたの。残り時間ありすぎ。TD以外なら残り2分台にしたいのよ。西村のキック力ならディレーしてもロスしなければ40YardのFGなんだから、使い切っても良かったんじゃないかって。
結果、グラントのクイックドロー。粘って6Yardまで進んで、FG。
※後でガルズファンに聞いたらこの判断を「TD撮りに来なかった、ラッキー」と捉えたそうです。富士通側は「裏かいた、サマジー強い」だったんで、このへんの解釈の違いは面白いです。
このFGの時、ガルズがタイムアウトを取らせなかったというのが最後に利いてくる。
いやもうね。富士通側は「よし、残り2分10秒。貰った絶対に」という安堵の空気が流れていた訳ですよ。
ところが、そすがに手強い。
キックオフリターンを#18木下がリターンして35Yardから。地村のランが2Yard、次の池井へのパスが失敗。3rdロングで向かって右OLBのブリッツが入った所その内側のギャップにハワードがスクランブルを仕掛けて49Yard。続けてカバーがきついと見るや左オフタックル付近にツッコんで敵陣43Yardまで進んで残り50秒、タイムアウト1回目。
右トリップスから木下へのバブルスクリーンが決まり32Yardで、ここでタイムアウトを入れずにパスに来た時は、「よし、守り切れば49Yard。1回外しているからプレッシャーあるからあああああぁぁぁぁぁぁっ」……そこでFLに入った木下がフリーで、しかも縦に上がると見せてアウトに流れるという。そこへどんぴしゃでパスが通って。
12Yardですか。
もうね。この時点で富士通サイドはほぼ負けが確定してました。
ディレー回避でタイムアウト1回入り、さらに望月のダイブで詰めて。ただ中ハッシュにしたかったと思うんだけど左に流れて。
残り2秒でタイムアウト。
いやも無理。
ガルズ伝統の「重要な試合ではFGを必ず1回は外す」ってジンクスも、既に外してるから効き目ないし。
大阪行き決定。
でもファンは凄いね。クラウドノイズの最中に「大阪行きたくねええええええっ」であっちこっちで出てたもの。
そんな時にハドル解いた直後くらいにクールダウン・タイムアウト。
前日のLIXILの、最後のFGの所がふと頭によぎった。あの時は青木がタイムアウトの時に蹴ったボールがバーに当たったので、それを気にして反対サイドを狙いすぎたが故に失敗。あのときも左ハッシュでバックスクリーン側……
よせやい、そこまで都合よく行く訳がない。相手は百戦錬磨のオービック・シーガルズだぜ。
そんなくぼたさんの思いをあざ笑うかのように、ポスト側のラインがへこんだかと思うと、そこから入ってきた選手(#34樋田)がものの見事にブロックした!
後ろのスポッター席なんてあーた、お通夜状態からの大爆発ですよ。スタンド中立ち上がって左右見て「何が起きたーーーーーーっ」的な。目の前に座ってたカップルの彼氏さんなんか、何が起きたか判んなくてきょとんと左右を見回してたくらいだよ。
ガルズさんには申し訳ないとは思うが、ついン十秒前のノリさんへのパスだってそうじゃないか。
「マジかよやられた。これがフットボールなんだな」
はっきり言おう。どちらも完璧なチームだった。完璧な試合運びだった。画竜点睛欠くことなく、最高のポテンシャルの中で、互いに最大限の力を見せた。
敗因とかそんなものは、ない。スタッツに対して僅差に終わった結果は冒頭記した通りだけど、勝った負けたの理由じゃない。
素直に両チームを、たたえよう。
これは、そういう、試合なんです。